1 児童相談所の機能強化について

2 男性の不妊治療について

3 その他

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◯堤淳太君 府民クラブ府議会議員団の堤淳太でございます。通告に従いまして質問いたします。
 今回の質問は、西脇知事の掲げる一丁目一番地の施策である子育て環境日本一の京都府づくりを応援する観点から、子どもの健全育成のセーフティーネットの役割を担う児童相談所の機能強化についてと、希望する方が子どもを授かることができ、少子化対策につなげるための男性の不妊治療についてお伺いをいたします。理事者の皆様におかれましては、積極的な答弁をよろしくお願いいたします。
 まずは、児童相談所の機能強化についてお伺いをいたします。
 児童相談所は、子どもの権利を守り、子ども本人はもとより、その家庭の問題に対しても的確な援助を行うことが求められています。特に、SOSを発信ができない子どもや、深刻な問題を抱えて誰かを頼ることができない状態に置かれている子どもたちにとって、命や尊厳を守るための重要なセーフティーネットです。この重要な使命を達成するために、文字どおり昼夜を分かたず子どもたちの心身の安全と健やかな成長を守っている職員の皆様の御努力に心からの敬意を表します。
 特に、児童虐待防止においては、2006年の児童相談所運営指針等の改正以来、児童虐待防止のための積極的な通報に関する啓発に取り組み、また、今年度当初には「京都府子どもを虐待から守る条例」を施行して、たくさんの命を守ることにつなげてまいりました。
 この間、2008年度には児童虐待の相談の受理件数が370件であったのに対して、2021年度には2,576件と7倍にも増加をしてしまっています。これは虐待の件数が単純に増加したことを意味するのではなくて、軽微な事案も積極的に対応した結果の増加です。しかし一方で、児童相談所の職員の人数は2008年の42人から、2017年度から計画的に増員をしてきたとはいえ2022年度の84名と、2倍にしか増えておりません。
 虐待相談の中には、軽微な事例や、念のための相談も含められておりますので、単純に仕事量が増加したと一概に言うことはできませんけれども、それでも現場で適切に業務を遂行することができているのか、過重な負荷がかかっているのではないかと一抹の不安がよぎります。
 児童相談所の業務内容には、虐待相談以外にも、近年では発達に関する相談やヤングケアラーへの支援など新たな対応も加わり、事案の内容についても複雑・多様化をしています。夜間・休日の緊急保護や障害を有する児童へのケアなど、緊急性や専門性も求められ、職員の負担が非常に大きくなっていると言うことができます。
 さらに、昨年6月に児童福祉法が改正されたことにより、今後は一時保護開始時に裁判所による司法審査が原則必要になるほか、児童の意見聴取の仕組みや、一時保護施設の設備・運営基準に係る条例を整備することなど、新たな業務が義務づけられました。改正事項の多くが、令和6年4月に施行されることとなっており、それに向けての児童虐待防止対策体制総合強化プランが去る12月に示されております。この中で2023年度より児童相談所職員を国全で2,000人程度増員する方針が示されました。
 また、司法制度の導入については、事前または保護開始から7日以内に一時保護状を請求しなければならないとされており、請求時に虐待のおそれや一時保護の必要性を証明するために弁護士の配置等が盛り込まれています。
 加えて、児童の意見を聴取する支援員の要件や、内閣府令で定めるとされている一時保護の体制強化なども盛り込まれています。
 新たな総合強化プランでは、これまでと大きく異なった取組が盛り込まれており、果たして法施行までの1年の準備期間で間に合うのか、現場で混乱が生じないのか、これまでの業務に支障を来さないのか等々、不安を抱いております。
 そこで、児童相談所の機能強化に関する諸課題について御所見をお伺いいたします。
 一つ、本府における児童相談所や家庭支援総合センターにおける現状の課題をどのように認識していらっしゃるのか教えてください。
 一つ、新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを踏まえた人員強化の見通し、特に弁護士の配置の計画について教えてください。
 一つ、同プランに沿って、今後本府として児童相談所の運営をどのように対応していこうとお考えか、特に懸念している点などがあれば、併せて教えてください。
 一つ、改正児童福祉法により創設されるこども家庭センターの展開や、要保護児童対策地域協議会の強化に関してなど、市町村・民間団体との連携強化の方針について、現段階での計画に関して教えてください。
 一つ、今後、強化プランの実現に際して国との調整等も必要になると考えられますけれども、国に対してどのような支援・要望を行うことが考えられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
 まずは、ここまでお答えいただきますようお願いいたします。

◯議長(菅谷寛志君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 堤議員の御質問にお答えいたします。
 児童相談所の機能強化についてでございます。
 児童相談所では、児童福祉司や心理判定員、保健師等の専門職員が児童の福祉に関するあらゆる相談に対応しております。児童虐待につきましては、令和3年度の相談件数は2,576件であり、増加が続いております。また、家庭内でDVが行われている場合は、パートナー間だけでなく子どもへの暴力も同時に行われていることも多いなど、虐待事案が深刻化、複雑化してきております。
 このため、通告から原則48時間以内に児童の安否確認を行うことができるよう、児童福祉司等の計画的な増員に取り組んでおります。また、昨年4月には「京都府子どもを虐待から守る条例」を制定し、取組の強化を図っているところでございます。
 さらに、虐待相談以外にも、近年では、子どもの発達に関する相談やヤングケアラーへの対応など新たな業務も加わっております。特に、ヤングケアラーにつきましては、そのまま放置するとネグレクトに至るおそれがあり、子どもと保護者双方の支援を速やかに開始する必要があるため、京都府ヤングケアラー総合支援センターや市町村と児童相談所が情報共有を図り、個別支援につなげていくこととしております。
 このように、児童相談所の業務の幅がより広くなり、個々の状況に応じたきめ細やかな対応が必要となる中、採用者は大学等の新卒者が多く、専門知識は有しているものの、現場での経験が浅いことが課題となっております。そのため、経験年数に応じた育成プログラムや、課題別研修を強化し対応力の向上を図りますとともに、若手職員に対して個々の事案に応じた助言を行うスーパーバイザーの配置を進めるなど、組織体制の強化を図っているところでございます。
 また、昨年末に国から示されました令和5年度から8年度までを対象期間とする「新たな児童虐待防止対策体制総合強化プラン」では、虐待発生時の迅速・的確な対応の確保や、一時保護中の子どもへの支援を充実するため、人員のさらなる確保などが求められております。
 京都府におきましては、国の新たな強化プランを踏まえた仕組みを円滑に導入できるよう、来年度以降も児童福祉司等を増員するなど、引き続き体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 特に、子どもの支援に当たりまして、法的な判断や対応を要するケースにつきましては、これまでから嘱託の弁護士により対応しているところでございますが、虐待事案が複雑化する中で、法的対応力の強化は一層重要となってきております。そのため、児童相談所がより機能を十分に発揮できるよう、弁護士体制の強化などについて検討しているところでございます。
 今後とも、社会全体で子どもを虐待から守る取組を強化し、全ての子どもが夢や希望を持ち成長できる京都府づくりを進めるため、児童虐待防止の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯議長(菅谷寛志君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯健康福祉部長(長谷川学君) 新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランに沿った児童相談所の運営についてでございます。
 国においては、全国の児童相談所の児童虐待相談対応件数が一貫して増加を続けている状況を受け、令和4年に児童福祉法が改正され、さらに国、自治体、関係機関が一体となり虐待防止対策を進めるため「新たな児童虐待防止対策体制総合強化プラン」が策定されました。
 京都府におきましては、新たな強化プランを踏まえ、人員のさらなる確保、研修等の実施による職員の専門性の向上、一時保護開始時の司法審査導入への体制整備、業務負担軽減のための一時保護時の判断に資するAIの活用の検討など、児童相談所の機能を適切・効果的に発揮することができるよう運営体制の強化に努めてまいります。
 新たな強化プランに沿って児童相談所を運営していく上での課題といたしましては、今回の法改正により導入されることとなりました一時保護の判断の適正性の担保や、手続の透明性の確保を目的とした一時保護時の司法審査制度がございます。この制度の導入に当たっては、「児童相談所が行う一時保護に反対する親の理解を得られやすくなる」との意見がある一方、審査に必要となる保護の必要性を説明する資料の作成に伴う事務負担等の増大を懸念する意見も見られることから、児童相談所の負担が過大とならないよう配慮するとともに、司法審査の的確性も合わせまして確保することが課題と考えております。
 現在、国において具体的な手続について検討が進められておりますが、京都府といたしましても、本年度から一時保護手続の透明性を確保するため、弁護士など第三者による児童の意見聴取に着手するなど、制度の円滑な導入に向けた取組を開始したところであります。
 次に、市町村・民間団体との連携強化及び国に対する支援・要望についてでございます。
 児童相談所が虐待対応にとどまらず、育児やしつけなど児童の福祉に関するあらゆる相談に対応していくためには、関係機関や市町村の子育て支援センターなどと密接に連携していく必要があります。そのため、京都府と市町村が役割分担をしながら、連携を強化してくためのマニュアルを作成し、市町村の子育て支援センターは、より身近な相談支援機関として見守りや日常的な支援を行う役割、京都府の家庭支援総合センターや児童相談所は、市町村では対応が困難なケースを受け持つとともに市町村への技術的援助や助言を行う役割をそれぞれ担当し、互いに強みを発揮しながら連携した取組を進めてまいりました。
 しかしながら、より複雑・困難化する案件に迅速かつ適切に対応していくためには、法改正により市町村において設置が進められている「こども家庭支援センター」や要保護児童対策地域協議会との連携をさらに強化していくことが重要であり、市町村の意見もお伺いしながら、全ての妊婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行うための体制づくりを計画しております。
 さらに、地域で子どもを見守っているこどもの居場所や子ども食堂等、民間支援団体との連携した活動を強化することで、支援が必要な子どもの早期発見に努めてまいりたいと考えております。
 また、国に対しては、児童虐待防止対策の充実について機会あるごとに支援を要望しているところであります。最近では、児童虐待の未然防止や早期発見・早期対応のため、国との連携によるSNSを活用した相談窓口の設置を要望してまいりました結果、今年度から運用を開始することができました。
 今後とも、児童相談所の相談・対応機能の強化やこれを支える人材育成の仕組みづくりに加え、児童福祉司等の必要な人材を確保するため、引き続き、財政支援を講じていただくよう国に対して要望してまいります。

◯議長(菅谷寛志君) 堤淳太議員。
   〔堤淳太君登壇〕

◯堤淳太君 丁寧な御答弁ありがとうございました。
 司法の関わりが求められるようになるということで、本当に現場で大変な状態での職務をこなしていらっしゃるということが伝わってまいります。また、西脇知事の答弁でもありましたけれども、採用された方の経験が非常に薄いということが今後の課題であるということを伺いました。京都府としても、現場の職員を育成するための仕組みづくりに対しての要望を国に上げていると伺っております。児童相談所職員の能力向上のための研修にも厚く取り組んでいただきたいと思います。また、職員の能力の向上のみならず、業務プロセスの高度化、効率化が重要な鍵を担っていると思っておりますので、研修のみならずシステム面での強化、見直しというものにも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さらに言うんでしたら、他府県との連携、特に他県から転居してこられた際に引き継ぎがうまくいかずに、そこにポケットができてしまって、よくない結果をもたらしたという事例が過去にも存在をしております。大きなシステムの変化が起こった際には、特にポケットができやすく、空白の落とし穴ができやすくなりますので、大切な命を守るための救い漏らしがないような取組に積極的に取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、児童相談所の機能強化に関する質問を閉じさせていただきます。
 次に、男性の不妊治療についてお伺いをしたいと思います。
 日本が現在直面している最も大きな社会的な課題は、少子化であるということは皆様共通の認識であると思います。この課題克服のために、西脇知事は子育て環境日本一の京都府を掲げて、子育てのみならず子育ての前段の出会い・妊娠・出産にまつわるきめ細やかな施策を講じて取組を進めております。西脇知事の本当に先見性のある取組に心から敬意を表します。
 現在、本府では、子どもを持ちたいと希望しながら子どもに恵まれず、不妊治療や不育治療を受けている方の経済的な負担を軽減するための医療費助成制度や、妊娠出産、不妊で不安を抱えている方や悩んでいる方を対象に、専門の相談員が相談に乗ってくれる「妊娠出産・不妊ほっとコール」などを設けて対応に当たっています。
 近年では不妊治療への理解・啓発や不妊治療への制度拡充も進み、昨年4月から国でも不妊治療が保険適用となったのに加えて、本府では独自に特定不妊治療に対しても助成を行い、子どもを持ちたいと希望する方の支援を行っております。
 しかし、令和3年度に特定不妊治療を利用した人は(資料提示)、全体で2,273件のうち女性のみが2,260件に対して男性は13件、率にすると女性が99.4%に対して男性は0.6%と著しく差が開いております。なお、男性のこの13件のうち男女両方が受けた方というのが8件の0.4%、男性のみが5件となっております。男性の場合は、特定不妊治療まで要しない場合が多いとは言うものの、直感として男性の不妊治療が利用されていない傾向になっているように感じます。
 一方で、不妊症の原因に関してWHOの調査によると(資料提示)、男性のみに起因するものが24%、それから男女両方に起因するというものが24%と、合わせて48%、約半数の不妊の原因に関するものに男性が関係しているという調査があります。
 この特定不妊治療の利用実績と(資料提示)、それから不妊の原因について、もう一目瞭然ですけれども、不妊の原因について約半数が男性が関係すると言われているのに対して、特定不妊治療の利用に関しては1%にも満ちていないということで、視覚的に見ても直感的に男性の不妊治療に対しての理解・啓発、そして取組が進んでいないという実態が浮かび上がってくると思います。
 まずは、男性の不妊治療の必要性に関して本府の御所見をお伺いいたします。
 男性の不妊治療に関しての取組が進んでいないのではないかとの切り口から、去る9月議会の子育て環境の充実に関する特別委員会において、京都府立大学の邵仁哲(そうじんてつ)客員教授を参考人としてお招きして調査を行いました。まず、女性の不妊治療に関しては産婦人科と広く認知されているのに対して、男性の不妊治療は泌尿器科が所管であると、実は私もお恥ずかしながら初めて知った次第でございました。また、不妊治療に訪れる方の約2割の方に重度の鬱や不安障害が見られて、特に女性の方にその傾向が大きいという現場の声に、また驚きました。
 さらには、男性の不妊治療の検査が問診・触診・既往歴や血液検査・精液検査で済ますことができて、女性の検査と比較して身体的・精神的・時間的・経済的な、いずれの面でも負担が軽いと教えていただきました。
 これらのことから邵教授は、「女性の不妊治療を行う前に、比較的負担の軽い男性の不妊治療を先に行うように社会の理解・啓発が進むことのほうが合理的ではないか」というような意見をされまして、私もそのとおりだと感じました。そのためには産婦人科との連携もまた欠かすことができないとの御意見も伺いました。
 そこでお伺いをいたします。
 男性の不妊治療に関する啓発について、並びに産婦人科と連携した男性の不妊検査への取組について御所見をお伺いしたいと思います。
 さらに、男性の不妊治療に関する根本的な問題として、専門科医の不足を邵教授は指摘をされていらっしゃいました。京都府において、男性の不妊治療を専門にしている医師は数名しかおらず、また府北部においては男性の不妊検査・治療を受けることができる常設の医療機関が1軒もないという現状を指摘されました。少子化問題を克服し、希望する方が子どもを授かることができるような環境整備を行うに当たって、専門医・常設の専門医療機関を確保することは大変重要な取組であると考えます。
 最後に、専門医の育成について、並びに府の北部にも男性の不妊検査・治療を受診できる常設の医療機関の設置についてお伺いをしたいと思います。
 以上、お答えをいただきますようお願いいたします。

◯議長(菅谷寛志君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯健康福祉部長(長谷川学君) 男性の不妊治療の必要性についてでございます。
 不妊症につきましては、男性と女性の双方に原因がある場合を含めますと約半分程度が男性側に原因があることが分かっております。一方で、国の実態調査におきましては、女性のほうが男性よりも不妊治療に対する心理的な不安が大きい傾向があり、特に「妊娠・出産できるかどうか不安であった」等の項目では、男女間での差が比較的大きくなっております。また、京都府が実施している不妊治療助成制度における男性不妊治療への助成件数は、議員に御指摘いただきましたとおり、全体の1%にも満たない状況でございます。
 こうした状況を踏まえると、男性側にも不妊症の原因があるにもかかわらず適切な治療につながっていない可能性も考えられることから、男性側から不妊治療の早い段階において検査を受け治療の要否を確認し、治療につなげていくことが重要であると考えております。
 次に、男性の不妊治療に関する啓発についてでございます。
 男性不妊治療に対する実績が少ない背景として、「当事者だという自覚がないこと」や「自らのプライドが許さない」といったことが心理的なハードルになっていると医療関係者から伺っております。京都府では、不妊治療に関する相談を行っている「きょうと子育てピアサポートセンター」や府のホームページにおいて、男性からの相談にも対応できることや、男性の不妊治療に対しても助成制度の対象となっていることを分かりやすくお示ししているところでありますが、さらに男性不妊治療に関する啓発を強化して、認識を深めていただくことが大切であります。
 今後は、不妊治療を受けておられる当事者による交流会について、男性に限定した交流会を設けるなど、男性不妊治療に対する理解が深まるよう公的な周知啓発について検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、産婦人科と連携した取組についてでございます。
 不妊治療のために医療機関を受診するきっかけとしては、女性の約85%が「自分から」であるのに対し、男性は「パートナーに勧められた」ことが約70%となるなど、大多数が女性側からの働きかけによるものであります。
 不妊治療は主に産婦人科で進められておりますが、女性が保険適用の不妊治療を始めるに当たっては、男性もパートナーと一緒に来院して医師から指導計画の説明を受けることとなっております。こうした機会に男性に対して不妊治療の受診を働きかけていただくなど、産婦人科との連携により普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、専門医の育成についてでございます。
 一般社団法人日本生殖医学会の認定を受けた生殖医療専門医は全国で973人、そのうち京都府では21人となっております。男性不妊治療については、昨年4月からの制度改正に合わせて保険適用が開始されており、今後、男性不妊治療を希望される方が増加していくと見込まれることから、当事者や医療関係者から御意見をお聞きするなど、専門医の育成について研究を進めてまいりたいと考えております。
 次に、府北部地域における男性の不妊検査・治療を受診できる常設医療機関の設置についてでございます。
 御指摘のとおり、現状では府北部地域には男性不妊治療等の専門医がいる医療機関はなく、男性不妊治療や体外受精・顕微授精等を実施できる医療機関は京都市内に集中しております。このため京都府におきましては、これまでから不妊治療を受ける方の通院にかかる経済的負担を軽減するため通院交通費の助成を行ってきたところでございます。男性不妊治療を希望される府北部地域等にお住まいの方が、必要な治療を継続して受けられるよう、引き続き、本制度により支援してまいります。
 今後とも、医療を必要とされる方が必要な医療を受けられるよう、医療体系の整備・充実に取り組んでまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 堤淳太議員。
   〔堤淳太君登壇〕

◯堤淳太君 御答弁ありがとうございました。今、いみじくも部長がおっしゃられたように、男性のプライドが許さない、なかなかこの受診に行くことができないという、私も男性の一部でございますので何か分かるような気がするんですよね。男性が男性的であらねばならないという、このプレッシャーが大きな問題障壁になっていると思っております。
 やっぱり、女性もこの社会進出で抱えていかなければならないと同時に、男性も重いものを今まで背負ってきたと思うんですよね。それを一つ一つ下ろして楽になっていくというのが、今後の共生社会の実現に必要なことじゃないのかなと、個人的には考えております。ちょっと男性の不妊治療から離れる話ではございますけれども。こういったことからも男性のプライドを破り捨てて、あるいはちょっと置いておいて、男性同士で交流会を持って腹を割って話をしましょうよということは非常にいい取組であると思いますので、私も心から応援をしたいと思います。
 また、病院を受診したいけれども会社の休みが取れないといって受診できていないという事例もあると思いますので、これもまた会社で何のために行くんだというとプライドが許さないということもありますので、そういったことに関する配慮であったりとか、あるいは社会での啓発活動が進んで理解していただけるような土壌、風土の育成にも積極的に取組を進めていただきますようにお願いをしたいと思います。
 2期目の4年間の最後の一般質問となりました。本当に皆さんには御清聴いただきまして、ありがたいと思っております。今後、私も共生社会の実現と、それから働くことを軸とした安心社会の実現に向けて積極的に取組を進めてまいります。西脇隆俊京都府知事とともに豊かな明るい京都府づくり、そして乙訓地域づくりにも取り組んでまいりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)