1 シニア世代の働き方について~サクセスフル
エイジング~
2 医療DXの今後の目指すべき方向性について
3 生きづらさを抱える子ども達の居場所について
4 特別支援学校における性教育について
5 その他
質疑全文は準備中です。
※外部リンクに移動します。
◯議長(荒巻隆三君) 休憩前に引き続き会議を行います。
次に、田中美貴子議員に発言を許可します。田中美貴子議員。
〔田中美貴子君登壇〕(拍手)
◯田中美貴子君 府民クラブ京都府議会議員団の田中美貴子でございます。4点につきまして、一括で質問させていただきますので、御答弁よろしくお願いいたします。
最初に、シニア世代の働き方についてお伺いいたします。
厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析」によりますと、「雇用情勢は、経済社会活動が正常化に向かう中で、求人が底堅く推移し、改善の動きが見られた。求人の回復基調に落ち着きが見られたものの、女性や高齢者を中心に労働参加が着実に進展していることに加え、よりよい条件を求める転職も活発になった。ただし、少子高齢化に起因する我が国の労働力供給制約がある中、経済社会活動の回復等に伴う人手不足の問題も再び顕在化している」とのことであり、やはり労働力の不足が課題となっております。
総務省の示された労働力人口については、2024年平均で6,957万人と前年に比べ32万人と2年連続の増加、男女別に見ると男性は3,800万人で1万人の減少、女性は3,157万人で33万人の増加。また、15から64歳の労働力人口は2024年平均で6,011万人、前年に比べ16万人の増加、男女別に見ると、男性は3,250万人で4万人の減少、女性は2,762万人で21万人の増加とのことです。
また、健康長寿社会を目指した予防政策の科学的な基盤づくりを目的とした機構であるJAGES(ジェイジス)機構(日本老年学的評価研究機構)が行った追跡調査での各組織等への不参加を基準(1.0)とした場合の要介護状態になるリスクを数値化した資料によりますと、「就労」が「フレイル予防」に最も効果的であると分かるデータがあり、男女ともに「就労」が、要介護リスクが最も低いとの調査結果となっています。
そのような調査を踏まえ私は、シニア世代の働き方を見直すことが重要と思っており、さきに述べましたとおり、「フレイル予防」に「就労」が最も効果的となりますと、定年延長、再雇用が定着してきた現状では、改めて「サクセスフルエイジング」を推進するべきではないかと思っております。
「サクセスフルエイジング」とは、「健康」「心理的満足」「社会的参加」を柱とする概念で、1950年頃に提唱された活動理論を指し、社会学においては、高齢者も中年と同じような心理、社会的ニーズを持っているということに着目し、活動から引退させようという社会の風潮を否定、中年と同じように活動を継続させるということを定義しているものもあります。
再雇用や定年延長においては、単に生活費を得るための労働継続ではなく、人生後半の自己実現と社会的役割の維持をどう達成するかが焦点になり、再雇用や定年延長と絡めて考える場合、単なる年齢の延長雇用ではなく、「働き方」「処遇」「自己の尊厳・プライド」「ライフデザイン」を包括的に設計する視点が重要ではないかと考えております。
長期的長時間労働や過度なストレスを避け、健康寿命を延ばす働き方へシフト。自己の経験や知識が生かされる職務配置で達成感と承認感を得る。仕事を通じた人間関係の継続、新たなコミュニティへの参加。地域社会、また企業の中には、まだまだ人材が豊富にあります。新たな観点で、シニア世代の働き方を模索することが重要ではないでしょうか。子守の経験からの孫守り、このことでさえ仕事になるかも分かりません。
本府では、人生100年時代を見据え、職業人生が長期化する中で、生涯学び、働き続けることができる社会を実現させるために、「京都府生涯現役クリエイティブセンター」を推進していただいているわけですが、「サクセスフルエイジング」の実現に向け、このセンターでどのように取り組んでいこうとされるのか、お聞かせください。
一方、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織としてシルバー人材センターがあるわけですが、まさに「サクセスフルエイジング」の理念を実践してきた先駆的な組織ですが、会員の高齢化等の課題が出ていることから、新たな事業分野の開拓や広域的な取組など、府としては今後どのようにサポートされようとお考えか、お聞かせください。
次に、医療DXの課題と今後の目指すべき方向性についてお伺いいたします。
日本が超高齢社会に直面する中にあって、国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将来にわたって持続可能なものとしながら、将来世代が安心して暮らせるようにしていくことが、今後の日本の継続的な発展のためには不可欠であり、政治の役割としても喫緊の課題として取り組まねばならないことだと私は思っております。
こうした状況を踏まえ、医療DXは、単なる技術導入ではなく、医療提供体制全体を再構築する国家的課題であると認識しており、現状の課題解決のためには医療分野でのDXを駆使して取り組まねばならないと認識しております。
医療分野でのDXを通じたサービスの効率化や質の向上は、1.国民のさらなる健康増進、2.切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供、3.医療機関等の業務効率化、4.システム人材等の有効活用、5.医療情報の二次利用の環境整備の5点の実現を目指すものであり、我が国の医療の将来を大きく切り開いていくものであるとして、厚生労働省が取り組み始めた大きな変革であります。
その上で、現状では医療DXの推進に関する工程表に基づき、1.全国医療情報プラットフォームの創設、2.電子カルテ情報の標準化等、3.診療報酬改定DXを3本柱とし取組を進められており、それらは保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診療・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤(クラウド)などを通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように社会や生活の形を変えることに結びつくものと考えられます。
ただ、多くの課題があり、その課題を5つにまとめますと、1.電子カルテや医療情報のフォーマットがばらばらで地域や施設間でデータの共有が難しい、2.病院や診療所にはIT専門家がいない場合が多く、導入・運用が困難であり、現場の医療従事者にDXを担う余裕がない、3.デジタル機器の操作が苦手な高齢者等への対応が必要、4.セキュリティ・プライバシーの懸念としては漏えいリスクへの懸念やサイバー攻撃への対策が不可欠、5.DX推進にかかるコストの問題もあり新技術の普及が十分に進んでいない。
実際に現場からは、かかりつけ医のドクターより次のような声が届いています。「厚労省の診療報酬加点に対応するため、AIを導入し結果報告書を作成したが、行政様式と合わず再提出を求められ、業務負担が増えた。多額の導入費用をかけたにもかかわらず、その都度修正が必要となり、人件費削減どころか手間が増え、無駄な投資となっている」。
こうした制度と現場運用のずれは、現状では回避が難しいのが実情です。かかりつけのドクターには、「まだ過渡期であり、国が主導すべき」とお伝えいたしましたが、本府としてやらねばならないこともあるのではないかと考えております。
医療DXは、日本の超高齢社会や医療資源の偏在という課題に対する重要なソリューションであり、単に技術を導入するだけではなく、人材育成、制度設計、国民の理解と協力が不可欠だと思っております。
国の動きも踏まえ、本府として医療DXの推進に向けて何に取り組むべきとお考えなのか、お聞かせください。
次に、生きづらさを抱える子どもたちの居場所についてお伺いいたします。
物価高、都市化や過疎化、家庭環境のみならず、社会を見回してみても様々な困難に向き合いながら生きることに希望を持ちにくい子どもたちが多くいるのではないでしょうか。「ケアリーバー」と呼ばれる、児童養護施設や里親委託の措置解除後の子どもたちをはじめ、経済的・精神的な基盤が十分でないまま社会に出なければならず、住まいや生活費、進学・就職で困難に直面しながら居場所を求めて徘徊している若者もいます。そのため、自治体やNPOなどがケアリーバー支援として就労支援、生活費補助、居場所づくり、相談窓口等を整備する動きが広がっています。
また、「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」によりますと、2024年度調査の結果、全国の「子ども食堂」の総数は1万か所を突破し、2023年度に続き47都道府県全てで増加しており、2022年から2023年の過去最大の増加数1,769か所に迫る1,735か所の増加となり、公立の中学校・義務教育学校を合わせた9,265校を1,000か所以上上回り、公立の小学校・義務教育学校を合わせた1万8,738校の6割に近づく結果となりました。充足率(校区実施率)は、初めて30%を越えた2023年度に続き34.8%と増加。特にこれまでは「子ども食堂」がなかった72か所の自治体においても、2024年度に新たに「子ども食堂」が立ち上がっていることが分かっています。
本府でも、「きょうとこどもの城づくり事業」を中心として、学童保育等も含めると、貧困家庭のみならず全ての子どもにとっての「サードプレイス」という考えもあり、子どもの居場所は、様々な事業として、あらゆる環境の下にいる子どもたちが大人に見守られながら社会の中で育っている現状があります。
一方、そういった行政や地域で活動するNPOなどの支援からこぼれてしまう子どもたちの存在も見逃すわけにはまいりません。子どもたちは、私たちの未来であり希望です。親からの虐待に苦しむ10から20代の子ども・若者からは、一時保護や施設入所等を望まない、あるいは年齢により対象とならない場合もある中で、「親が荒れて暴力を振るったり、親がしばらく帰らず食事等もままならないときに、夜間も含めて一時的に避難できる安心・安全な居場所が欲しい」、また「親のネグレクトにより本来親から受けられるはずの支援が受けられないため、自立に向けた就学・就労の準備をしたい」等の声があり、様々なニーズに対し子ども・若者を支えるためには、一時保護や施設入所等に代わる新たな居場所、支援スキームが必要と思っております。
そんな中にあって、こども家庭庁が「こども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドライン」を示されたところです。東京や大阪の繁華街で見受けられる子どもたちと同じ状況にはなくとも、京都府としても、様々な生きづらさを抱える子どもたちの居場所は、重要な取組になると思っております。支援の在り方は複層的でなければなりません。
京都市では「ワカモノ食堂」という居場所もあり、支援される側と支援する側の垣根を取った取組も見受けられます。こども家庭庁がお示しになられた「こども若者シェルター」というものが京都府にそぐうのかどうかは、現状として優先順位を考えねばなりませんが、子ども・若者という広い視野の中で、生きづらさを抱える子どもたちの環境整備としての居場所をさらに多角的に確保せねばならないと考えます。
「ACE(エース)サバイバー」を生まないためにも、本府としてのお考えをお聞かせください。
最後に、特別支援学校における性教育の取組についてお伺いいたします。
本府では、京都発・京都初のプレコンセプションケアの推進による様々な取組が進んでおり、将来の妊娠・出産の正しい知識を身につけるよう啓発チラシや啓発漫画で取り組まれ、高校生教育プログラムも作成されたところです。今後は、小・中学校へのお取組につきましても注視してまいりたいと思っております。
一方で、障害のある子どもたちへの性教育につきましては、まだまだ課題があろうかと思っております。ソーシャルメディアなどで偏った性情報があふれる中、現在の性教育は子どもたちが真に知りたい内容とはかけ離れている現状にあり、もっと子どもたちの実情に応じた自由な教育がなされることが重要だと思っております。
1998年度の学習指導要領に「はどめ規定」が盛り込まれ、2000年頃から学校現場で行われている性教育に関して、「学習指導要領に違反している」というバッシングが相次ぎ、象徴的な2003年の東京都立七生(ななお)養護学校で行われていた「こころとからだの学習」では、知的障害のある生徒に人形を使った性教育がなされたことが政治家の介入により不適切とされ、学校が性教育をしづらい状況に追い込まれたことは大変残念なことと思っております。最近では、公然と性教育を批判する声は減っており、むしろニーズは高まっています。したがって、そろそろこの「はどめ規定」は外していかねばならない時期に来ていると私は思っております。
その上で、障害のある子どもたちへの性教育を考えたとき、「からだうた」や手作りの人形など、子どもたちの実態に即した具体的な教材が使用されたことは必要不可欠であったのだろうと考えております。現状、特別支援学校での性教育は、科学的な性知識を繰り返し丁寧に分かりやすく伝えることがより大切になってまいります。
私が今回、この質問をさせていただいたのは、放課後等デイサービスを運営されている方からの御指摘であり、セルフプレジャーは一体どこで学び、誰が教えるのかという問題が発生しているとのことです。性教育は人権そのものであるのに、教える側の大人も性の学びが不足しており、結果的に子どもたちに学びを与えられないという不利益が生じているのではないかと考えます。
一方で、特別支援学校では、性教育をすることは重要であるものの、もともとコミュニケーションが難しい状況の子どもたちがいることを捉えますと、日常の友人関係にも個人差があり、愛情表現が難しいことも考慮せねばなりません。現場では、プライベートゾーンについて、他人に見せない、触らせないといった「してはいけないこと」を明確に教えるのにカードを使う工夫をされていることも聞き及んでいます。
京都府のプレコンセプションケアが推進された今、人権に基づいた性の知識や人との関わりなども含めた包括的な性教育は、特に特別支援学校でなされるべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
御答弁、よろしくお願いいたします。
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 田中美貴子議員の御質問にお答えいたします。
シニア世代の働き方についてでございます。
「サクセスフルエイジング」とは、高齢者であっても自らの能力を高め、生きがいを感じながら暮らすことができる社会の実現を目指す考え方だと認識しております。議員御紹介の「京都府生涯現役クリエイティブセンター」では、「人生100年時代」を生涯にわたって活躍いただくため、AIの活用や経営マネジメント力の養成など、多種多様なリカレント研修を開講しております。
高齢者や高齢期を見据えて利用いただいている方もいらっしゃり、例えばベンチャー育成コースを受講して起業に至った方や、地域社会貢献人材育成コースを受けた後、農作物を育てる団体活動に参加された方など、新たなチャレンジにつながった事例が生まれております。
これらの方々からは、「出会った受講生の仲間に背中を押してもらったことで、年を重ねてからでも起業に踏み出せた」「複数のボランティア現場を体験した中で、今後、携わりたい活動を見つけることができた」という声を伺っているところでございます。
このため、今後、スキルの向上のみならず受講生同士の交流を深める機会を増加させますとともに、受講生が自分に合った分野を見つけられるよう、多様なカリキュラムを用意するなど高齢者が生き生きと暮らすことができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、シルバー人材センターへの支援についてでございます。
同センターは、高齢者の就業機会の確保を通じて人手不足業界への人材の供給、高齢者の生きがいの充実など重要な役割を担っており、「サクセスフルエイジング」の実現に寄与するものと考えております。
シルバー人材センターの中には、会員が自身の子育ての経験を生かし放課後児童クラブの運営を行ったり、調理の経験を生かし高齢者の健康に気遣った弁当をグループで作り配達したりと、やりがいを感じながら地域にも貢献されている事例がございます。このような事例を他のシルバー人材センターでの新たな事業の拡大に当たっての参考にできるよう、「京都府生涯現役クリエイティブセンター」から講師を派遣し、複数のシルバー人材センターの事務局員が集まる勉強会の実施を支援してまいりたいと考えております。
今後とも、一人一人の生涯にわたる活躍を支援する「京都府生涯現役クリエイティブセンター」と地域に密着した活動を展開するシルバー人材センターが、それぞれの強みを生かし、多様な事業を実施することで「サクセスフルエイジング」の実現に努めてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯議長(荒巻隆三君) 井原健康福祉部長。
〔健康福祉部長井原正裕君登壇〕
◯健康福祉部長(井原正裕君) 医療DXについてでございます。
医療分野におけるデジタル技術の活用につきましては、保険・医療・介護の情報を医療機関や介護施設などの関係者間で共有することにより、サービスの利用者が切れ目なく良質な医療やケアを受けることを可能にし、健康で豊かな生活を送ることにつながるものでございます。今後、急速な高齢化と生産年齢人口の減少が見込まれる中、限られた医療資源を有効に活用し、質の高い医療を提供するためには、こうした医療DXの取組を進めていくことが重要であると認識しております。
議員御指摘のとおり、医療DXの推進につきましては、国において全国医療情報プラットフォームの構築、電子カルテ情報共有のための標準化、診療報酬改定時のシステム改修作業の標準化などが進められているところでございます。
このように国主導での仕組みが進む中で、京都府といたしましては、医療・介護従事者の連携強化や業務負担の軽減が課題となる分野への医療DXの導入事例を増やすことや、普及のための環境づくりに取り組むことが重要と考えております。
そのため、在宅患者を多職種連携により支える在宅医療、ハイリスクの妊産婦に対し中核施設と地域の分娩施設が連携して質の高い医療を提供する周産期医療、医療従事者の勤務時間が多くなりがちな地域において救急医療などの中核的な役割を果たす医療機関などに対し、医療DXによる連携の強化や業務効率化の取組を支援していくことが必要であると考えております。また、デジタル技術に対応可能な人材の育成や、利用者が安心して情報の共有・活用の仕組みを利用できるようセキュリティの向上などにも取り組む必要があると考えております。
このため、京都府におきましては、在宅医療において医療・介護従事者がスマートフォンで患者情報を共有できる「京あんしんネット」の運営、「周産期母子医療センター」が分娩を行う病院に対しリアルタイムで助言などの診療支援ができる妊産婦モニタリングシステムの整備、病院に対する勤怠管理システムや電子カルテといったICT機器などの導入、医療機関におけるICTの活用や情報セキュリティを管理・推進する人材を育成するための研修などに対する支援を行っているところでございます。
今後、国の動きと合わせて、医療DXの推進に向け、デジタル技術に対応可能な人材の育成など、普及のための環境づくりを進めるとともに、府内医療機関での導入事例を増やし好事例の共有を図るなどの取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、生きづらさを抱える子どもたちの居場所についてでございます。
議員御指摘のように、子どもの頃に逆境的小児期体験、いわゆるACE(エース)と言われる虐待やDV、親の離婚などの深刻なストレスやトラウマを体験した方に対しましては、きめ細やかな寄り添った支援が必要と考えており、京都府におきましては、こうした方々の状況に応じた居場所を提供し支援を行っているところでございます。
例えば、児童養護施設や里親で養育された経験がある、いわゆる「ケアリーバー」の方々につきましては、児童養護施設などから退所した後、生活費や住居の不安、精神的な孤立、不安定な雇用状況といった困難に直面するケースが多く、退所後も切れ目のない支援を行っていくことが重要と考えております。
このため、相互交流の場である居場所の提供や相談支援などに取り組み、継続的な自立支援を行っております。
また、京都府におきましては、「きょうとこどもの城づくり事業」により、生活困窮やひとり親家庭で課題を抱える子どもたちに食事の提供や生活習慣の確立、学習習慣の定着などを行う「子ども食堂」や子どもの居場所の開設・運営に取り組むNPOなどを支援しております。このような「こどもの城」の取組は令和6年度末に166か所に拡大するなど、着実に子どもたちへの支援の輪が広がっております。
一方、地域のつながりの希薄化など社会環境が変化する中で、不登校やひきこもりの問題など、子どもが抱える生きづらさの原因も多様化しており、全ての子どもが地域の中で安心して過ごせる多様な居場所を確保していくことが求められております。
このため、これまでの居場所づくりの取組に加えて、「子育て環境日本一推進戦略」の重点戦略に位置づけた「こどもの城プロジェクト」に基づき、ひとり親家庭に限らず、幅広い子どもの受入れや季節に応じた体験活動に対しても支援を行うことなどにより、全ての子どもが地域コミュニティの中で育つことのできる環境を整備することとしております。
今後は、市町村と連携し、それぞれの地域における地域資源やニーズを把握しながら、府内全域で多様な「こどもの城」の設置を促進していくほか、議員御指摘の「こども若者シェルター」につきましても、本年3月に国から示されましたガイドラインを踏まえ、本府に置ける対応を研究していくなど、多角的な視点から子どもの居場所を確保する取組を進めてまいります。
引き続き、生きづらさを抱える子どもを含め全ての子どもたちが、身近な地域において個々のライフステージに応じた居場所を持つことができるよう取り組んでまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
〔教育長前川明範君登壇〕
◯教育長(前川明範君) 田中美貴子議員の御質問にお答えいたします。
特別支援学校における性教育の取組についてでございます。
情報化社会の進展により、性に関する情報の入手が容易となる中、児童生徒が正しい情報を選択し適切に行動できる力を育むことが重要でございます。
性に関する指導は、健全な人間関係の構築や性暴力の予防に資するため、体や心の発達、自他の尊重などを含む包括的な視点を持って学習指導要領に基づき進めているところでございます。
とりわけ特別支援学校では、小・中学校等と同様に、自分の体の仕組みなど身近な内容から社会的ルールや人間関係を含め、自他の体を大切にする価値観を育むことを目的に進めております。
また、関係機関と連携して実施する助産師等専門家による出前講座を、児童生徒が性や妊娠について学ぶ貴重な場とするほか、特別支援学校の教員の指導力向上の機会として有効に活用しているところでございます。
しかしながら、特別支援学校には、言葉で気持ちを伝えることが難しい児童生徒や性に関する知識・理解が十分に定着せず、学習によって得た知識が断片的になる児童生徒も少なくありません。こうした状況が不適切な行動や性被害につながらないよう、他者の意見や考えを尊重する力を育むとともに、児童生徒が身につけるべき内容を明確にし、障害の特性に応じた指導を行うことが重要でございます。
そのため、指導内容や教材等を体系的に整理した指導計画に基づいて、発達段階に応じた集団での指導と一人一人の理解に応じた個別の指導を組み合わせることで学びが深まる実践を行ってまいります。
府教育委員会といたしましては、本年3月に作成されました「きょうとプレコン高校生教育プログラム」も参考にしながら、一人一人が自分の望む生き方を実現できるよう障害の状態や発達の程度に応じた段階的な指導を通じ、性に関する必要な知識・態度を育む取組を進めてまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 田中美貴子議員。
〔田中美貴子君登壇〕
◯田中美貴子君 多岐にわたりました質問に対しまして、御丁寧な答弁をありがとうございました。
まず、シニア世代の働き方なんですけれども、知事がおっしゃっていただいたように、生涯学習クリエイティブセンターとシルバー人材センター、こういったところとしっかり連携いただいて、さらにシニアの皆さんが生き生きと暮らせる社会づくりを目指していただきたい、そのように思っております。
医療DXの取組なんですけれども、まだまだ課題がたくさんあって非常に難しいことは十分承知をいたしております。医療と福祉の連携強化をしていく、普及のための環境整備をしていく、またDX人材の支援や育成をしていくという御答弁がございました。一方で、もっと身近な足元のところからしっかりとやっていかないといけないというのは、マイナンバーカードにマイナ保険証をひもづけていく、これが本当に重要なことと思っております。
10月1日からは全国一斉に「マイナ救急」が始まります。そういった中で宇治市では、高齢者の皆さんや障害のある方々のおうちに特別に訪問されて、その場でマイナ保険証を作るというふうな取組を始められるそうです。こういったことが、まずは足元から医療DXを整えていく、その重要性があるのではないかなとそのように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
生きづらさを抱えた子どもたちの居場所でございますけれども、「ACE(エース)サバイバー」を生まないというようなことの中で、居場所の提供をしていく、多様な居場所、また多角的な視点で支援をしていくというふうな御答弁、本当によろしくお願いしたいなと、ありがたいと思っております。
性教育における「はどめ規定」でございますけれども、教育長がおっしゃっていただいたように、包括的な視点が必要だと。自他の体を大切にする段階的な指導、こういったことをしっかりとやっていただかなければならないな、そのように思っておりますのでよろしくお願いしたいと思っております。
今、性教育における「はどめ規定」を外す方向ということで署名活動が頻繁に行われています。こういったこともしっかりと取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
御清聴賜りまして、ありがとうございました。(拍手)