1.現実的に効果をあげる新型コロナウイルス感染症拡大防止対策について
(1)ワクチンの「感染防止効果」という言葉が与える誤解について
(2)第三者認証制度を活用した飲食店の制限の緩和について
2.家族の世話をする18歳未満の子ども(ヤングケアラー) の認知度向上と支援について
3.その他

質疑全文を表示

◯議長(菅谷寛志君) 
次に日程第2、一般質問を行います。
まず、堤淳太君に発言を許します。堤淳太君。
〔堤淳太君登壇〕(拍手)

◯堤淳太君 
府民クラブの堤淳太です。通告に従いまして、質問をいたします。
今回の質問は、現実的に効果を上げる新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に向けてということで、ワクチンの「感染防止効果」という言葉が与える誤解についてと、第三者認証制度を活用した飲食店の制限緩和について、並びに家族の世話をする18歳未満の子ども、いわゆる「ヤングケアラー」の認知度向上と支援についてということで質問させていただきます。理事者の皆様におかれましては、ぜひとも前向きな答弁をよろしくお願いしたいと思います。
まずは、現実的に効果を上げる新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に向けてということで、ワクチンの感染防止効果という言葉が与える誤解について質問させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症が世界で初めて確認されて以来、間もなく2年の時間がたとうとしています。この間に、メッセンジャーRNAワクチンやウイルスベクターワクチンなどの新しい手法を用いて開発されたワクチンが、新型コロナウイルス感染症の切り札になると考えられて、現にワクチン接種が開始される前の我が国の5月前半においては、60歳以上の感染割合は23.7%と、全体の4分の1を占めていたところが、65歳以上の高齢者の方が85%以上2回目のワクチン接種を終えた直近のデータでは、60歳以上の感染割合は9%と顕著に減少して、実際に効果を上げていることが示されています。
 しかし、16歳以上の人口の80%が2回目のワクチン接種を済ませたとされているワクチン先進国であるイスラエルにおきましては、7月の中旬より感染拡大が発生して、これに伴い、死者数も顕著に増加して、8月には、再度、行動制限がなされるということが行われました。このことを受けて、イスラエルでは、3回目のワクチン接種を行う、いわゆる「ブースター接種」に踏み切っております。このワクチンを2回接種しても感染してしまう、いわゆる「ブレイクスルー感染」の原因に対して、現在、様々な分析がなされておりますけれども、主な要因としては3つ挙げられております。
 1つが、ワクチンの効果が半年程度で低下をするということです。実際に、イスラエルのデータでは、当初95%感染防止効果があったものが、半年から8か月ほど時間が経過するにつれて、1か月ごとに大体6%程度ずつ感染防止効果が薄れていって、6か月から8か月後には40%にまで低下するというデータが示されております。
 また、2つ目といたしまして、デルタ株であったり、そのほかの変異株に対しては、予防効果が低い、あるいはワクチンの効果が低い変異株が流行しているということが考えられております。
 また、3つ目として、ワクチン接種後に十分な抗体ができる前に感染してしまうというようなことも考えられております。
 しかし、この事例をもって、ワクチンの効果が低いとは言いません。現に、重症化予防効果は十分にあると言われており、ワクチンは重症化するところを軽症でとどめたり、軽症の患者の方が無症状になったり、無症状の患者の方が感染しなかったりというような効果があると認識をしております。しかし、ここで困ったことなんですけれども、2回のワクチン接種を終えたので、新型コロナウイルスに感染しないと誤解をしている人というのがかなりいらっしゃいます。実際に、私の周りにもそう言っている方がいらっしゃいます。また、感染しないと思っているのでワクチン接種を終えたので、マスクを着用せずに外出したり、人と接したり、あるいは飲食店に入ったりしてもかまわないということで、そういう振る舞いをされている方もいらっしゃいます。
 確かに、冒頭紹介したように、ワクチン接種によって、高齢者の感染率が減少していることから示されているように、ワクチンの感染防止効果は高いものがあると考えられています。しかし、それでもワクチンの防止効果は、カタログスペックでは95%ということなので、100%完全に感染防止をできるものではありません。また、無症状の感染者の方が感染を拡大させるという事例もあります。
 実際に、全国では、9月1日から9月3日までの3日間のうちで、新規感染者の中で、ワクチン接種を2回接種終えた後に感染した方というのは、2,568名いらっしゃいまして、期間中の全感染者数に占める割合は約6%となっております。また、ワクチン接種を済ませた高いレベルで感染対策に取り組んでいる病院においてもクラスターが発生しておりますし、群馬県の事例では、25名の感染者が発生したクラスターなんですけれども、このうち、ワクチンを2回接種し終えた方のブレイクスルー感染というのは、24名が発生しているということで、こういったブレイクスルー感染も起こり得るということに留意しなければなりません。
 先日、政府がワクチン接種証明を活用した行動制限の緩和を、11月をめどに実施するという方針を示しましたけれども、WITHコロナ社会・AFTERコロナ社会に向けて、こういった政策は、感染防止対策と経済活動の両輪を進めるための出口戦略として必要なことであると、私は考えております。しかし、ワクチン先進国のイスラエルの事例などに学べば、ワクチンの効果を過信するということは大変に危険なことであるとも考えております。経済活動を押し進めるためには、人流を、人の流れを増やさなければなりません。その際に、ワクチンへの誤解であったりとか、あるいは過度に信じ過ぎる過信があれば、感染拡大を引き起こしてしまい、再び人流を押しとどめなければならなくなってしまいます。府民の命と健康を守ることと、経済活動を両立させるためには、ワクチンの感染防止効果には高いものがあるものの、それは100%ではなく、わずかにでも感染する可能性も十分にあるということを広く府民に認識してもらうということは、現実的な感染対策の上で必要なことではないのでしょうか。
 まずは、ワクチンの感染防止効果が100%ではないことを啓発することと、またワクチンの効果の紹介の際には感染防止効果ということを全面に押し出すのではなくて、むしろ重症化予防効果ということを主にするように切り換えるなど、今後のワクチン効果の発信方法について、御所見をお伺いしたいと思います。
 次に、第三者認証制度を活用した、飲食店の制限の緩和についてお伺いをいたします。
 現在、京都府では、飲食店等を経営する事業者と飲食店を利用する方の双方にとって、安心・安全な環境づくりを進め、感染防止と経済活動を両立させるために、京都府新型コロナウイルス感染防止対策認証制度に取り組んでおります。
 この認証制度では、国の基準に基づいて本府が定めた新型コロナ感染症防止対策のために、38項目にわたる高い基準をクリアした安心できる飲食環境を提供している飲食店を認証する制度で、現在約2,000店ほどのお店が登録されています。このような感染防止対策に積極的で、本府の要請に協力的な飲食店がある一方で、残念ながら、本府の要請に協力してもらえないお店があるということもまた事実です。たび重なる自粛要請の疲れであったり、あるいは反発が重なったことによるものか、この緊急事態措置中でも、20時の営業時短要請の時間を超えて営業しているお店であったりとか、あるいはお酒類の提供を行っているお店も見かけます。
 本府において、このように非協力的なお店は割合として決して高いものではなくて、見回りを行った中では、全体の約4%にとどまっているとお伺いをしています。これら、時短要請に応じないようなお店ほど、やっぱり感染防止対策がなされていないようにも、私は見受けられます。例えば、隣の席とのアクリル板の設置がなされていなかったりとか、隣の席との距離の確保がなされていなかったり、あるいはマスクを外して大きな声で騒いでいるんですけれども、そういった会話を黙認しているということも見受けられたり。さらには、ほかにお店が開いていないので、この時短要請に従っていないお店にお客さんが集中してしまって、店内では、お客さん同士の肩が触れ合うほど密になっている惨状なんかも、報道の中からは見受けることができました。
 このようなお店にお客さんが集まるような状況をつくるということは、現実的な感染防止対策としては好ましいものではありません。しかも、まじめに感染防止対策を行って、まじめに本府の要請に協力をしている飲食店からすると、非常に複雑な気持ちになってしまいます。
 先日、日本経済新聞が、これは東京都内の主要繁華街の調査をした結果なんですけれども、約6割のお店が東京都の要請に応じずに8時以降の営業であったりとか、お酒類の提供を行っているという報道がありました。
 1枚の割れた窓ガラスを放置すると、割られる窓ガラスが増えて、その建物全体が荒廃して、さらにはまち全体にも荒廃が及ぶと言われる、いわゆる「割れ窓理論」というものがありますけれども、本府の要請に応じないほうが得をするというような状態を放置して、早急に改善していかなかったら、今後、緊急事態やまん延防止措置において、期待する効果が上げられないことにつながっていくのではないでしょうか。
 現実的に効果のある感染防止対策のためには、本府の第三者認証制度を取得し、感染防止対策を十分に行っている飲食店では、時短営業を緩和したり、あるいはお酒の提供を行えるようにすることで、要請に応じてくれていないお店であったりとか、感染対策が不十分な飲食店にお客さんが集まっていくことを防いで、そういった感染防止対策を十分に行っていないお店から分散するように政策誘導していくということが必要であると私は考えております。
 また一方で、悪質なお店では、第三者認証制度を取得する際にだけ感染防止対策を講じて、取得後は、感染防止対策を行わないことも十分に想定されます。その対策として、取得後に、感染防止対策を怠ったり、緩和の範囲を越えた時間の営業を行ったりした場合は、何らかの対策を取っていくということも同時に必要であると考えております。
 そこで2点、御所見をお伺いいたします。
 まず1つ目が、京都府新型コロナウイルス感染防止対策認証制度を取得した飲食店に対して、緊急事態措置や、まん延防止措置中の時短や酒類の提供等の自粛を一部緩和することについての御所見をお伺いしたいと思います。
 また次に、京都府新型コロナウイルス感染防止対策認証制度を悪用した飲食店が現れた場合、この対応について、御所見をお伺いしたいと思います。
 まずはここまで御質問をさせていただきます。

◯議長(菅谷寛志君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 堤議員の御質問にお答えいたします。
 第三者認証制度を活用した飲食店の制限の緩和についてでございます。
 京都府では、飲食店における感染防止対策を的確に進めるため、新型コロナウイルス感染防止対策認証制度を本年7月に創設し、約2,000店舗を認証しているところでございます。現在も多くの飲食店から申請をいただいており、順次認証に向けた訪問調査を実施しているところでございます。
 この認証制度により、飲食店が感染防止対策に一層取り組むことで、利用者の皆様にとって、安心・安全な環境を提供できるようになるとともに、利用者の皆様を、感染防止対策にしっかり取り組まれている飲食店へ誘導する効果が期待でき、京都府全体の感染拡大防止につながるものと考えております。そのためには、認証店を増やすことが重要であり、認証した飲食店を京都府ホームページで公表するとともに、各店舗でのPRにも利用いただくほか、先日、抽せん販売の受付を開始した「安心・安全な京の飲食店応援クーポン」が利用できる店舗の要件とするなどの取組も行っているところでございます。
 9月30日が緊急事態措置の期限となっておりますが、10月以降の対策につきましては、国の方針等も踏まえた上で、本日夕刻に開催いたします京都府の対策本部会議におきまして、対応を決定することとしております。緊急事態措置が解除されたとしても、引き続き、感染防止対策を継続することは必要と考えており、専門家の御意見を聞いた上で、飲食店の利用に際しては、感染防止対策を講じている認証店に利用者を誘導することを念頭に対応を考えております。
 また、認証後の制度運用につきましては、認証事業者の責務として、認証に係る感染症予防対策を誠実に実施すること、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく要請を遵守すること等を実施要綱に明記しておりますが、議員御指摘のとおり、感染拡大防止のためには、認証後も、認証基準等をしっかり守っていただく必要がございます。このため、認証後には、認証店の実施状況調査を行い、実施要綱に違反している場合には指導を行い、それでも改善されない場合は認証を取り消すこととしております。今後とも実施要綱に基づき適切に対処するとともに、認証店舗の一層の拡大に努め、感染拡大防止と、社会経済活動の両立に向けて、取組を進めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯議長(菅谷寛志君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯健康福祉部長(長谷川学君) ワクチンに関する情報発信についてでございます。
 新型コロナワクチンについては、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する効果及び重症化を予防する効果が期待されております。国の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの分析では、ワクチン接種が開始された直後の4月は、感染者数に占める65歳以上の割合が16.5%でしたが、65歳以上の9割近くが2回のワクチン接種を完了したことにより、8月の時点では4.5%と大幅に減少しております。また、京都府における新規陽性者の年代別状況を見ましても、第4波と第5波の最も感染者が多かった日の年齢階層を比較いたしますと、60歳以上で明らかな減少傾向が見られます。こうしたデータが示しているように、ワクチンの効果によって、高齢者を中心に感染者数が抑制され、相対的に高齢者の重症化についても抑制されているものと考えております。
 一方、議員御指摘のように、ワクチン接種後のブレイクスルー感染が一定数確認されており、ワクチン接種により感染を完全に予防できるわけではないため、接種後も引き続き感染防止対策を講じるよう、府民の皆様にお願いしているところでございます。ワクチンの発症予防効果や重症化予防効果の発信につきましては、国において現状のデータを元にした効果の検証が行われているところであり、こうした分析結果も踏まえ、ホームページの広報など、府民の皆様へ正確な情報発信に努めてまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 堤淳太君。
   〔堤淳太君登壇〕

◯堤淳太君 やはり何事に対しても、正しく認識をして、正しく対応するということが必要です。マスクの着用一つにしても、やはり鼻までしっかり隠さないことには感染防止対策効果は十分に上げられないというようなこともあります。こういった、ワクチンに対しても同様に、正しく対応するということが必要になります。
 日本では6月、7月ぐらいから高齢者の方の接種が始まりました。今、政府のほうで、行動制限緩和のことが議論されていますけれども、6、7、8、9、10、11、12、1月、まあ年末年始に移動制限緩和が取られる、人が多く動き始めることになると思うんですけれども、これってちょうど高齢者の方がワクチン接種を始めた、7か月、8か月後に当たるんですよね。そうすると、イスラエルの事例なんかは、95%感染防止効果があったのが、ちょうど4割ぐらいまで落ちてくるところに当たってしまいます。つまり、正しく感染防止効果が薄れていきますよということを認識していただけなかったら、一気にまた感染が拡大してしまうことにもつながっていきますので、そこのところを十分周知徹底していただくようにお願いをしたいと思います。また、第三者認証制度に関してなんですけれども、商工会に入っていないお店は情報が入ってこなかったりとか、今、申請をしていても、見に来てもらえずに手続が進んでいないというようなお店もあるということを伺っておりますので、今、第三者認証制度に対して関心が高まっておりますので、たくさんの方に利用してもらえるような取組をお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、家族の世話をする18歳未満の子ども、ヤングケアラーの認知度向上と支援についてお伺いをしたいと思います。子育てや介護には、時間や精神的にも過大な負担を強いられます。この家族の世話を行っている18歳未満の子どもをヤングケアラーと言いますけれども、本年4月に国が初めて全国の中学生や高校生を対象として実態調査を行い、その結果がまとめられました。
 世話をしている家族がいると回答したのは、中学生で5.7%、全日制の高校2年生では4.1%となっております。また、世話の頻度としては、3割から6割の子どもが毎日やっていると答え、1日当たりに世話に費やす時間は3時間未満が最も多いものの、1割程度の子どもは7時間以上という回答結果になっております。また、ヤングケアラーだと自覚している子どもは約2%に対して、ヤングケアラーという言葉自体を知っており、内容も知っていると回答したのは約6%、聞いたことはあるけれども、よく知らないと回答したのは、約7から9%という回答結果となりました。これは、知識として耳にしたことがある子どもは約15%に対して、実際に世話を行っている子どもは5%前後、その中でも、自分がヤングケアラーだと認識している子どもは約2%と、自分がヤングケアラーに該当していると認識している子どもは実際の半分程度にとどまっているということが分かります。
 子どもは認識している世界が小さいために、自分が相対的に困難な状態に置かれていても、それを当然のこととして受け入れてしまい、助けを求めれば援助を受けられる可能性があることや、援助を行う社会制度があることを知らないことが往々にしてあります。
 また、家族の介護等によって友人関係が希薄になりがちで、相談する相手がいなかったり、相談しても誰も理解をしてくれないと諦めてしまったりすることがあります。今年8月に大津市で17歳の兄が6歳の妹に対して暴行を繰り返し死亡させるという悲しい事件が発生してしまいました。非常に痛ましい事件ですけれども、これは誰にも相談することができなかった結果がもたらした、悲しい悲しい事件であると私は考えております。
 一方で、北海道における調査では、中高生のうち、3%から4.5%が世話をしていると回答いたしました。つまり、クラスに大体2名ほどの割合でこのヤングケアラーが存在しているということになります。一方、40%から67.5%の学校が、ヤングケアラーだと思われる子どもはいないと回答しており、学校側の認識と生徒の実態に大きな乖離があることが伺われております。
 子どもにとって、社会の接点として、大きな割合を占めているのが学校です。学校側が通っている子どもが困難な状況にあることを認識できるならば、適切な行政機関につなげて、支援を行える可能性もあります。しかし、ヤングケアラーの支援を行っていることがある学校の先生も、家庭の事情に介入する怖さなどで、どうしていいか分からずに手詰まり感を感じてしまっているという声もあります。大人でも負担の大きい介護や幼い兄弟の世話を行っている子どもたちの負担を軽減させる取組が必要だと考えます。
 そこで、ヤングケアラーを早期に発見して適切な支援につなげていくために、ヤングケアラーの社会的認知度を高める取組に関してと、ヤングケアラーの家族が抱える介護、障害、生活困窮、育児放棄等の様々な課題に対して、関係機関が連携した取組を進めるための支援ガイドラインの策定に関して御所見をお伺いしたいと思います。
 以上で私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯議長(菅谷寛志君) 長谷川健康福祉部長。
   〔健康福祉部長長谷川学君登壇〕

◯健康福祉部長(長谷川学君) ヤングケアラーの認知度向上と支援についてでございます。
 ヤングケアラーは、親や祖父母の介護や兄弟の世話等の悩みを一人で抱え込むことが多く、過度な負担から学校に通うことが困難になるなど、心身の発達や学業、進路等への深刻な影響が懸念されております。
 しかしながら、本人や家族に自覚がないことが多く、問題が顕在化しにくい傾向があることから、早期に発見し、適切な支援につなげていくためには、子どもたちや周囲の大人などに対し、広くヤングケアラーの認知度を高めていく必要があります。このため、京都府では、今年度、スクールソーシャルワーカー等の研修会でヤングケアラーを取り上げたところですが、さらにヤングケアラーの概念や相談窓口等を分かりやすく記載したリーフレットを新たに作成し、京都府内の中高生やその保護者に対し、配布することとしております。
 また、子育て環境日本一サミットにおける啓発コーナーの設置や、子育て家庭応援アプリ「まもっぷ」による情報発信など、様々な機会を通じて、子育て世代や子育て支援団体等に対し、広く啓発を行っていきたいと考えております。
 次に、支援ガイドラインの策定についてでありますが、ヤングケアラーの家庭が抱える、介護、障害、生活困窮、育児放棄等の様々な課題に対し、関係機関が連携し、迅速な支援を行っていくためには、支援のルールや連携方法を定めたガイドラインの策定が大変有用であると考えております。今年度実施を予定している京都府内におけるヤングケアラー支援の実態調査の結果を踏まえ、教育、福祉の関係機関が連携し、実効性のあるガイドラインを策定したいと考えており、これからも関係者が一丸となって、ヤングケアラーの支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。