1 京都府総合計画について
2 京都府の人材確保と職員の兼業推進について
3 高校教育における府立高校の役割について
4 経済安全保障について
5 その他
※外部リンクに移動します。
◯議長(荒巻隆三君) 休憩前に引き続き会議を行います。
次に、岡本和徳議員に発言を許可します。岡本和徳議員。
〔岡本和徳君登壇〕(拍手)
◯岡本和徳君 府民クラブ京都府議会議員団の岡本和徳でございます。会派を代表して通告に基づき数点について質問させていただきますので、今回も積極的な御答弁をお願いいたします。
令和8年度当初予算は、西脇知事の2期目の任期における最後の予算編成となります。西脇府政2期8年の歩みを締めくくるとともに、次なる府政の方向性を示す重要な時期であり、これまでの取組を府民と共有し、成果を可視化するとともに、課題を踏まえた次なる一歩として次の時代への道筋を描く極めて重要なタイミングでありますので、本日はまず、その中核となる京都府総合計画に関し、これまでの成果と課題についてお伺いいたします。西脇知事の任期最終年度にふさわしい京都府総合計画の成果と課題、今後の展望について、明快な御答弁をお願い申し上げます。
西脇知事は、2期目の府政運営を進めるに当たり、府政推進の根幹となる京都府総合計画を1年前倒しで改定されました。改定後の計画では、「安心」「温もり」「ゆめ実現」という3つの視点を掲げ、誰もが未来に夢や希望を持てる「あたたかい京都づくり」を府政の理念として推進してこられたと承知しております。
また、2040年の将来像として、「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府」を掲げられ、少子高齢化や人口減少、長引く物価高騰など厳しい社会情勢の中にあっても、府民が前向きに生きる力を育む府政運営を続けてこられたことについて、高く評価させていただきます。
その上で今回は、「温もり」の「子育て環境日本一」、「安心」の医療・福祉についてお伺いいたします。
「安心」「温もり」「ゆめ実現」の「ゆめ実現」については、総合計画において、「世界最高レベルのシルクの染めと織りの技術を活用した世界から注目されるテキスタイル産地の形成」や、「産学公連携による太秦メディアパークの共創拡大に向けた、クリエイター人材の育成の促進、先端テクノロジーとの融合によるコンテンツイノベーションの創出」、さらに「京都版フォルケホイスコーレ(仮称)の創設」など、世界に伍する「スタートアップ・エコシステム」の展開が示されています。
「太秦NINJA PITCH」の3年連続開催や、国内最大級のスタートアップカンファレンスであるIVSの連続開催により、京都が国内外の起業家や若者を引きつける舞台として再び注目を集めたことにより、府内のイノベーション創出や地域産業の活性化に確実な成果を上げていると感じており、こちらについても高く評価いたします。
この「ゆめ実現」の取組は、産業振興にとどまらず、府民が自らの地域で夢を描き実現できる環境づくりにもつながるものであり、その象徴が、向日市で進められている京都アリーナ(仮称)及び競輪施設の再整備であり、国際スポーツ大会や音楽・文化イベントの拠点として大きな期待が寄せられています。スタートアップやクリエイティブ産業、観光など多様な分野との連携により、地域経済の活性化と新たな夢の創出が期待されるところであり、これらの取組が京都ならではの魅力や活力の創造につながることを期待するところです。
次に「温もり」の観点から、「子育て環境日本一」についてです。「子育て環境日本一」とは、「子どもや子育て世代をはじめ、全ての人にとって暮らしやすい京都を目指すものであり、その実現に向けて「人と地域の絆」など京都の強みを生かし、社会の構造、価値観も変えていく必要がある」と記されています。
また、令和5年12月に改定された「京都府子育て環境日本一推進戦略」では、4つの重点戦略と20の重点プロジェクトを掲げるとともに、条例による制度的な支えを整備し、「行政、府民、企業、地域が一体となるオール京都体制を構築する」と記されています。
この推進戦略には、「子育てが楽しい風土づくり」「子どもと育つ地域・まちづくり」「若者の希望が叶う環境づくり」「全ての子どもの幸せづくり」という4つの重点戦略があります。この点について、まず、これまでの施策の成果に関してお伺いいたします。
「京都版ミニミュンヘン」のモデル実施、「子育てにやさしいまちづくり推進交付金」の創設、「誰もが働きやすい職場づくり事業」の拡充、「親子通園支援事業」の創設など、意欲的な施策が展開されており、男性の育児休業取得促進等の子育て支援の多面的な取組が進められてきたと承知しております。これらの施策は、子育て世帯の負担軽減や地域での子育て支援の充実、若者が希望を持てる環境づくりに直結するものであり、本府の施策の本格的な前進を示すものと考えております。
知事は、それらの数値目標や実施状況をどのように把握し評価しておられるのか、また府民が実感として「暮らしやすい」と感じているのかどうかという視点など、成果をどのように整理しておられるか、お聞かせください。
これらの様々な成果が現れている一方、現状を見ると課題も明確です。京都府の合計特殊出生率は、2024年に1.05と前年からさらに0.06ポイント低下し、また京都市においても1.01と2年連続で過去最低となったと発表されました。
こうした状況は、施策の効果が一朝一夕に現れるものではないことを示すと同時に、本府が掲げる「子育て環境日本一」に向けた取組において、なお克服すべき課題が多くあることを示していると感じております。
府内における地域間格差、子育て世帯の定住・移住に向けた支援の充実、企業・地域・学校・NPO等多様な支援主体との連携強化など、依然として構造的な課題が残っていると認識しておりますが、推進戦略に位置づけられた20の重点プロジェクトを踏まえ、直近において特に対応が急がれる項目はどこにあるとお考えでしょうか。また、これらの課題克服の取組を次のステージへ引き上げるための今後の方策について、お考えをお聞かせください。
次に、総合計画の「安心」の視点に基づき、府民の安全・安心の確保に関する本府の取組についてお伺いいたします。
総合計画では、自然災害の増加や高齢化、人口減少の進展など社会情勢の変化に対応し、府民が安全・安心に暮らせる地域社会の実現を目指しておられます。特に防災・減災体制の強化と医療・福祉の充実は、府民生活の基盤として最重要課題の一つと認識しておりますので、本日は、医療と福祉の観点に絞って質問をさせていただきます。
高齢化の進展に伴い、救急医療の充実や地域医療の連携、在宅医療、介護体制の強化が求められる中、医療資源の地域間格差の是正、救急搬送体制の整備、感染症や生活習慣病対策などを重要施策として取り組んでおられます。
しかし、過疎地では、医療機関へのアクセスが制限され、医師、看護師の不足や医療機器の老朽化など、現場では切実な課題が多くあると聞いております。また、京都市右京区の京都市立京北病院では、美山や園部あたりの患者も診ていただいていますが、その経営は京都市に委ねられており厳しい経営環境にあります。
知事は、これら医療・介護分野における課題をどのように整理され、今後の施策展開にどのように反映されるのか、具体的な方向をお示しください。
さらに、府民が安心して暮らせる地域社会を構築するためには、防災と医療・福祉の連携も欠かせません。災害時の救急搬送、避難所での医療支援、高齢者・障害者へのサポートなど、横断的な体制構築について知事の御見解をお聞かせください。
令和8年度に向けて防災・医療施策の成果を総括し、課題を踏まえ次期計画に引き継ぐ重要な節目でもあります。府民の生活と暮らしを守る安心の取組について、知事の御認識と今後の展望について御答弁をお願いいたします。
次に、京都府職員の兼業制度の推進を通じた人材確保・活用の観点から、本府の取組についてお伺いいたします。
まず、国の動向に関しまして、人事院は令和7年度の勧告において、「自営兼業を含む国家公務員の兼業制度を見直し、令和8年度からの施行を目指す」という方針を示しました。その趣旨は、職員が自己実現や社会貢献につながる活動に従事できるよう、制度を柔軟化し民間や地域で得た知見を行政に還元することで、人材の確保、定着、そして多様な人材活用を促進することにあります。
こうした国の方向性は、地方自治体においても職員が地域や社会とのつながりを深めながら成長し、地域を活性化させるとともに行政組織全体の活力を高める大きな契機となるものと考えます。
次に、都道府県における先進的な取組を見てみますと、長野県では、「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」を創設し、職員がNPOや地域団体での活動に従事できるよう柔軟な枠組みを整備しているようです。福井県においても「地域ビジネス兼業促進制度」を設け、地域経済の担い手づくりと行政人材の育成を両立させるとともに、職員の専門スキルを地域課題の解決に生かす仕組みづくりを進めています。こうした取組は、行政職員が本務以外の経験を通じて新たな視点を行政運営に還元するという点で、今後の都道府県行政における重要なモデルとなる可能性があります。
市町村レベルでも先進的な動きが広まっています。奈良県生駒市では、職員が地域貢献活動やスポーツ指導、IT支援などを職務外で行うことを認める「兼業促進制度」を導入し、制度導入後は、想定を上回る職員が応募したと聞いております。神戸市では、「地域貢献応援制度」により職員が勤務時間外に公益性の高い活動や報酬を伴う業務に従事できる仕組みを整備し、障害者支援や子育て支援、地域イベント運営など多様な分野で成果を上げているそうです。
これらの取組は、兼業を通じて職員の専門性や熱意を地域社会に還元し、組織としても外部との連携力を高める好例と言えます。今後の行政運営においては、人口減少や社会課題の複雑化が進む中で、行政の人材にも多様な経験や視点が求められるとともに、地域や民間と協働する力を育むことがこれまで以上に重要です。京都府としても、職員が地域で学び、挑戦し、得た知見を府政に生かす循環をどう構築していくのか、制度の方向性が問われております。
そこでお伺いいたします。
本府では、府職員の兼業制度をどのように位置づけ、どのような活動を対象として制度化し、実際に推進しているのか、許可手続の仕組みや許可基準、主な許可実績など現状についてお示しください。
また、府職員が兼業を通じて得た多様な経験やスキルを行政サービスの高度化や地域貢献に生かすためには、制度の適正運用と柔軟な設計が不可欠です。京都府として、今後の府職員の人材確保・育成において兼業制度をどのように位置づけ、どのような成果を目指していくのか、府政の持続的発展を支える人材戦略の方向性をお示しいただき、明快な御答弁をお願いいたします。
まずは、ここまでよろしくお願いいたします。
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
「子育て環境日本一推進戦略」についてでございます。
「子育て環境日本一・京都」の実現につきましては、府政の最重要課題と位置づけ、「子育て環境日本一推進戦略」を策定し、その実現に取り組んでまいりました。その進捗を管理するため、本戦略におきましては、令和8年度末を一つの区切りといたしまして、総合的な数値目標及び重点戦略ごとの数値目標を設けております。
進捗状況につきましては、例えば、「不妊治療助成制度を利用して妊娠した人数」など、事業実績やその成果を定量的に把握しておりますほか、風土づくりなど事業実績などでは把握が困難なものにつきましては、府民の生活実感を測ることなどを目的に年1回実施している「京都府民の意識調査」におきまして府民の実感を調査することにより把握しております。
現在、把握しております進捗について申し上げますと、令和8年度末の目標数値に対しまして70%の進捗を達成している項目が、11項目のうち5項目となっております。既に目標を達成しているものといたしましては、例えば、きょうと婚活応援センター関連事業によるカップル成立数があり、AIマッチングシステムの導入や共通の趣味や体験を通じた男女の出会いを提供する体験型婚活イベントの実施などにより、目標が9,200組のところ、既に9,331組に達しております。
また、現在、目標達成に向けて取り組んでいるものとして、例えば、先ほど申し上げました「不妊治療助成制度を利用して妊娠した人数」があり、全国トップレベルの不妊治療助成に加え、先進的なプレコセプションケアの推進などの環境整備を実施することにより、目標が4,300人のところ、令和6年度末時点で4,110人に達しているところでございます。
一方、「住んでいる地域が、子どもが育つのによい環境だと思う人の割合」につきましては、令和7年度は74.1%となっており、基準値である令和4年度の80.6%から低下しております。低下の要因を把握・分析するため、今年度、子育て世帯などを対象として調査を実施することとしておりますが、私が子育て世代から直接お話を伺ったところでは、京都の子育て環境を気に入っている一方で、物価高騰による生活費の上昇や子どもの遊び場所の不足などの御意見をいただいておりますことから、これらが一因となっていると考え得るところでございます。
「子育て環境日本一・京都」は、一朝一夕に実現できるものではないため、今後とも数値目標に基づき進捗状況を管理いたしますとともに、課題が明らかになった場合には調査等を通じてその要因を分析し、「子育て環境日本一推進戦略」の見直しも含め施策に反映することにより、取組の深化を図ってまいりたいと考えております。
次に、医療・介護分野の課題と今後の施策展開についてでございます。
高齢化や人口減少など社会情勢の変化に対応し、府民の皆様が安心して暮らしていける地域社会を実現していくためには、医療・介護分野が直面する課題に対応しながら需要の変化を的確に見据え、地域で必要な体制を整備していくことが重要だと考えております。
医療・介護分野につきましては、少子化の影響により人材の確保が課題になるとともに、近年の物価や人件費の高騰などにより施設の経営環境が厳しさを増している状況にございます。また、今後、2040年に向けて医療と介護の複合ニーズを抱える85歳以上の高齢者が増加する中、地域ごとの高齢化や人口減少のスピードに応じたサービス提供体制の構築も重要となるものと認識しております。
このため、京都府といたしましては、先般、国において取りまとめられた総合経済対策を踏まえ、地域の医療・介護施設の経営改善や従事者の処遇改善、医療・介護人材の確保・定着に向けたテクノロジーの導入等による生産性向上や働きやすい環境づくりなどにつきまして、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
また、今後の高齢化の進展や人口減少を見据え、各医療圏の地域医療構想調整会議等におきまして医療・介護関係者や市町村と丁寧に協議を進め、高齢者の救急医療や在宅医療など、地域に必要な医療・介護機能につきまして、利用者のアクセスなどの実情も踏まえ検討を進めてまいりたいと考えております。
今後とも、持続可能で質の高い医療・介護体制を構築し、住み慣れた地域で誰もが安心して暮らし続けられる社会の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、災害時の横断的な体制構築についてでございます。
近年、自然災害は激甚化、頻発化しており、府民が安心して暮らせる地域社会を構築するためには、災害発生直後から復旧・復興に至るまで、防災と医療・保健・福祉の横断的な連携体制を構築することが重要だと考えております。
このため、京都府におきましては、災害対策本部の下に保健医療福祉活動の総合調整機能を担う「保健医療福祉調整本部」を設置し、専門職からなる「保健医療福祉活動チーム」が効率的に活動できる体制を整えますとともに、平時から府総合防災訓練などを通じて自衛隊や消防とDMAT(ディーマット)(災害派遣医療チーム)が連携した患者搬送などの連携体制の構築に努めてきたところでございます。
また、令和6年能登半島地震における対応から、高齢者や障害者など避難や支援に配慮を要する方々につきまして、平時からそれぞれの状況に応じたきめ細やかな支援体制を構築することの重要性が明らかになったところでございます。
このため、市町村による個別避難計画の策定を支援いたしますとともに、避難所等での健康状態の悪化防止や福祉的な支援が必要な方をしっかりと支えるため、DWAT(ディーワット)(災害派遣福祉チーム)などの保健医療福祉活動チームの体制の充実や連携の強化に取り組んでいるところでございます。
今後とも、これまで構築してきた災害時の支援体制を基盤といたしまして、人材育成や訓練の実施による実践力の向上などをさらに進め、府民が安心して暮らし続けることができる社会の構築を進めてまいりたいと考えております。
次に、京都府職員の兼業制度についてでございます。
京都府職員に対しましては、職場だけではなく地域でも活躍できる人材となるよう社会・地域活動やボランティアへの参加を促進しておりますが、それを実現する一つの手法として兼業制度を活用しており、職員が自らの希望に応じて社会・地域活動等に参加し、現地・現場主義や多様な主体との連携、協働意識を育む有意義な機会として位置づけているところでございます。
兼業制度につきましては、職務専念義務や職務の公正な執行の確保など兼業の許可基準を踏まえた上で、職員からの申請を個別に判断し許可しており、これまで、有害鳥獣被害対策や障害のある方の同行支援、大学等での講義、子どもたちへのスポーツ指導など様々な分野で職員が活躍しているところでございます。
このような中、国におきましては、人事院の令和7年の公務員人事管理に関する報告におきまして、自営兼業を含む国家公務員の兼業制度を見直し、令和8年度からの施行を目指す方針が示されたところでございます。
見直しの背景といたしましては、国家公務員採用試験の申込者数の減少や若手職員の離職増加など、公務人材の確保が厳しい状況にある中、職員が自己実現や社会課題の解決につながるような自営兼業を行うことは、自律的なキャリア形成の促進やモチベーションの向上につながり、ひいては人材の確保・育成や公務にも好影響を与えると考えられたことによるものと認識しております。
京都府におきましても、人材確保につきましては国と同様の状況にあると考えられますことから、国に準じた兼業制度の見直しを進めますとともに、職員の希望や社会・地域からの職員へのニーズにも対応できるよう、時代や社会情勢に合わせた兼業制度を検討、設計してまいりたいと考えております。
新たな兼業制度を通じまして、京都府職員が社会・地域活動等に参加することは、職員の成長・育成を促すだけではなく、そこで得られる多様な経験やスキル、つながりを公務に生かすことができますとともに、高齢化や人口減少により担い手不足となっている地域での社会活動の推進にも大きく資するものと考えております。
そのため、職務専念義務などの兼業の許可基準を前提としつつ、職員の社会・地域活動等を積極的に後押しすることで、職員の自己実現や公務への貢献意欲を高め、人材の確保・育成・定着につなげますとともに、兼業を通じて得た経験等を公務に還元することにより、行政サービスのさらなる向上を目指してまいりたいと考えております。
◯議長(荒巻隆三君) 岡本和徳議員。
〔岡本和徳君登壇〕
◯岡本和徳君 御答弁、どうもありがとうございます。
まず総合計画につきましてですけれども、「子育て環境日本一」についてお伺いさせていただきました。一朝一夕にはできないということは十分に分かっておるわけでして、知事から数値目標を示していただきました中には、婚活センターによるマッチングが目標達成をしているということ、それから不妊治療の助成制度を利用して妊娠した方がもう少しで目標を達成できるというところまできていると。これはもちろん8年度末までに達成するということが目標ですが、あと70%達成したのが11個のうち5つあるということですので、比較的順調にきているのかなというふうに思いますので、しっかりとこの後も施策継続をしていただきたいというふうに思っております。
一方で、おっしゃっていただきましたように、子どもが育つのにいい環境だと思う人の割合が若干低下しているということでございました。今後、その要因を分析していくということでございますが、私自身も物価の高さ、遊び場というのも確かにあると思いますが、やっぱり子どもの医療費なども京都市と連携しながら頑張っていただいておりますけれども、この点もさらに充実していただくことなどによって、子どもを育てやすい環境というのがより整備されていくのではないかというふうに思っております。やはり、医療とか教育、住宅といったところで住みやすいというところを目指していくのがいいのではないかと思っております。
それから、医療・介護につきましては、私は普段から小児のことをよくやりますけれども、京都北部にも府立医大を中心に小児科医さんを派遣していただいておりますが、昨今の働き方改革でありましたり、医師不足というのもありまして、北部に医師を派遣するというのもなかなか難しくなってきております。さらに京都府には医師の育成のシーリングが国からかけられておりますので、このシーリングを国に外してもらうように国のほうにも要望されているというふうにお伺いしておりますけれども、医師過多地域ということには指定されておりますが、京都府の状況を国にもしっかりと訴えていただいて、医師の確保を、北部にも小児科医をはじめ様々な医師が行き届くような取組をしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
さらに、災害が起こったときの体制のお話をしていただきました。確かにDMAT(ディーマット)、DWAT(ディーワット)といった方々の取組というのは、我々は物すごく頼りにするところでもありますし、「保健医療福祉調整本部」も大変心強い取組であります。私が普段からお話する医療的ケア児のことで言いますと、今、国会のほうで「超党派医療的ケア児者支援議員連盟」というのがありまして、こちらのほうで医療的ケア児の避難についてかなり深く議論がされるようになってきております。例えば、避難所と治療場所を分けて考えるのではなくて、一体で対応できる仕組みが求められてきているというようなお話が、これからまた具体的に出てくるのではないかというふうに思いますし、避難所や福祉避難所、福祉スペースの設置が今は努力義務ですが、義務にする方向で議論されているというようなこともありますので、こうした点についても今後また積極的にお取り組みいただきたいというふうに思います。
職員の兼業につきましては、ちょっとあまり時間がありませんけれども、兼業制度の見直しを進めていくというふうにお話をいただきました。特に気になりますのは、任期つきの職員の方々であった場合、その任期が切れた後、生計を立てていかなければなりませんから、公務員として勤務されている間にも自らの能力を伸ばすとか報酬をもらいながら活動するということも当然考えられますので、そうした方々の取組が前向きにできるように制度設計をしていただきたいというふうに思っております。
ただ、一方で、昨日、おとといあたりの新聞で公務員の方が公務で知り得た情報を探偵として兼業されておられて逮捕されたというようなこともありましたので、こういう事例も参考にしながら制度設計をしっかりとつくっていただきたいというふうに思います。
次の質問に移らせていただきます。次に、高校教育における府立高校の果たす役割についてお伺いいたします。
近年、高校教育をめぐる議論において高校無償化が大きな注目を集めています。国では、来年度からの私立高校の授業料無償化に向け議論が進められており、保護者負担の軽減という観点から歓迎される一方、財源の確保や教育の質の維持を懸念する声もあります。
また、大阪府では、築30から60年の府立高校98校と支援学校30校について、普通教室や廊下などを5年間で一気に更新し、短期間で学習環境を改善する方針が示され注目されています。高校無償化による進路選択の変化を見据えれば、こうした環境整備は重要な課題ですが、その前提として問われるべきは、「高校とは何のために存在するのか」「社会は高校に何を求めているのか」という根本的な問いだと考えております。
高校は、義務教育を終えた生徒が自立した社会人として生きる基礎を築く重要な段階です。単に知識を習得する場ではなく、将来を主体的に考え自らの進路を選び取る力を育てる役割を担っています。文部科学省は学習指導要領で、「主体的・対話的で深い学び」を重視し、思考力、判断力、表現力の育成を求めています。変化の激しい現代社会では、知識の詰め込みだけでは対応できず、学んだ内容を人生や社会課題に生かす力が不可欠だからです。
また、高校は社会への接続点としての役割も果たします。進学、就職を問わず、卒業後の人生を見据えたキャリア教育は極めて重要です。総合的な探求の時間を通じ、地域課題の発見、企業や自治体との協働を経験することは、生徒が社会の中での自分の役割を意識する機会となります。こうした学びの機会を全ての生徒に保障することは、将来の地域づくり、国づくりに直結する課題です。
さらに、高校は多様性と包摂の接点でもあります。不登校経験者、ヤングケアラー、経済的困難を抱えた生徒など多様な背景を持つ若者が増える中、全日制だけではなく定時制、通信制、専門学科や総合学科など多様な学びの場が整えられています。これは、一人一人が自分らしい生き方を探求できる包摂的な教育の実現を意味します。特に地方では、高校は地域の知的人的資源の中心となります。地域企業や自治体、大学との連携により探究活動やインターンシップなどの取組も行われています。
以上のように、高校には多様で重要な使命が求められています。したがって、無償化の議論は、単なる家計支援にとどまらず、「全ての生徒が質の高い教育を公平に受けられる仕組みをどう構築するか」という教育の本質に関わる問題と捉えております。
そこでお伺いいたします。
私立高校の無償化が進み、保護者の選択肢が広がる中で、公立である府立高校の存在意義が改めて問われています。府教育委員会として、高校教育において府立高校が果たすべき役割をどのように考え、今後、どのようにその役割を果たしていくのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
次に、社会の変化をリードする「イノベーティブ人材」の育成について伺います。
人口減少、グローバル化、デジタル技術の急速な進展など、社会は大きな転換期にあります。生成AIをはじめとする新技術は、産業構造や生活様式を大きく変えています。前例踏襲や効率性だけでは対応できず、正解のない課題に挑み、新たな価値を創造できる人材が求められています。
文科省でも、「Society(ソサエティ)5.0」時代に必要な力として、自ら課題を見つけ他者と協働し、創造的に解決する力が示されています。まさにこれが「イノベーティブ人材」です。これは、技術革新を起こす人に限らず、課題を発見する探究力、新しい仕組みを生み出す創造力、他者と協働する力を兼ね備え、社会に新たな価値を生む人材を指します。地域社会や経済の持続的発展を支える社会基盤そのものとなる存在です。
こうした中、今年度、京都府が「トビタテ!留学JAPAN『拠点形成支援事業』」に採択されたことは、大変大きな意義があると感じております。
この事業は、高校段階からグローバル人材育成に取り組む地域拠点を全国に形成し、地域課題を自分ごととして捉え、海外留学による探求を通じて地域をリードするイノベーティブな人材を育てることを目的としています。まさに、これからの社会に必要な人材を育成する事業であり、大きな成果が期待されます。
本年6月定例会での、未来を切り開く人材の育成に関する私の質問に対し、教育長は、「グローバル化の進展など変化の激しい現代社会において、全体的に課題解決に取り組み、異なる価値観や考えを持つ人々と関わりながら、新たな価値を創造する創造性豊かな人材を育むことが重要である」と答弁されました。それはまさに、「イノベーティブ人材」の育成が重要だということとお受けいたします。
その実現に向けて、今後の「トビタテ!留学JAPAN『拠点形成支援事業』」をどのように展開し、府内の高校教育全体へどのように波及させていくお考えか、御所見をお伺いします。
次に、経済安全保障について府警本部長にお伺いいたします。
近年、国際情勢が複雑化し、AI、量子技術、半導体、宇宙サイバー、電磁波といった安全保障における新たな領域の誕生等により、安全保障の裾野が拡大しているとの認識が広がっています。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の際には、世界中でサプライチェーンの寸断が見られたことなどから、サプライチェーンの脆弱性も顕在化しました。
このような情勢を踏まえ、諸外国では、産業基盤強化の支援や機微な技術の流出防止、輸出管理強化等の経済安全保障に関する施策が推進されています。また、我が国においては、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するため、基本方針を策定するとともに、安全保障の確保に関する経済施策として所要の制度を創設することを内容とする経済安全保障推進法の全ての規定が、令和6年5月までに施行されました。
さらに、本年5月には、「重要経済安保情報」の指定やその取扱者の制限、我が国の安全保障の確保に資する活動を行う事業者への「重要経済安保情報」の提供等についての、いわゆる「セキュリティ・クリアランス制度」が施行されるなど、技術情報の流出防止に向けた取組が推進されています。
高市政権発足以降、経済安全保障推進法の改正に向けた検討も始まり、今後、重要物資の安定供給の確保、基幹インフラの安全確保等を柱に、制度設計に向けた議論が本格化されると聞いております。
我が国には、特に京都には、規模の大小を問わず先端技術に関する情報を保有する企業が多数存在しており、これらの技術情報の中には軍事転用可能なものもあるとのことです。特に国家プロジェクトの下、建設整備が進められているけいはんな学研都市では、大阪・関西万博のポスト万博シティにも位置づけられ、万博のレガシーを継承・発展させ世界に開かれた国際交流都市への進化を図ることが掲げられるなど、今後も経済安全保障上の対策を強力に推進していくことが求められています。
そのような中、全国では実際に先端技術が流出する事件が発生しており、平成31年2月から同年3月にかけて大手通信関連会社の従業員が同社の営業秘密である無線基地局の実証実験に関する情報を不正に領得し、ロシアの情報機関員と見られる者に渡したとして令和2年5月までに不正競争防止法違反、営業秘密の領得等で逮捕されております。また、令和5年6月には、国立研究開発法人の営業秘密である技術情報が記載されたファイルデータを中国所在企業のメールアドレスに送信して開示したとして、同国立研究開発法人の研究員が不正競争防止法違反、営業秘密の開示で逮捕されております。
企業や研究機関の技術情報が国外に流出した場合、企業等の国際競争力が低下するだけではなく、我が国の安全保障上重大な影響が生じかねず、府内における安全保障に対する取組を強力に推進していかなければならないと考えているところでございます。
そこで、警察本部長にお伺いしますが、警察が進める経済安全保障の確保に向けた情勢認識と産業スパイ事案などの実態、また技術情報が様々な経済活動を通じて外国に流出することを未然に防止するために取り組んでいることなどがありましたら、その課題と併せてお答えいただきたいと思います。
御答弁のほど、お願いいたします。
◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
〔教育長前川明範君登壇〕
◯教育長(前川明範君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。高校教育における府立高校の果たす役割についてでございます。
不確実性の時代と呼ばれる現代社会において、子どもたちが、しなやかに自らの人生をかじ取りする力を身につけるためには、知識を蓄積するだけでなく、本質的な理解に基づいて思考や判断に活用する力を育成するとともに、多様な他者との対話を繰り返す中で自身の考えを吟味し見直しながら、より深く考え行動する力を育むことが必要です。
さらに、広く世の中に関心を持ち、積極的に社会に参画するとともに、よりよい社会の形成に貢献しようとする姿勢を培うことも重要であります。その原動力となる身近な体験から芽生える地域への愛着や誇りに根ざした、地域の発展に貢献したいという「シビックプライド」の育成も必要だと考えております。
このような資質や能力を育成する質の高い学びをどのような地域的、経済的条件にある子どもたちに対しても実現していくことが、府立高校の重要な役割であると考えております。こうした役割を果たしていくためには、各府立高校が学校という枠にとらわれず広く社会に門戸を開き、企業や大学、地域の方々などと協働して人づくりを進めることが重要であります。
そのため、多様な人たちとの関わりなど、学校だけでは実現できない環境をつくることで、生徒一人一人の可能性の開花につなげてまいりたいと考えております。さらに、こういった産学官民の連携に加え、府立高校のスケールメリットを生かした取組を充実させることで、学校や地域の枠を越えた学び合いの場を創出してまいりたいと考えております。
府教育委員会といたしましては、各学校が社会とのつながりをより深め、豊かで創造的な学びが、どの学校においても実現できるよう取り組むことで、府立高校の役割をしっかりと果たしてまいります。
次に、「イノベーティブ人材」の育成についてでございます。
高校生が、京都や日本の文化、歴史、自然等への畏敬の念を胸に、異なる文化等を背景にした意見の多様性を尊重する国際的な視野に立ち、異国の地で主体的に探求する経験は、新たな視点の獲得や意識を変える契機となることから重要であると考えております。
京都府が採択されました「留学支援事業」は、語学力や成績を不問とし、夢や志を持つ高校生が自ら考えた海外での探求活動を産学官が支援するものでございます。本事業を通して、高校生が留学を契機に、これまで生きてきた枠の外へ果敢に飛び出すことで、自身の価値観が揺さぶられるとともに、国際社会の中で京都や日本の魅力と価値に気づくことにつながることが期待されます。
また、これに加えまして、多様な企業が集積する京都府の強みを生かし、留学への支援や助言だけでなく、事前事後の研修や活動を通じて、海外勤務経験者など実社会で活躍しておられる方々との対話から志を高め、生き方についての考えを深めることで、生徒が大きく成長する機会としたいと考えております。
このため、府、京都市、産業界等が協働し、高校生の海外での探求学習を支援するための京都府未来人材共創基金の設置に係る条例案を今定例会に提案するなど、現在、その準備を進めているところでございます。
さらに、自己の成長や現地での課題解決等の経験を後輩へ伝承する機会を設けるなど、留学した生徒が卒業後も継続的にその経験を還元し続ける仕組みを構築し、高校教育全体へ波及させてまいります。
府教育委員会といたしましては、産業界等と連携し、「シビックプライド」を備え京都から日本の未来を切り開くことができる「イノベーティブ人材」を創出してまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 吉越警察本部長。
〔警察本部長吉越清人君登壇〕
◯警察本部長(吉越清人君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。府警察が進める経済安全保障対策についてでございます。
近年、世界各国が重要技術の獲得にしのぎを削る中、経済安全保障の推進上、先端技術の流出防止対策は極めて重要であると認識をしております。府警察では、産業スパイ事案について、令和元年に電子部品メーカーの社員が会社の営業秘密である技術情報を転職先の外国企業で使用する目的で不正に取得した事案を検挙しております。
府内には先端技術を保有する企業やアカデミアが多数所在していることから、府警察では従来から、産業スパイ事案や機微技術を使った製品の不正輸出事案、サイバー攻撃事案などの取締りととともに、技術流出の未然防止に向けた対策を推進しております。
具体的には、警察と行政、商工団体、大学などで構築した情報保全ネットワークである「モノづくり・プリザーブ」を通じて、参画企業等に対して技術流出防止を注意喚起するための広報資料を配信しているほか、参画企業等を個別に訪問してサイバー攻撃やスパイ工作、経済・学術活動を通じた技術流出の事例などを情報提供するとともに、技術流出への備えとして、「取引などの相手方となる外国企業をよく見ること」「外国への技術の提供などにつながる行為や活動については一度立ち止まりリスクを踏まえた検討を行うこと」「機微技術の提供を含む取引については、関係部署に情報共有、事前相談すること」などについて教示するアウトリーチ活動を推進しております。
特にけいはんな学研都市においては、令和6年11月に設置した「けいはんな経済安全保障センター」に外事課員とサイバー攻撃対策課員が常駐して、アウトリーチ活動を推進しているほか、経済産業省と連携した合同セミナーも開催しております。
これらの対策を進める中で、企業等からは技術流出につながりかねない事案の相談も寄せられており、これに適切な助言を行うなどして企業等における技術流出防止対策を支援しております。
その一方で、企業等の担当者からは、「職員一人一人にまで技術流出防止に関する意識を浸透させることは難しい」という声もいただいており、企業等におけるさらなる意識の向上への取組が課題であると認識をしております。
府警察では、技術流出防止対策の充実・強化に向けて企業、アカデミア及び関係省庁との連携を一層緊密にするとともに、産業スパイ事案などの実態解明と取締りを推進することで、経済安全保障の確保に努めてまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 岡本和徳議員。
〔岡本和徳君登壇〕
◯岡本和徳君 御答弁、どうもありがとうございます。
まず教育についてでございますが、やはり先日、新聞にも出ましたので言及しないといけないのかなと思うのが、公立の志望が5割を切ってしまったということで、これは私学への希望が多くなっていく、無償化される中でそういうことはある程度は予想されているとは思いますが、この状況が3年、5年と続くとちょっと取り返しのつかないことになってしまうかと思いますので、対策を講じていただきたいというふうに思いますが、新聞報道でもありましたように、学校が新しいことであるとか、学科に特色があるとか、桂高校だったら農業のことがあるとかですね、こういうところに魅力があるのではないかというふうに報道もありましたので、学校の整備や雰囲気というのは非常に重要なんだというふうに思っております。この辺は予算も絡むことですので、ぜひ知事も御協力をよろしくお願いいたします。
それと府立の役割といたしましては、御答弁にありましたのが、「経済的に困難な子も含めてどのような状況の子でも、質の高い学びを提供していく」と。そして、「学校の枠にもとらわれずに子どもの可能性を広げていきたい」というふうな御答弁がございました。これはその次にお伺いいたしました「拠点形成支援事業」、留学の充実というところにつながるかというふうに思いますけれども、今回は、条例の改正として基金の創設ということも準備していただいているということで、起業家の皆さんたちとも連携しながら資金だけではなく、事前事後の活動のフォローアップや準備というものも、御答弁にありましたように実社会で活躍する人との交流を通して子どもたちの可能性をますます広げていただきたいというふうに思っております。
そして、御答弁の中に「シビックプライドを備え、京都から日本の未来を切り開くイノベーティブな人材を創出したい」という御答弁がありました。京都から日本の未来を切り開くというのは非常に心強い、力強いお言葉だというふうに思いますので、さらなる府立高校の充実を期待させていただきます。
以上をもちまして、私の代表質問を終わらせていただきますが、繁栄し安心できる京都の未来を切り開くため、我が会派も全力で取り組んでまいりますことをお誓い申し上げまして、代表質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)