1 子育てにおけるジェンダーバイアス解消について
2 子育て環境日本一の地域づくりに向けた広域振興局の活動方針について
3 母乳バンクについて
4 その他

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◯議長(菅谷寛志君) 次に、田中美貴子議員に発言を許可します。田中美貴子議員。
   〔田中美貴子君登壇〕(拍手)

◯田中美貴子君 府民クラブ京都府議会議員団の田中美貴子でございます。
 通告に従い質問させていただきますので、知事、理事者の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 コロナ禍の中、ある新聞記事が目に止まりました。その内容は「成熟社会の資本主義」という大見出しで、「モノを買うより貯蓄をしたい時代 停滞と格差を招く」、小見出しには「国民全体が望むサービスの需要 知恵集め、創造を」と書かれてありました。
 内容は、「格差拡大は資本主義が抱える欠陥から生じる病状の一つであり、人々は金持ちになるほど消費に飽きて、資産選好が強まる。親がたまたま金持ちかそうでないかは、単なる運・不運。だとしたら政策で是正せねばならない。所得や資産の不平等が広がれば、社会は不安定になる。日本は既にそうなりかかっている。解決するには政府による再分配しかない。では、社会主義が望ましいかといえば、少数の権力者が絶対的に君臨し、恣意的に介入しがちとなる」と書かれてあり、その記事は、「例えば音楽や美術、スポーツ、観光インフラなど、民間企業では採算が取りにくい分野で、政府が思い切ってお金を使う。そうすれば、国民が自主的に消費を拡大したのと同じ景気刺激効果が生まれる。まだまだ供給が足りない保育や医療・介護などの分野、企業努力では実現が難しい分野等を対象として財政出動する。国民の知恵が問われている」と、その記事は結んでありました。
 その記事を読んで、私は、互恵的相互依存、こういった社会づくりが必要だと思いを強くいたしました。
 こども家庭庁の創設、また、こども基本法、出産一時金の増額等、子育てに関する施策が一気に動こうとしております。記事は政府について書かれたものではありましたが、それを京都府に置き換えたとき、私は西脇知事の一丁目一番地となる「子育て環境日本一」という政策こそ、京都府が府民の皆様の生活を「安心」「温もり」「ゆめ実現」につなげる「あたたかい京都づくり」のポイントであると改めて感じた次第です。
 そこで、今回の一般質問は子育て環境日本一に絞り、3点の質問をさせていただきます。
 まず最初に、子育てにおけるジェンダーバイアス解消について質問をさせていただきます。
 先日、学生の頃から自分の夢をかなえるために並々ならぬ努力を重ねてきた女性と話をいたしました。彼女は、現在子育てをしながら弁護士として活躍をしておりますが、その彼女が学生のときから交際をしてきた夫と初めて大げんかをしたとのことでした。その内容を聞いてみますと、夫が昇進して二人の約束である子育てのスケジュールに支障が出た。そのことをなぜ事前に相談してくれなかったのかと、ついつい追及してしまい、結果関係が悪化してしまったということでした。
 彼にも人生があり、彼の人生を生きていく上で自分が認められ、仕事にやりがいを感じられる日々を大切にしたいという思いは当然であると私は思っております。ただ、そこに二人だけの問題ではない、社会の中でまだまだ根強く残っているジェンダーバイアスにおける理解が進んでいない現状があるのではないかと私は改めて考えさせられました。
 男性だからとか女性だからとかということではなく、お互いが尊重される中で一つ一つの命を育んでいく、その営みの重さ、輝きを考えたとき、知らず知らずのうちにそのことがなおざりにされている。共働き家庭が増える中、女性活躍のためには女性が育休を取り、復帰後も母親が仕事と家事・育児の両立を工夫するという女性からの視点、常識を改め、出産前から、あらかじめ各家庭において、夫と妻が育児休業や復帰後の家事・育児の分担について話し合い、計画を立てて出産に備えることが重要であり、夫婦が共に子育ての喜びも苦労も平等に分かち合う。ライフデザイン、バースデザインをしっかりと話し合う、男女共同参画課では、学生のときから男女問わず仕事と家庭の両立を考えるお取組をされてまいりましたけれども、実態はどうであったのか。
 知人の事例を紹介させていただきましたが、無意識の中のジェンダーバイアス、そういったことを解消する意味でも、京都府として育休・家事・育児の平等な分担についての夫、妻の話し合いを後押しするための工夫が必要ではないか。子育て環境というのは、まさにそのことと思っておりますが、いかがでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。
 また、子育てにやさしい職場環境づくりに向けた京都府のお取組、随分と進んでおりまして、令和4年3月11日に発表された内容を見てみますと、「女性活躍」という文言が見当たらない、それ以上に「女性」「母親」という文言さえ出ておりません。つまり、子育ては「女性」「母親」のみが担うものではないという京都府の本気度が表れているものと改めて感心いたしました。
 子連れコワーキングスペース、子連れシェアオフィス、サテライトオフィス及びレンタルオフィス等の設置運営。助産師、看護師等による育児相談サービス、子育て中でもキャリアアップできる仕組みの提案。また、育休復帰時研修や繰越期間満了により消滅した年休を子育てのために利用できるリバイバル休暇制度の導入提案等の子育てにやさしい職場環境づくりに役立つサービスを新たに実施する中小企業等の支援にお取り組みいただき、予算も拡充いただいております。
 職場環境を整えるということに関しては、一つ提案があります。
 働いている最中に子どもの保育に関して緊急連絡先が保護者の携帯であることが多く、その後の対応は個人の判断になっている場合がほとんどです。緊急連絡先を職場にすることによって、職場全体で判断する、そういったとてもささいなことではありますが、私は重要なことと考えます。いかがでしょうか。
 このように、子育てに理解のある子育てしやすい環境づくり、職場づくりを進めることが大切でありますが、併せて知事のお考えをお聞かせください。
 次に、子育て環境日本一の地域づくりに向けた広域振興局の活動方針についてお伺いいたします。
 先日、公表された「地域子育て環境見える化ツール」では非常に緻密な分析をされており、子育て環境の向上により出生率上昇を目指す京都の挑戦として大変立派な冊子にまとめられております。先ほど、「京都府の本気度」という文言を使わせていただきましたが、この冊子を手にしたとき、思わず「本気」をしっかりと感じさせていただきました。
 考察の中心は、京都府が長期間にわたり合計特殊出生率が低い水準で推移し、要因は多岐にわたっているものの、府民の結婚や子どもを持つことに対する希望が実現し切れておらず、前例にとらわれた方法では限界は明らかであり、データ分析等の強化と分野横断的な議論を通じて、地域特性に応じた新たな施策を形成し、取組の粘り強さを支える連携の仕組みづくりが必要とされており、それらを見える化し、分析結果に基づき、新たに設けた「京都・子育てにあたたかな環境づくり目標」の設定であるとのことです。
 この見える化ツールは、「自治体や地域のあらゆる主体が一緒になって、これからみんなで育てていくツールです」とも記されております。
 市町村の出生率には差が見られることに着目し、住宅の取得等を契機とする未婚者や子育て世帯の地域間移動に影響を及ぼす地域環境が含まれるなど、計20の広範な行政分野にわたりデータ分析をされております。このツールが地域課題を考えるのに役立つと思われる中、市町村の課題解決のための政策立案を促すためには、分析だけでは不十分です。このツールの分析結果を施策に移していくためには、「子育てにやさしいまちづくりモデル事業交付金」「きょうと地域連携交付金」等の市町村の主体的な取組を促す補助金と、見える化ツールをひもづけ、各地域の振興局の丁寧な助言・指導により施策誘導をしていくことが府として必要ではないかと考えております。
 国の地域アプローチと同じ流れをくむものとしながらも、出生率上昇を達成する京都府オリジナルのツールであるとされ、恐らく英知を結集して大変な御努力の中で作成されたように思っております。
 今年度、西脇知事は、広域振興局の業務に子育て環境日本一を位置づけ、全庁的に府内全域で推進することを発表し、ここでも京都府の本気を感じました。子育て環境日本一の地域づくりに向け広域振興局が活動方針を持って市町村の取組を促していくことが重要になると考えますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
 最後に、母乳バンクについてお伺いいたします。
 出産後、授乳開始時に分泌する最初の母乳である初乳は、新生児にとって理想的な栄養素であり、高濃度でたんぱく質の含有量が高く、栄養豊富であるため少量でも十分であると言われておりますが、併せて、生まれて数時間以内に母乳を飲むことで免疫力向上効果があるとも言われております。
 一方で、以前の質問で取り上げさせていただいた低出生体重児については、実は約5,000人の1,500グラム未満の出生児が、母親が早産で体調が整わなかったり、抗がん剤の使用、コロナの陽性などで母乳が与えられず、母親以外の母乳(ドナーミルク)を必要とされている現状があります。
 母乳には、超早産や極低出生体重で生まれた赤ちゃんの腸を早く成熟させる物質が含まれておりますが、早産の場合、何らかの理由で母乳が出ない、または出ても赤ちゃんにあげられないケースがあり、私の知っているリトルベビーのママたちは自責の念から必死で搾乳し、NICUにいる我が子に母乳を運ぶ御努力を切々と訴えておられました。
 もし、そのときにドナーミルクの情報があったなら、どれだけ助かっていたかとお聞きする中で、ドナーミルクを与えることができたのなら低出生体重児にとっても母親にとっても大変良い取組になるのではないかと先日、リトルベビーのママたちと日本財団母乳バンクに視察に行ってまいりました。
 母乳バンクは、昭和大学医学部の水野克己教授らが2014年に昭和大学内に初めてつくられたものであり、今はベビー用品大手のピジョンが本社内の場所と設備を提供し、2021年4月に一般財団法人日本財団母乳バンクとして東京都日本橋に拠点を統合されております。
 「母乳でつなぐいのちのたすき」というパンフレットには、「母乳バンクは、自分の子どもが必要とする以上に母乳がたくさん出る母親から余った母乳を寄附してもらい、そのドナーミルクを適切に検査・低温殺菌処理・保管・管理を行い、NICUの要請に応じて入院している1,500グラム未満の超早産児・極低出生体重児に安定的に提供する仕組みです」と記され、ドナー登録に関心のある方へは、「あなたの母乳寄附で救われる命がたくさんあります。母乳バンクの仕組みは、母乳を御寄附いただける方の御協力なしには成り立ちません。日本には年間約5,000人の超早産・極低出生体重により母乳を必要としている赤ちゃんがいます。あなたの母乳はそんな赤ちゃんの命と元気をつなぐ『たすき』です。ぜひドナー登録をお願いいたします」とも記されております。
 水野教授の研究では、人工乳では壊死性腸炎(ドナーミルクの1.87倍のリスク)、慢性肺疾患、未熟児網膜症等の疾病増加が見られ、その一方、ドナーミルクの場合は免疫力向上効果で疾病予防、長期予後の改善ができ、静脈栄養期間や入院期間の短縮を促しているという結果が出ております。
 2020年に生まれた新生児のうち、1,500グラム未満で生まれた赤ちゃんは6,228人に上り、年間3,000人から5,000人程度の赤ちゃんがドナーミルクを必要とされているということであります。
 ただ、普及には壁があり、経済状況に左右されないように赤ちゃんの家族から料金を取っておられず、希望する病院が必要量に応じた会費を払うほか、寄附や厚生労働省の研究費で運営を賄っている現状では予算が足らず、また、ドナー希望者が検査を受けられる施設数も13都道府県に23か所しかない現状です。普及の壁は、社会の根強い抵抗感もあり、自分の子どもにドナーミルクを利用することに「やや抵抗がある」「かなり抵抗がある」との回答が約6割に上り、理由は「安全上の不安がある」とのことでした。
 実際のドナーミルクは、厳しい衛生管理が行われており、届いた母乳は細菌検査と低温殺菌処理がなされ、搾乳した日から6か月以内に赤ちゃんに届けられております。協会は、5から10年以内に各都道府県に最低一つは検査施設を設置するために、産婦人科や小児科がある病院に協力を呼びかけておられます。クラウドファンディングでも支援を募っておられ、何より自責の念に苦しんでいる母親の負担が軽減され、赤ちゃんの成長の一助となることから、普及を目指していくべきと考えております。
 安全上の不安について、水野教授は「輸血と何ら変わらない。生きようとする小さな命をつなぐためのいっときのつなぎなので、理解を深めて普及を促していきたい」とおっしゃっておられましたが、課題となっている検査施設においては、病気ではないため医療費対象とはならず、受け付けることがあくまでもボランティアであることと、提供施設の少なさが普及に至らない課題であるとのことでした。
 京都府では、提供されたドナーミルクを使用されている病院が1か所、受付をされている病院が2か所という現状ですが、少なくともNICUを設置されている病院にはドナーミルクの提供を促進していく仕組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、受付に際しての費用に関しては、京都府が負担するなど母乳バンクの取組を啓発・普及することが必要であると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
 御答弁どうぞよろしくお願い申し上げます。

◯議長(菅谷寛志君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 田中美貴子議員の御質問にお答えをいたします。
 子育てにおけるジェンダーバイアスについてでございます。
 去る6月3日、国において「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」に、いわゆる女性版骨太の方針が決定され、その中で我が国の男女共同参画の現状は諸外国に比べて立ち後れており、その背景には男女間の賃金格差を含む労働慣行や固定的な性別役割分担意識など、構造的な問題があると指摘されております。
 女性版骨太の方針では、「女性の経済的自立」や「男性の家庭・地域社会における活躍」などが掲げられており、女性の社会における活躍と併せて、男性の育児等への参画が必要とされております。
 京都府といたしましては、固定的な性別役割分担意識を取り除くためには、特にこれから就労や結婚・育児の機会を持つ若者世代に対して、男女双方の職業意識の改革や理解の促進を図ることが重要であると考え、これまでから「若者ライフデザイン・育児と仕事両立体験事業」を実施しており、昨年度も約2,000名の大学生に参加をいただきました。
 参加者からは、「将来の両立イメージが描けるようになったことで、自分の将来や育児に対する意識が前向きに変化した」との感想が多く、子育てにおけるジェンダーバイアスの解消に向け、引き続き就職前からの意識醸成に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、今定例会に提案している予算案に、男性の育休取得の促進に必要な経費を計上しており、子どもが生まれる前から家事・育児の分担について、夫と妻が話し合い、各家庭における最適なワーク・ライフ・バランスを実現するためのきっかけを提供してまいりたいと考えております。
 また、子育てしやすい職場づくりについてでございます。
 子育てにやさしい職場づくりを進めることは、誰もが働きやすい職場づくりにつながるとともに、従業員のやる気やモチベーションを高め、企業の生産性や価値向上にもつながることから、極めて重要であると考えております。
 このため、平成31年度から約300名の子育て企業サポートチームが毎年約2万5,000社を訪問し、中小企業に対して、子育てにやさしい職場づくりに向けた理解促進や、各種補助制度の活用促進等の伴走支援を実施してまいりました。
 また、テレワークにつきましても、コロナ禍において移動の制限や密の回避のために導入促進を図ったことにより、時間や場所にとらわれない柔軟で多様な働き方が普及し、子育て中の方の働く環境の改善につながっているところでございます。
 今年1月末には、「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を行っていただいた企業数が、京都府総合計画の数値目標である1,500社に2年以上前倒しで達することとなり、子育てにやさしい職場づくりが浸透し始めていることを実感しております。
 この取組はまだ始まったばかりであり、より多くの企業に理解を深めていただくとともに、子育てにやさしい職場づくりの取組を継続・発展させていくことが重要であると考えております。
 議員御提案の取組につきましては、緊急連絡先として職場を選んでいただく環境づくりを通じまして、従業員の意識向上や相互理解、ひいては職場全体で子育てをサポートする風土づくりにつながるものと考えております。今後とも、企業経営者や従業員の意識改革、組織風土改善に取り組み、若者や子育て世代が子育てに夢や希望が持てる環境づくりを、オール京都で連携しながら進めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係者から答弁させていただきます。

◯議長(菅谷寛志君) 岡本政策企画部長。
   〔政策企画部長岡本孝樹君登壇〕

◯政策企画部長(岡本孝樹君) 子育て環境日本一の地域づくりに向けた広域振興局の活動方針についてでございます。
 子育て環境日本一の実現に向けた地域づくりを行っていくためには、出会い・結婚から妊娠・出産、子育て、保育・教育、就労に至るまで切れ目のない支援を行いながら、子育てにやさしい風土づくり、まちづくり、職場づくりなどの施策に取り組んでいくことが必要となります。
 議員御指摘のとおり、地域により子育て環境に違いがあることから、地域の特性やニーズに応じて京都府が市町村と連携しながら取組を進めていくことが重要であると考えております。
 広域振興局では、これまでから市町村や子育て支援団体、経済団体、企業などと連携体制を構築し、地域サミットの開催などを通じ、地域の子育て環境の向上に向けて機運を醸成してきたところでございます。加えて、令和4年度には局内に「地域連携・子育て環境推進係」を設置し、市町村や地域団体と連携して子育て関連施策をより一層進めていくための体制を強化したところでございます。
 今後は、市町村が地域の特性や課題を踏まえた効果的な施策を企画、実施できるよう、地域子育て環境見える化ツールを活用した分析や、子育てにやさしいまちづくりについて支援を充実させていくことはもちろんのこと、企業などと連携した先端技術を子育てに役立てる研究会や働きやすい職場づくりを進めるワークショップの開催、地域の子育て支援活動を応援する地域交響プロジェクトの推進などの子育て関連施策に一体的に取り組み、広域振興局長のリーダーシップの下、相乗効果を高めながら子育て環境日本一の地域づくりを一層強化してまいります。

◯議長(菅谷寛志君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯健康福祉部長(長谷川学君) ドナーミルクの提供についてでございます。
 ドナーミルクについては、母乳以外に栄養を摂取する方法がない体の機能が未熟な低出生体重児が、何らかの理由で母親から母乳を得られない場合などに活用されることが期待されるものでございます。
 これまで殺菌されていない他の母親の母乳では、ウイルス・細菌感染のリスクが否定できないなどの課題がありましたが、ドナーミルクはドナーの検査や低温殺菌により、ウイルス・細菌等の感染リスクが少ないものになっていると言われております。
 議員御紹介の「母乳バンク」は、こうした安全対策を行った上で、医療機関からの要請に応じてドナーミルクを提供するなどの役割を果たしているところです。現在、厚生労働省におきまして、ドナーミルクの効果の検証と全国の施設への提供可能なモデルの構築のため、令和2年度から調査・研究が始まっております。初年度となる令和2年度の調査結果では、導入に当たってドナーミルクの摂取に係る安全性確保の在り方、倫理審査などの施設内での手続や、年会費の財源、電子カルテ等の指示の出し方、コストの算定方法などについて医療機関の困難度が高いと報告されております。
 こうしたことから、各医療機関におけるドナーミルクの提供については、国の調査・研究、制度の検討状況や医療機関の御意見などを踏まえ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
 次に、母乳バンクの取組の啓発・普及についてでございます。
 議員御紹介のとおり、ドナーミルクの利用については抵抗感を持っている方もおられることから、先ほど御説明いたしました厚生労働省の調査・研究においては、医療機関関係者、新生児集中治療室に入っている低出生体重児などの親、一般の妊産婦への母乳バンクに対する意識調査についても取り組むこととされております。
 京都府域における母乳バンクの取組の啓発・普及につきましては、こうした国の動きも踏まえながら研究してまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 田中美貴子議員。
   〔田中美貴子君登壇〕

◯田中美貴子君 御答弁ありがとうございました。
 知事がお答えいただいたジェンダーバイアス、若者からしっかりと考えていかなければならないということで、改めてもう一度取組を進めていただけたらありがたいなと思っております。やっぱり家庭でほんまにしっかりと夫婦で話し合っていくということが大事だと思っておりますので、その辺りもきっかけづくりをするということでしたので、期待をいたしておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 振興局に関しましては、ぜひとも振興局長の強いリーダーシップの下でお取組をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 最後の母乳バンクについてなんですけれども、京都府ではこれから調査・研究をしていきますということなんですけれども、今、厚生労働省のほうで確かにいろいろと調査・研究をされているとは思っているんですけれども、京都府の中でもこのドナーミルクをNICUによって与えられるNICUと与えられないNICUがあるということなんですね。そこを何とか京都府のほうで、この低出生体重児、極低出生体重児の赤ちゃんに、せっかく生まれてきた赤ちゃんに何とか本当に育ってほしいなという思いの中で、この格差がない、SDGsで誰一人取り残さない、このことを切に願っておりますので、できるだけ公平・公正に子どもたちのために頑張っていただきたいなと思っておりますし、予算的にもそんなに高くつかないというふうに聞いておりますので、ぜひとも京都府がリーダーシップを持ってやっていただきますように、よろしくお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)