1 看護人材の確保について
2 漁業振興について
3 人口減少下における都市計画について
4 その他
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◯小原舞君 府民クラブ京都府議会議員団の小原舞です。よろしくお願いいたします。
まず、看護人材の確保についてお伺いいたします。
京都府における看護師等の就業数は、令和2年12月末時点で3万5,065人であり、2年前に比べて223人減少し、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる中、今後、約7,500人の確保が必要だという試算が出ています。
また、二次医療圏ごとの病院等における看護師充足率は、令和4年度には京都府平均は72.4%、北部地域では58.7%になっており、その内訳を見ると丹後は54.1%、中丹は60.5%となっています。さらに、令和2年末の50歳以上の看護職員従事者数は、京都府平均が33.7%、中丹地域38.4%、丹後地域が50.6%と半数以上になっており、看護職員の高齢化も懸念され、看護職員の確保や定着の支援が求められています。
また、京都府内には令和5年4月時点では、看護師等学校養成所が25校ありますが、令和4年度の京都市内の大学9校の定員充足率が101.9%である一方で、京都北・中部では唯一の2年課程の市立福知山市民病院附属看護学校、5年課程の高校2校、これは舞鶴市の日星高校、南丹市の聖カタリナ高校、において、少子化や学生の4年制大学看護学部への入学希望者の増加等が影響し、定員充足率が6から7割であり、入学者の確保が非常に難しくなっております。また、このたび舞鶴市の舞鶴医療センター附属看護学校が令和9年3月末で閉校を発表し、京都北部で深刻化している看護師不足への対応が喫緊の課題となっております。
そのような厳しい状況を踏まえ、北部地域の看護師確保のため、平成26年度から「北部地域看護師確保のあり方懇話会」が本府主導により設置され、京都府北部地域や200床未満の病院等に従事する方への看護師等修学資金貸与事業や北部地域看護師確保対策等の事業を展開していただいており、約7割の学生が北部地域に就職していますが、貸与制度の継続と増額等による充実化、貸与の返還免除期間の5年以降も残ってもらえるよう北部でキャリア形成が見込める体制づくりや、職場の魅力向上による離職防止等が必要となってきます。
また、北部地域養成校への入学希望者を増やすために、学生の大学志向などのニーズを把握し、大学編入の優遇や大学を出てから北部に帰ってくる看護師の確保のための制度設計が必要かと思われます。
このような状況の中、与謝野町にある京都府立看護学校の機能拡充に向けた基本方針を策定するに当たり、今定例会において中間案が報告される予定ですが、舞鶴医療センター附属看護学校の閉校等の影響を見据え、北部地域における看護人材の確保という視点でお伺いいたします。
新たに看護職員を養成し確保することは短期間では難しいことから、看護師の資格を持つ方の再就業が看護人材不足の解決の一助になるのではないかと考えております。新型コロナワクチンの接種では、多くの潜在看護師の皆さんが復帰をされたことから、その方々に復帰していただけるような仕組みが必要と考えています。本府における取組と今後の展望についてお伺いいたします。
次に看護教育の充実についてですが、本府においては、専任教員養成講習会等を開催し看護教員養成の充実に取り組まれているところですが、府内の養成所において、将来看護師になる学生への教育の質の維持が重要と考えます。そのためには、看護教員の体系的なキャリア形成の構築により、看護教員希望者を増やし、人材確保・育成するための取組も必要かと思われます。また、学生については、大学志向等により舞鶴地域では看護科5年課程を希望する中学生が減少していると聞いております。
そこで、看護師等養成所の看護教員の確保の充実に関する対策の御見解と、将来を担う看護学生のさらなる確保の取組と今後の展望についてお伺いいたします。
次に、漁業振興についてお伺いいたします。
先日、地元舞鶴の小橋・三浜・野原地区の「雄島参り」に参加させていただきました。この伝統行事は、水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に指定されており、冠島(別名雄島)は島全体が国の天然記念物に指定されているため上陸禁止になっておりますが、毎年6月1日は特別に地元の漁師や住民の方々が大漁と海上安全を願って参拝するという歴史と伝統ある行事となっております。
参拝の後、若い漁師さんから、「このままでは漁師のなり手もなく、漁村がなくなってしまう。伝統行事もいつまでできるか分からない、何とかしてほしい」という声を伺い、改めて危機感と問題意識を抱き、漁業と漁村の現状認識と今後の対策について質問させていただきます。
我が国の漁業は、昭和59年に生産量1,282万トンをピークに年々減少し、平成30年には442万トンとなり3分の1程度と減少しています。要因として、昭和50年代の200海里漁業水域の設定による遠洋漁業からの撤退や、沿岸の開発や乱獲による水産物の減少等が指摘されてきました。近年は、地球温暖化の影響による海水温の上昇等でサケやスルメイカが急激に減る一方、例えば宮城県でサバが1,000倍に増え、北海道ではオオズワイガニが大量に発生し1パイ150円で売られ、カレイは半分以下の水揚げ量になるなど、海に大きな変化が出てきています。
海洋環境をめぐる状況については、海水温の上昇によって回遊性の魚種の漁場が北上し、100年後にはサンマの漁場が日本近海でほとんどなくなる可能性や、南方系海藻の分布が徐々に広がっており、海藻に生育する生物や周辺環境に与える影響も指摘されています。また、京都の海では、サワラが温暖化の影響で北上し、平成11年以降に急増して日本一の漁獲量になるなどの変化が起きています。
地元舞鶴にある京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所の益田玲爾教授は、舞鶴湾等にて定期的な潜水調査を継続されており、海の温暖化の影響について「取れる魚が変わってくる。旬が変わることもある。異常な事態だと思う」と述べられています。
そのような中、2018年に70年ぶりとなる漁業法が改正され、新たな資源管理体制への移行や漁場の有効利用などが導入されますが、世界的な懸念となっている持続可能な水産業のための改革の一方で、8割以上を占める小規模漁業者、小規模養殖業者を通じた地域社会をベースとした漁業管理や保全、科学的知見を基にしたきめ細やかな資源調査と管理が求められます。
京都府の漁業は大型定置網の比率が生産量と生産額ともに高く、全国でも、大型定置網の生産量が8割を占める都道府県は京都府のみとなっています。定置網は、待ち受けの漁法であり、魚種の選択が困難なことからブリ、サワラが年間の漁獲量を定めるTAC(タック)制度対象になる予定であり、漁業経営に大きな影響を受けることが予想されます。また、既に管理対象魚種に指定されているクロマグロの配分量については、小型魚の場合は平成22から24年、大型魚の場合は平成27年から30年を基準とした数値割合になっており、資源回復の兆候が見られる中で少ない漁獲可能量になっており、上限に達するとリリースや休業等の厳しい管理措置が必要になり、漁師の方々からも切実な声が上がっています。また、京都府の漁獲量は、平成元年の9万3,959トンから令和3年では約8,500トンと激減しており、依然厳しい環境にあります。
漁業は、水産物の安定供給、食料安全保障や漁村振興、漁村文化の継承のみならず海上保安庁や警察との連携の下、海難救助や密輸、密入国、不法操業等への抑止力として機能することから、国境を監視し国益を守る重要な公的役割を果たしており、漁獲量の減少等による厳しい環境の中、持続可能な漁業の実現のために変化に合った施策やさらなる積極的な支援が必要となってきます。
そこで、漁業法の改正において、京都府の水産業における資源管理の取組と課題、持続可能な漁業に向けての今後の展望についてお伺いいたします。
次に、担い手支援についてお伺いいたします。
また、平成30年の漁業センサスによると、京都府の漁業就業者数は928人であり、直近の5年間で493人、34.7%減少しています。65歳以上の就業者は、就業者全体の39.8%を占め、また経営体数の減少傾向や個人経営体のうち90%も後継者がなく、漁村人口がさらに減少することなどを踏まえて新規就業を図る必要があります。これまでも、担い手の確保のため京都府立海洋高等学校の生徒を対象にした漁業体験学習や全国漁業就業者フェアの出展等により、担い手確保に尽力いただいています。
また、平成28年9月定例会において質問いたしました「海の民学舎」の取組については、新規漁業者の育成、定着につながっており大変期待するところですが、これまで定員10名に近い人数が集まっていましたが、今期の研修生は2名になったと伺っています。
「海の民学舎」にて視察を行った際に研修生から入学の動機を伺うと、「京都のブランド力、ポテンシャルの高さ」「自分でネットで調べてきた」「余暇でサーフィンを楽しむことができて充実している」などの意見がとても印象的で、若い世代のライフスタイルが多様化し、働き方や暮らし方も変化しており、漁師を目指す若者も徐々に増えてきていると言われていますが、就業につなげるには、さらにSNS等を活用した情報の発信等で京都府の漁業が若者に選ばれ、漁村が存続していくために空き家の活用や住宅支援等のUIJターン政策を含めた総合的な人材確保、定着支援が必要かと思われます。
本府において、漁業に係る支援制度として先進的な取組として、「海の民学舎」運営事業、京都府農林漁業就業相談会、漁業担い手用漁船・漁具リース事業費補助金等の支援を行っていますが、これまでの担い手支援の成果と課題についてお伺いいたします。
次に、高度衛生管理型漁業、市場の整備についてお伺いいたします。
本府では、間人ガニで有名な間人地方卸売市場において、2019年12月に国の交付金を活用し高度衛生管理型の最新施設が完成、自動製氷・貯氷施設、殺菌冷海水設備を整備されました。これによって食品安全に対する国内外のニーズに対応し、漁獲物の付加価値を高めることができます。舞鶴地方卸売市場は、京都府の水産物の流通拠点で、京都府沿岸で水揚げされた魚介類の約8割が集荷されており、縦貫自動車道の開通により京阪神等へのアクセスが改善され、役割も高まってきている中、冷蔵施設の老朽化や外壁がないため鳥が入ってくることへの対応として、高度衛生管理に沿った市場の改修や機器の整備等の必要について、これまで京都府、府漁協、地元市町等が連携して協議されてきましたが、舞鶴地方卸売市場の整備、機能強化についての本府の御見解と今後の展望についてお伺いいたします。
次に、森里海の連環についてお伺いいたします。
地元舞鶴には京都大学フィールド科学教育研究センター舞鶴水産実験所があり、海から見た森里海の連環を研究されています。私がこの研究に関心を持ったのは、十数年前に宮城県気仙沼市のカキ養殖業を営む畠山重篤氏から「森は海の恋人運動」の講義を受け、当時、手入れされていない奥山の人工林に広葉樹の植樹をする活動を立ち上げていた頃であり、森を豊かにすることが海の環境にまで大きく作用することが分かり、大きな衝撃と感動を受けたからです。
これらのことは、当時、北海道大学の松永勝彦名誉教授によるフルボ酸鉄説、これは広葉樹の森の腐葉土層を透過した水はフルボ酸鉄を大量に含み、河口域で植物性プランクトンに取り込まれ、その増殖を促進するという研究によって科学的に明らかになっています。畠山氏による「森は海の恋人運動」は、漁師による植樹活動として全国各地に広がり、山に大漁旗が翻る光景がニュースでも取り上げられました。
京都においては、平成13年から17年に伊根町太鼓山において「漁民の森づくり活動」が行われ、ヤマザクラ、コナラ等の広葉樹を約3,500本植樹する取組が行われています。農林漁業の垣根を超えた取組や産官学民の連携の下で豊かな森をつくることは、海の資源管理にもつながり、海の砂漠化と言われる磯焼けにより魚の産卵場所が減りつつある中で、海の環境保全に貢献し、森里海連環学の発祥の地である京都の海における環境保全活動が、「海の京都」のブランド力向上、高付加価値化につながるのではないかと期待いたします。
そこで、本府の森里海の連環についての御見解と今後の取組についてお伺いいたします。
最後に、人口減少下における都市計画についてお伺いいたします。
先日、地元にて市街化調整区域内の農地の現状を見てほしいという要望があり調査に伺ったのですが、水田や畑の中に荒廃農地が多く点在し、樹木が茂って山地化しシカが2頭潜んでいたり、「あの田んぼももうやめるらしい」という話も聞きます。
また、調整区域内は原則として住居の建替えや新築ができず、過疎化や人口減少が進む府北中部でUターンやIターンを妨げているという課題があり、綾部市の要望を踏まえ、京都府は2016年には綾部市の線引きを廃止しています。
舞鶴市では、将来のコンパクトシティー都市形成に向けて、全国でも事例が少ない、市街化区域を市街化調整区域へ編入する逆線引きを行っています。舞鶴市の逆線引きには、住民の合意形成、京都府の都市計画部局、農政部局との協議等に時間を要し、基本方針の作成から5年以上、合意形成に3年以上かかっています。
今後さらに人口減少が進む中で、市町の地域特性を踏まえ、線引きの廃止や逆線引きなどを行う自治体も増えてくると思われます。
石井良一滋賀大学教授の都市計画制度に関する717市町村へのアンケート調査によれば、都市計画法や農地法に関する権限に関して、7から8割の市町村が「現状のまま、都道府県及び政令市が行うべき」と回答していますが、人口減少や過疎化が切実な小規模自治体ほど「権限移譲を希望する」という結果になっています。
現行の都市計画制度は、50年前の高度経済成長期に拡大する市街地をどのように抑制するかという観点から考えられている制度のため、人口減少社会に即したものになっておらず、市町村が主体的、戦略的にまちづくりを行えるよう抜本的な改革や見直しも検討されるべきだと思います。
人口減少下における都市計画に関し、府下市町村の動向について、また変化に対応するための本府の御見解についてお聞かせください。
以上、御答弁よろしくお願いいたします。
◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 小原議員の御質問にお答えいたします。
府北部地域における看護人材の確保についてでございます。
議員御指摘のとおり、看護師を短期間で新たに養成するのは難しいことから、一旦離職された潜在看護師に再就業していただくことが、看護人材を確保する上で重要だと考えております。コロナ禍におけるワクチン接種業務などでは、勤務時間や曜日などの選択肢が多様であったことから、北部地域におきましても、子育てなどで仕事を中断されていた100名を超える潜在看護師の方に復職していただくことができました。
こうした経験を踏まえ、昨年度から、看護協会と連携し、求人側である医療機関等に求職者の希望に沿った勤務形態について助言するなど、看護師のマッチングについて取組を強化しているところでございます。また、潜在看護師の再就業に当たっては技術的な支援が重要なことから、最新の知識と技術を習得するための講習会を北部地域で開催するなどの取組を行っております。今後とも、看護師のライフステージに応じた柔軟な働き方が実現できるよう、潜在看護師の再就業に取り組んでまいりたいと考えております。
また、京都府ではこれまでから、北部地域での看護師の就労を促すため、北部地域の医療機関に勤務することを条件とした修学資金の貸与などを行っておりますが、将来にわたり北部地域において安定した医療提供体制を維持するためには、看護教員や看護学生を確保するための取組をさらに進めることが重要だと考えております。
現在、京都府では看護協会と連携し、看護師が看護教員になるための養成講習会を実施しているところですが、今年度からはオンラインによる受講回数を増やすとともに、教員養成に必要な実習施設を新たに北部地域に確保するなど、北部地域にお住まいの方でも受講しやすい環境を整えているところでございます。
また、これまでから、医療現場の将来を担う看護学生を確保するため、北部地域の高校生などを対象とした看護に関する出前授業の実施や北部地域の看護の魅力発信動画の作成、看護師の仕事を紹介する漫画などの普及啓発媒体の充実などに取り組んでいるところですが、今年度からは、多くの子どもたちが看護の仕事を身近に感じてもらえるよう、北部地域の小・中学生に対して看護体験学習の場を新たに設けるなど、看護の魅力を伝える取組を強化していまいりたいと考えております。
今後とも、潜在看護師の再就業支援をはじめ、看護教員や看護学生の確保に向けた取組など、様々な手段を講じて北部地域の看護人材の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯議長(石田宗久君) 小瀬農林水産部長。
〔農林水産部長小瀬康行君登壇〕
◯農林水産部長(小瀬康行君) 水産業における資源管理についてでございます。
京都府では、水産資源の持続的な利用による漁業経営の安定化を図るため、全国に先駆けてズワイガニの保護区の設定などによる自主的な資源管理を実施し、その取組が近隣県にも広がるなど、日本海沿岸の資源保護につながっているところでございます。
一方、国におきましては、クロマグロをはじめとした魚種の数量管理が行われており、今後、京都府が有数の漁獲量を誇るサワラなども対象魚種に追加される見込みとなっていることから、定置網漁業の経営安定のためには、生産性向上と高価格販売により漁業者の所得を確保していく必要がございます。
生産性向上に向けては、魚種ごとに割り当てられた漁獲可能量の範囲内で操業が続けられるよう、ICTを活用した魚群探知機の導入により、陸上から定置網に入った魚種の情報を入手し出航の判断を行うことで、効率的に操業を行う取組を支援しております。さらに、国において開発中のLEDを用いた特定魚種の判別技術などを積極的に活用し、効率的な操業につながる取組を進めてまいります。
また、高価格販売に向けては、自動生け締め機の導入などにより商品の高付加価値化を図るとともに、主要魚種でありますサワラやブリなどのブランド力の強化に取り組んでまいります。さらに、経営安定のためには、取る漁業に加えて、つくり・育てる漁業の振興も重要であり、トリガイなどの需要に応じた生産量の確保や「金あじ」など新たな養殖技術の確立により、ブランド養殖魚の生産拡大を推進し、持続的な漁業の実現に努めてまいります。
次に、担い手支援の成果と課題についてでございます。
京都府では、将来の漁業・漁村を支える新たな担い手を育成するため、漁業団体や沿岸市町とともに「海の民学舎」を設置し、漁業者に求められる知識、技術や経営ノウハウなどの幅広い実践研修と伴走支援に取り組んでいるところでございます。その結果、これまでに20名の修了生が漁業現場で活躍されており、漁業経営者として独立したり、漁家民宿の経営を計画するなど漁村地域の活性化にも一翼を担っております。
しかしながら、近年、「海の民学舎」の入舎生が減少傾向にあり、入舎後に途中退舎されるケースも出てきております。こうした状況は、漁業に興味はあるものの「自然に左右され収入が不安定」「常に危険と隣り合わせ」などのイメージに起因するものと考えられることから、新規就業者を確保するためには、生産性の向上による所得向上や就業環境の改善を進め、漁業をやりがいのある魅力的な産業とすることが重要でございます。
このため、AIによる給餌管理システムを活用した陸上養殖などの付加価値の高い次世代型漁業や、スマート機器を用いた省力的で生産性の高い海面養殖の導入を推進してまいりたいと考えております。
今後とも、産業としての漁業の魅力を高め、新たな人材の確保・育成に努めてまいります。
次に、舞鶴地方卸売市場の機能強化についてでございます。
舞鶴地方卸売市場は、府内の各漁港で水揚げされた水産物の8割が集荷され取引が行われており、京阪神や東京などの市場への輸送拠点の役割を担う重要な施設でございます。開設約50年を迎え、京都府漁協や地元市町と施設の将来像について話合いを重ねた結果、安心・安全や鮮度を重視する消費ニーズに応えられるよう、衛生管理や流通システムの機能強化を図り、高価格で取引ができる市場への輸送拠点としての必要性が確認されたところでございます。このため、施設内の気密性を高めたHACCP(ハサップ)仕様への改修による衛生管理の向上や、府内各漁港の保冷・氷温施設の整備によるコールドチェーンへの対応と電子入札システムの導入による迅速な流通体制の構築など、ハード・ソフトの両面から支援し、漁業者の所得向上につなげてまいりたいと考えております。
次に、森里海の連環についてでございます。
森里海の連環は、森から海までの自然環境と人間社会の相互関係を表すものであり、持続的で健全な国土環境の保全が豊かな海を育み、水産資源の恵みをもたらすと考えられております。京都府では、議員御紹介のとおり、伊根町におきまして漁業関係者が主体となった先進的な森林保全活動を行われているほか、漁業団体や海洋高校の生徒などが参加する森林環境学習への支援を通じ、森づくりの意義を広めてまいりました。
今後はさらに、多様的な主体による相互理解が必要と考えており、京都モデルフォレスト運動による企業と府民ボランティアが連携した海岸沿いの森林保全活動など、取組の裾野を広げてまいりたいと考えております。
引き続き、府民や企業などと一体となって海と森の環境への理解促進を進め、京都府の北部地域の豊かな漁場と美しい自然環境の保全を通じ、「海の京都」エリアの魅力向上と漁業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
◯議長(石田宗久君) 濱田建設交通部長。
〔建設交通部長濱田禎君登壇〕
◯建設交通部長(濱田禎君) 人口減少下における都市計画についてでございます。
高度経済成長期におきまして都市部へ人口が急速に集中した結果、各地で無秩序な市街化が進んだことなどから、国において昭和43年に新たな都市計画法を制定され、無秩序な市街化を防止する規制として線引き制度を導入されたところでございます。その後、半世紀以上が経過し、人口減少や市町村合併など社会情勢が変化する中で、市街地の一部で人口や施設の密度低下、空白化が進み、商業サービスの撤退や行政サービスの低下といった課題が顕在化してまいりました。
これらの課題に対応するため、国において平成26年に都市再生特別措置法などが改正され、従来の規制に加え、住宅や医療、福祉、商業などの居住に関連する施設を都市の中心拠点などに誘導する立地適正化計画制度が創設されました。
こうした中での府内市町のまちづくりの動向についてでございますが、この立地適正化計画によって居住や都市機能を誘導することで、それらの密度向上を目指す取組が進んできております。加えて、議員から御紹介がございましたが、都市計画法などに定められた府と市町の調整の仕組みなどを活用し、逆線引きと組み合わせて効果を高めている舞鶴での例や、区域区分を廃止し土地利用の自由度を高めつつ中心拠点へ誘導を図ろうとする綾部での例もございます。
京都府といたしましては、このような市町による誘導などを用いた主体的なまちづくりを尊重しつつ、市町を超える広域的な観点からのバランスも配慮していくことが重要と考えております。このため、13の都市計画区域ごとに定めているまちづくりの将来像等を示すマスタープランについて、市町の意向や社会情勢の変化を踏まえ見直しを行うなどにより、今後とも各市町のまちづくりを支援してまいります。
◯議長(石田宗久君) 小原舞議員。
〔小原舞君登壇〕
◯小原舞君 御答弁ありがとうございました。まさに将来を担う看護学生の確保と定着の一連の取組をさらによろしくお願いいたします。
人口減少、少子高齢化は本当に待ったなしで、さらに京都北部に光をよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)