1 地域公共交通政策の取組について
2 伝統文化の継承・発展について
3 認知症対策について
4 その他
※外部リンクに移動します。
◯増田大輔君 府民クラブ京都府議会議員団の増田大輔でございます。
議長のお許しをいただき、一言申し述べさせていただきます。
1月1日に発生した能登半島沖を震源とする大地震により、多数の方がお亡くなりになり、大勢の方が負傷し、さらに建物の倒壊や道路の陥没、地面の液状化など、甚大な被害が報じられています。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
本府におかれましても迅速な対応を取られておりますが、今後とも息の長い災害復興支援をよろしくお願い申し上げます。
それでは、通告に従い質問させていただきますので、西脇知事をはじめとする理事者の皆様には積極的な答弁を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。
初めに、地域公共交通政策の取組について質問させていただきます。
公共交通や自動車、そういった交通手段がそれぞれどれぐらい利用されているかについて三大都市圏と地方都市圏を比べますと、三大都市圏においては、鉄道やバスといった公共交通の利用のウエートがかなり高くなっているのは周知のことと思います。それに対して、自動車で移動されるのは圧倒的に地方都市圏のほうが多いことは想像できると思います。データを見ましても、そのようになっています。すなわち、公共交通の利用は大都市ほど高く、自動車の利用は地方ほど高いということです。
また、一般路線バスの利用者の推移を見ても、都市圏においては緩やかであるものの増加傾向にある一方、地方では年々減少傾向にあります。鉄道のほうはどうかというと、地域鉄道に限った利用者の推移で、地域鉄道の利用者のピークは1991年で、ここから減少傾向にあり、現在はピーク時からおおよそ22%ほど減少しています。
次に、路線バス、鉄道の廃止・廃線の状況といいますと、バスは2010年から全国で毎年800キロから1,700キロの路線が廃止されています。鉄道のほうはバスほどドラスティックに減少はしていませんが、それでも廃線が増えています。昨今はコロナ禍の影響もありましたが、構造的な問題でもともと地域公共交通が抱えていた経営難がコロナでより加速し、鮮明になったと思います。
そもそも地域公共交通がどのような目的で使われているのかというと、65歳以上の高齢者の方では日常的な買物、それから病院や公共施設へのアクセスのために利用されているケースが多く、18歳から64歳のいわゆる生産年齢人口の中でも特に高校生・大学生を含むところでは、通勤や通学に利用されているところが多く見られます。いわゆる生活関連施設と言われているような医療・買物・教育、こういうものが町の中で点在化していることと高齢化が進むことに伴うマイカー運転断念者がこれからさらに増加することを考えると、今ニーズを満たしてくれている地域公共交通が衰退することは、買物や通院、通学のための移動を制約され、生活条件が危機的状況となる方々がこれからさらに大量に発生してしまうということになります。
さらに、人口減少社会で、人が減るということは交通総量が減るということになります。その中で生活条件を満たしてくれてきた地域公共交通インフラをどのように再整備して生活の足を持続的に維持していくのか、こういうことが問われているということです。
ところが、日本の公共投資は相変わらず道路に偏っています。道路特定財源によって公共投資が主として道路整備を中心に行われてきたわけですが、2009年から一般財源化された後も道路偏重の公共投資は変わっておりません。一方、公共交通への投資はどうなっているのかというと、非常に心もとない水準になっているということです。これには歴史的に道路投資の拡大と郊外開発を進めてきたという側面があり、そのことが当然ながら地方都市圏でマイカー依存度が上がることにつながっていくわけで、地域公共交通は衰退していくけれど、道路はどんどん拡張・整備されていく、そうすると移動の手段としてはどうしても自動車に依存するようになっていく、こういう構造が生まれてきたということです。
経営難になった地域公共交通の事業者は、サービス水準を落とさざるを得なくなります。例えば、1時間に2本走らせていたものを1本にするなどです。そうなると、不便になり、ますます利用しなくなる。自動車のほうが自分の都合で移動できるし、便利ですし、地域公共交通の利用者はさらに減り、交通事業者の経営が厳しくなっていく。さらには、人口減少も相まって人手不足になり、働かれている方々にさらに過重労働がのしかかり、退職される。こうした悪循環が起こっているのが今日の地方での地域公共交通の姿です。
そこで質問させていただきます。
こうした地域公共交通の現状を踏まえ、本府はこれまでにどのような対策や支援を実施されてきたのか、お聞かせください。また、来年度の予算も含め、今後どのような交通政策や支援を実施されていくのか、併せてお聞かせください。
バスに焦点を当てたいと思います。
2020年度の乗合バス事業者の収支状況を確認しますと、何と赤字事業者が99.6%で、ほとんどのバス事業者が赤字経営という状況に陥っています。これはもちろんコロナ禍時ですので緊急事態宣言などのコロナの影響はあったわけですが、もともと厳しい状況にあったことがさらにコロナ禍で露呈したという認識を持たなければいけません。
バスの幹線系統への補助について、対象系統数は右下がりになっていますが、補助額は増加しています。これは単純に路線の減少が影響していると思いますが、大事なのは補助額が増えているということです。要するに、補助しなければならない対象事業者が増えているということです。しかしながら、補助額を増やしてもまだ事業者の要望額に対して実際の補助額はかなり少ないとお伺いしています。
こうした中で、地域を歩いて話を聞いていますと、コミュニティバスの導入がよく話題に上がります。路線バスが次々に撤退していくと、交通空白地域ができてしまう。そこで地域の方の足を維持するためにコミュニティバスが導入されたりするわけですが、その事業形態は非常に多様です。行政の直営もあれば、NPOとコラボレーションするとか地域の方の御協力を得るとか、様々な形で運行されています。財源についても多様な形で支えられています。しかし、高コストで、公的負担による補助で支えることが前提になるという仕組みですから、財政基盤の乏しい自治体ではその持続可能性が危ぶまれているところです。
そこで、府内のコミュニティバス導入や現状について、自治体との連携などのお考えをお聞かせください。
さらには、今、お隣の滋賀県では交通税について議論されています。滋賀県では、2040年代を見据えた地域交通の姿として、誰もが行きたいときに行きたいところに移動できることを目指した地域交通ビジョンの素案を提示されています。そのための具体策の一つとして地域公共交通に必要な財源を試算、その確保の一つの方法として交通税を挙げられています。この交通税の取組についても本府のお考えをお聞かせください。
次に、伝統文化の継承・発展について質問させていただきます。
昨年に文化庁が京都に移転してきました。京都でも改めて文化を生かしたまちづくりや文化の力が注目されています。伝統や文化には、我が国の長い歴史の中で人々に代々受け継がれてきた華道や茶道、または歌舞伎や長唄、ほかにも落語や能楽などに代表される伝統文化や伝統芸能があります。
伝統とは何かということを言葉で言い表すことは難しいですが、辞書によれば、世代を超えて受け継がれた人間の行動様式や思考、慣習などの歴史的存在意義などと言われています。日本には、遠い昔から今日まで、生きるために脈々と受け継がれてきたものがあります。それは、私たちが生存・生活する中で社会全体として共有しながら受け継がれてきた生活様式や、様々な種類の習慣、慣習、価値観などです。そして、地域社会においては、地域の特性が生み出した固有の習慣、生活に根づいた技芸や風習も長い歴史にもまれながら伝統という形で受け継がれてきたものです。
伝統文化、伝統工芸などは、それまでの長い歴史の中で形成された中でも特に普遍的に重んじられてきたものであり、地域に根差し、地域社会とともに伝承されてきたものを言います。それは、伝統芸能や風習、行事として地域文化として伝えられてきたものや日常生活の道具として使用されたものが使用価値から美術的価値や工芸品的価値に形を変え、その技法は匠の技として継承・伝承されてきたものと思います。
伝統は、人間国宝や伝統芸能など国が指定し受け継がれてきたものや、地域社会や家を主体に受け継がれてきたものなど、多様な形で今日まで継承されてきたものであり、これからも普遍的な価値と精神性、歴史的な存在意義があるものとして継承・伝承されていくと思います。
さらに、教育の面で見ますと、日本の伝統文化理解教育とは、子どもたち自身が今日的な視点から伝統や文化を捉え直し、すばらしさを誇りに思うと同時に、世界の中で日本人としてよりよく生きていくために何をどのように生かしていくかについて理解し、実践する教育のことを言います。そうした伝統文化はもとより、未来に受け継いでいきたい現代の文化も含むと思います。
今の子どもたちに学ぶ機会や興味を持ってもらう機会の減少の観点から、伝統文化を理解し、大切にする教育は、従来、日常生活の具体的な時と場に即して行われてきたものですが、時代の変化とともに、家庭や地域社会において子どもたちが伝統や文化について理解したり、経験したりする機会は減ってきています。子どもたちが日本の伝統や文化の価値を学ぶためには、学校においても家庭、地域社会と連携を図りながら、計画的・系統的な指導を展開することが必要と考えます。
そこで質問させていただきます。
子どもたちが伝統文化や伝統芸能に触れる機会が少ないことを踏まえ、子どもたちが学校などで伝統文化に触れ合う機会があればよいと思います。そこで、子どもたちに本格的な演目を見る機会を提供することで、子どもたちに伝統文化のすばらしさや楽しさを伝える機会を創出してほしいと考えますが、お考えをお聞かせください。
また、京都には無形文化財などに登録される伝統芸能を普及・推進されている団体もございます。その方々と京都府が連携して学校などで伝統文化を実際に体験してもらうような機会をつくるとともに、発表の機会を創出していくことで伝統文化の継承・発展につなげていく必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。
認知症対策について質問いたします。
去年、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。この認知症基本法は、認知症政策分野の方向性を示す役割を持つものであると考えられますが、この目的を示す第1条において「認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会」と定義づけています。
このような社会の形成に必要不可欠なのが地域社会によるボトムアップであると考えられます。認知症基本法に対する本府の考え方について、認知症基本法制定前と制定後で具体的に見直した政策などはあるのでしょうか。
認知症基本法では、第21条で、認知症予防について「希望する者が科学的知見に基づく適切な認知症及び軽度の認知機能の障害の予防に取り組むことができるよう」という記述があります。今の18歳未満の子どもたちの平均寿命は100歳を超えてくるのではないかと言われています。それだけ平均寿命が延びてくるということは、高齢とともに発症機会が高くなり、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると言われており、今後さらに増えていくのではないでしょうか。そのため、認知症患者に寄り添う社会を形成するだけでなく、認知症の積極的な予防対策も重要であると考えます。
京都府内には高い科学技術力を持つ企業があるが、その中でも、島津製作所のノーベル賞受賞者である田中耕一さんが開発した質量分析法の技術を応用した、血液中のアルツハイマー型認知症の原因タンパク質の一つであるアミロイドベータの定量測定を行うことによってアルツハイマー型認知症の早期予防を行うことが可能になります。このような京都発祥の技術を積極的に使用し、認知症基本法第21条に沿った予防対策が必要だと考えますが、認知症検査をするための患者さんの費用は高額になることもあるために患者さん負担は大きい。また、検査費用もさることながら、認知症かどうかの進行具合を検査するための検査機器の導入も非常に高額と言われています。このような検査費用や検査機器導入の費用の補助もお願いしたいと思いますが、このような点について本府としてはどのように考えているのか、教えてください。
また、認知症の対策については、このような病理的な側面だけでなく、介護的な側面もあります。この介護に関する認知症の対策については、これまで多くの自治体で行われてきました。
一方で、忘れがちになるのが資産管理的な側面です。認知症が発症し、認知機能が低下すると、次のような行為ができなくなるリスクが高まります。具体的には以下の7点で、1)預金の引き出し、2)老人ホームなどへの入所契約、3)不動産の売買、4)生前贈与、5)生命保険への加入、契約内容の変更、6)遺言の作成、7)遺産分割協議などがあります。このような認知症リスクに対する事前対策などの情報の府民への普及など、具体的に本府が行っていることがあるのでしょうか。
歯と口の健康づくりが認知症予防には非常に大事になってくると言われています。歯を守るということは全身の健康につながる、このようなことも本府から広めていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
以上、御答弁よろしくお願いいたします。
◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 増田議員の御質問にお答えいたします。
地域公共交通政策についてでございます。
鉄道、バスなどの地域公共交通は、通勤・通学・通院や子育てなど地域の生活や経済を支える重要な社会基盤であり、特に車を運転できない方にとっては欠くことができない移動手段でございます。このため京都府では、JR山陰本線、奈良線などの高速化・複線化、京都丹後鉄道や複数市町村にまたがる広域的なバス路線への運行支援などを行い、広域的な公共交通ネットワークの整備に取り組んできたところでございます。併せまして、各地域での移動手段を確保するため、過疎地域などにおけるバス路線の維持に係る経費を市町村に対し支援することなどにより、地域の公共交通ネットワークの維持・確保にも取り組んできたところでございます。
さらには、少子高齢化に伴う人口減少や自家用車の普及により、地域公共交通の利用者の一層の減少が見込まれる中で、持続可能な地域公共交通を確保していくためには、道路や公共施設の整備といったまちづくりに合わせたバス路線の見直しなど、利用しやすい輸送サービスの提供のための柔軟な取組が重要となってまいります。このため京都府では、市町村に対するバスの運行支援について、学校や病院の統廃合による生活圏の変化などに対応し、地域の実情を踏まえた効率的な路線への変更や自家用有償運送の活用についても支援の対象とするなどの拡充を行ったところであります。
加えまして、昨今の運転手不足などにより、過疎地域のみならず、都市部のバス路線においても減便などが行われているところであり、このような問題への対応も急務となってきております。このため、交通事業者が人材確保を行う経費への継続的な支援や二種免許取得に関する規制緩和などを国に対し要望いたしますとともに、交通事業者に対し、人材確保の取組や燃費性能が優れた車両の導入など、生産性向上の取組への支援を行っているところでございます。
来年度におきましても、このような取組により交通事業者や市町村を支援いたしますとともに、さらに、福祉有償運送など地域のあらゆる輸送資源や自動運転などの新技術の活用により、地域公共交通の確保に取り組む市町村を支援するための予算案を今定例会に提案しているところでございます。
京都府といたしましては、引き続き、市町村や交通事業者と連携し、国の支援制度も十分に活用しながら、まちづくりとの連携や人材確保など総合的な対策を進め、持続可能な地域公共交通の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯議長(石田宗久君) 益田文化生活部長。
〔文化生活部長益田結花君登壇〕
◯文化生活部長(益田結花君) 子どもたちへの伝統文化体験の機会創出についてでございます。
京都は長い歴史をかけて積み重ねてきた日本文化の中心であり、議員御指摘のとおり、能、狂言、邦楽などの伝統芸能をはじめ、茶道や華道など生活に根差した文化が発展し、親しまれてきましたが、近年の生活様式の変化や価値観の多様化などに伴い、こうした伝統文化への関心が薄まるとともに、その継承も大きな課題となっております。このため京都府では、古典芸能普及促進事業を通じて芸術家や芸術団体が行う公演を支援し、子どもたちになじみのある教科書にも載るような分かりやすい演目や親子鑑賞会など、気軽に古典芸能を鑑賞・体験できる機会の提供に取り組んでまいりました。
今後も、人間国宝などによる解説つきの伝統芸能の公演や、公演前のワークショップの実施などにより、子どもたちが本格的な伝統芸能に触れ、親しみ、興味や関心を高められるよう、次代を担う子どもたちが伝統文化に親しむ機会の創出に努めてまいりたいと考えております。
次に、文化芸術団体と連携した取組についてでございます。
伝統文化を次世代に受け継いでいくためには、子どもの頃から伝統文化に親しみ、興味や関心を持つことが重要であり、学校での教育においても府内各地で伝統芸能の普及に取り組む文化芸術団体と連携した取組が必要であると考えております。
これまで京都府では、府教育委員会や市町村、伝統芸能の保存会などと連携し、全国の高校生が吟詠剣詩舞や和太鼓の演奏、踊りなどを披露する「全国高校生伝統文化フェスティバル」や、府内の小中学生が歌舞伎や踊りなどの伝統芸能の日頃の練習成果を披露する「伝統文化の夢舞台」を実施しているところでございます。また、今定例会に予算案を提案しております「文化の心次世代継承事業」では、茶道の各流派や京都いけばな協会などと連携して、府域の全小中学生が在学中に一度は茶道や華道などの生活文化を体験したり、能楽協会などと連携して、能や狂言などの演者を学校に派遣し、ワークショップなどを通じて文化芸術を体験・体感したりする取組を実施したいと考えております。
今後とも、文化芸術団体をはじめ、府教育委員会や市町村とも連携し、子どもたちが伝統文化の道具や衣装などに触れ、演者から直接お話を伺うことなどを通じて、将来にわたり、京都の文化が継承されていくように取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(石田宗久君) 長谷川健康福祉部長。
〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕
◯健康福祉部長(長谷川学君) 認知症対策についてでございます。
厚生労働省の推計によると、京都府の認知症高齢者は2020年で約13万人、2040年に約20万人になるとされており、アルツハイマー型認知症は、認知症を発症する方の中で最も大きな割合を占めております。
議員御紹介の京都発祥の技術を活用した血液中のアミロイドベータ測定によるアルツハイマー型認知症の検査方法は、今後、より一層のデータ蓄積によりエビデンスが確立され、汎用性が高まるものと期待しております。
京都府といたしましては、国に対して検査費用に対する財政支援の在り方についての検討を求めてまいります。また、認知症診断に用いられるアミロイドPET等の診断機器は、導入費用が高額であることから、今後、国に対して予算措置を求めてまいります。
次に、認知症の方に対する京都府の具体的な取組についてでございます。
京都府では、認知機能の低下により判断能力が十分でなくなった方の生活を守るため、資産管理をはじめとした当事者の意思決定を支える成年後見制度の利用を促進しており、さらに、京都府独自の取組として、医療、福祉、金融、行政などの関係者を対象として、認知症の方の意思決定を支援する人材育成に取り組んでいるところであります。
今後とも、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができる社会の実現に努めてまいります。
次に、歯と口の健康づくりに係る啓発についてでございます。
歯と口の健康を保つことは、生活習慣病や誤嚥性肺炎の予防など、全身の健康につながるものであり、府民の健康づくりを進める上で重要であると考えております。また、認知症につきましても口腔機能の低下との関連についての研究が進められているところです。
京都府では、歯科疾患や歯の喪失を予防するための情報提供を行うとともに、口腔機能の衰えであるオーラルフレイルを予防するため、高齢者サロンや通いの場等での助言や、その担い手である歯科衛生士の養成などに取り組んでおります。
今後は、生涯にわたる定期的な歯科健診の受診啓発など、口腔機能の維持・向上のための啓発に一層努めてまいりたいと考えております。
◯議長(石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長濱田禎君登壇〕
◯建設交通部長(濱田禎君) 京都府内のコミュニティバスについてでございます。
コミュニティバスは、交通事業者のバス路線の廃止などに伴う交通空白地域や不便地域の解消などを図るため、市町村や住民団体が主体的に計画し、運行されているものであり、地域のニーズにきめ細かく対応した移動手段として重要な役割を果たしております。しかしながら、国の特別交付税による財政措置はあるものの、運行を維持するための補助を行っている市町村の負担が増大しつつあることから、地域住民のニーズに応じつつ、デマンド交通の導入やスクールバスなど地域の他の輸送手段の有効活用を図るなど、市町村が主体的に負担を抑制するための取組を行う必要があると考えております。
さらには、人口減少の進展などに伴い、学校や病院の統廃合による生活圏の変化が見込まれる地域においては、より効率的で利用しやすい地域公共交通が求められております。
今年度、国が創設した地域公共交通再構築事業の採択については、立地適正化計画などのまちづくり計画に公共交通の活用が位置づけられていることが採択要件とされたように、まちづくりと地域公共交通の一体的な検討が重要となってきております。このため京都府といたしましては、引き続き、地域公共交通計画に基づき、コミュニティバスの運行を確保する市町村に対して財政支援を行うとともに、地域公共交通会議において助言を行うことなどにより、まちづくりとの連携も促してまいりたいと考えております。
次に、交通税についてでございます。
地域公共交通の確保に必要な財源につきましては、国において、運行経費や施設整備に対する交付税や補助金のほか、今年度から社会資本整備総合交付金の活用も可能となるなど、様々な支援制度が措置されていることから、まずは、新たな税について検討するのではなく、地域公共交通の維持のために必要な施策について不断の検討を行いつつ、これらの国の支援制度を有効に活用することが適当と考えております。併せまして、地域公共交通に関する必要な予算の確保についても、国に対して要望しているところでございます。
引き続き、国や市町村と連携しながら、国の支援制度を十分に活用し、持続可能な地域公共交通の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(石田宗久君) 増田大輔議員。
〔増田大輔君登壇〕
◯増田大輔君 御答弁ありがとうございました。
地域公共交通の取組についてですが、交通政策は、これからの人口減少社会だからこそ、充実した政策を取らなければならないと思います。地域の足でもある地域公共交通は、府民の皆さんの大動脈です。国のほうは、高齢者の方々に免許の返納をお願いしています。それなのに足がなければ、地方では車もない、足もない、このような状態になります。バスなどの運転手不足の解消も含めて、どうか地域の実情に合った交通政策を実施していただきますよう、よろしくお願いをいたします。
財源のほうも幅広く考えていただき、様々な例を参考にしながら今後議論を深めていただきますようお願いをいたします。
伝統文化の継承・発展についてですが、京都は世界に誇る文化の都です。この伝統文化をしっかりと次の世代に引き継いでもらいたいと思います。そのためにも子どもたちが伝統に直接触れる機会をつくっていただけたらと思いますので、本物の、特に人気のある演目を見る機会をぜひつくってください。
最後に認知症対策ですが、認知症については、これから本当に多くの方が直面する課題で、誰もが関わると言っても過言ではありません。様々な観点からの対策を取らなければ、いざ自らが直面したときに困ることになります。認知症対策に関しての府民の方々への普及活動などお願いいたします。
また、歯と口の健康づくりが、認知症予防のみならず全身の健康につながることも本府から広めていただきますようお願い申し上げます。
認知症対策日本一のまち・京都の実現を目指して、今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。
以上、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)