1 SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・
  ヘルス/ライツ)の取組について
 (1)プレコンセプションケア推進の意義と今後の
   方向性について
 (2)SRHRの普及啓発における今後の取組について
 (3)「性と健康の相談センター事業」について
 (4)低出生体重児に関する取組について
2 災害時における命を守る施策について
 (1)地震防災対策における被災者支援について
 (2)仮設住宅の確保について
3 その他

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◯議長(石田宗久君) 次に、田中美貴子議員に発言を許可します。田中美貴子議員。
   〔田中美貴子君登壇〕(拍手)

◯田中美貴子君 府民クラブ京都府議会議員団の田中美貴子でございます。私は議員団を代表いたしまして大きな項目2点について質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今定例会に提案されております9月補正予算案につきましては、大阪・関西万博の開催に合わせた、京都の茶文化の発信や京都駅周辺を玄関口として府域への誘客につなげる取組の準備に着手するとともに、丹後郷土資料館の令和8年度のリニューアルオープンに向けた整備の推進、府市トップミーティングを踏まえた高校生の探究学習の成果発表会の開催のほか、中小企業や社会福祉施設などの生産性向上への取組支援など、現下の状況を的確に捉えた内容となっており、会派を代表いたしまして高く評価いたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という言葉と認識が日本という国でまだまだ周知されていないことに私は違和感を感じつつ、だからこそ、今、可及的速やかにこの概念を広めねばならないと少し焦りを感じながら、京都府ならではの発信の仕方があるとの確信の下、この質問を取り上げさせていただきました。
 1945年、国連憲章で「人権と基本的自由の普遍的な尊重と遵守を促進する」と記載されて以降、生殖に関する権利は1968年のテヘラン宣言で人権の一つとして登場し、1994年のカイロ国際人口開発会議で「教育と健康になるための手段を提供すること」「ジェンダー平等の実現による女性のエンパワーメント」ということに世界が合意し、その概念が公式に提唱され、定義されたのがリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の保障であります。その後、2002年には世界保健機関(WHO)が「セクシュアルヘルス」という言葉を定義し、リプロダクティブ・ヘルス/ライツと非常に密接に関わることから、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、略して「SRHR」と、一つの言葉として使われるようになりました。
 SRHRの格差は、世界中の個人、コミュニティー、国家に大きな損害を与えています。SRHRの格差をなくすためには全ての人が自分の体についての選択を自由にできるという人権に基づいた包括的アプローチが必要であり、そのためには、誰もがスティグマ(社会的な汚名)、差別、強制を受けることなく、必要な保健サービスをいつでも利用できる環境がなければなりません。全ての人の健康と生存、ジェンダー平等と人類の幸福のためにSRHRは欠かせないものと私は確信いたしております。
 一方、日本での背景を考えますと、1948年に、世界に先駆けて、中絶した女性を堕胎罪に問わないことが基本となり、人工妊娠中絶が、事実上、合法化されました。しかし、このときには女性の権利や人権を守るという意味合いは薄く、SRHRの機運は高まらずに、1970年から80年代に人口爆発による社会不安が生じ、モデルの世帯は「夫婦に子ども2人」という風潮が生まれ、このときに現代的な避妊方法が広まる代わりに人工妊娠中絶が増加した経過があり、また、行き過ぎた性教育の懸念から、中学の保健体育では受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする学習指導要領のいわゆる歯止め規定がなされ、世界では推進されてきた包括的性教育は日本では進まなかったという事実があります。
 現在に至っても、今の日本では、政治的コミットメントの弱さ、投資する資源の不足、女性と少女に対する偏見的な差別、セクシュアリティーをめぐる課題についてオープンかつ包括的に議論しにくい環境によってSRHRの普及啓発は何度も阻まれてきました。一方で、SDGsが2015年の国連で採択され、そこには「2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れ」とあり、「性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する」と明記されております。
 国連が中心となって推進されてきたこのSRHRですが、京都府議会では、性と生殖に関する権利と健康という問題が取り上げられたのが2001年6月。大野征次議員が取り上げられており、当時の議事録を読み、23年たった今もまた同じことを私は重ねてこの場に立っているのだと途方に暮れています。ただ、西脇知事が子育て環境日本一の取組を推進されるに当たって、私は今、大変大きな流れができているのではないか、また実質的に様々に大きな動きがあったのではないかと感じているところです。
 知事が昨年12月に改定された「子育て環境日本一推進戦略」の重点プロジェクトとして、プレコンセプションケアに関する教育・研修プログラムの推進が盛り込まれ、今年度、既に2回の検討委員会が行われ、高校生が性や妊娠に関する医学的知識やライフデザインを学ぶ京都府初・発の高校生に対する教育プログラムが作成されようとしています。この教育プログラムもまさに先ほど申し上げたSDGsの一環であり、一気呵成に物事が動くタイミングを体感しており、プレコンセプションケアの推進は、京都府にとって、日本にとっても重要と考えております。
 先日、滋賀県立高校の元保健体育科教諭であった清水美春さんからお話を聞く機会がありました。清水さんは、全国の中高生1万人を対象にした「びわこんどーむくんプロジェクト」を展開し、コンドーム伝道師と呼ばれ、学校講演活動やNHKなどでメディア掲載もされている女性です。
 このプロジェクトは、中学や高校の保健体育科や養護教諭をはじめ、思春期保健に関わる専門家たちの協力で全国に広がり、講演会や授業では、性感染症予防や避妊のためにコンドームを使用する際の失敗率や、心理的障壁を減少させるだけではなく、パートナーとの関係性や性的自己決定権などについても学び合う機会も提供されています。
 清水さんの「びわこんどーむ」の活動は、コンドームを教材として、目立つ場所に「わたしのカラダはわたしが決める」と印字してあり、正しい性の知識の充実を前提に、その上で幸せになるための選択肢の存在を知り、自ら選択する力を育んでほしいという思いがあり、まさに「well-being」につながるSRHRだと清水さんは言われています。清水さんから頂いた資料を拝見いたしますと、中高生の97.1%が「コンドームに触って慣れる性教育が学校で必要な学習」と答えているとのことでした。
 ツールはコンドームですが、コンドームの啓発活動が全てではありません。教諭をする中で「このままではいけない」「子どもたちにきちんとした性教育をせねばならない」との危機感から活動している若き女性を間近に見たとき、私は心が震える思いがいたしました。恥ずかしいとかタブーとか、わきまえるとか、私が女性として感じてきたあらゆる壁が一気に取り払われた気がしました。
 こういった女性が今活動している現状を鑑みて、私は改めて中高生に正しい知識を教えることの重要性を強く意識した次第です。SNSによる間違った情報と、そしてそこから発生する性犯罪や2次被害を未然防止につなぐ施策を実施すること、その重要性をしっかりと根づかせたいと思っております。
 SRHRの概念について、私は「自分の心と体は自分のもの。性が誰かに支配されるものであってはならないし、利用されるものであってもならない。自己決定による命を最優先としたものでなければならない。そして、産む・産まないの選択は女性が決めるもの」と定義づけをしております。一方、プレコンセプションケアの概念は、国の定義上、「男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、栄養管理を含めた健康管理を行うよう促す取組」とされていますが、そうした医学的な知識だけでなく、その知識を前提に、自分にとっての「well-being」な選択をする力を育むSRHRの観点が重要だと感じています。
 そこで、改めて京都府におけるプレコンセプションケア推進の意義と今後の方向性をお聞かせください。
 次に、SRHRの普及啓発における今後の取組についてお伺いいたします。
 イギリスでSRHRのリプロダクティブ・ヘルスディプロマを修了し、様々なところで研修や講演をされ、先日もフランスでの研修報告を厚労省に提言された池田裕美枝医師をお招きして勉強会を開催させていただきました。池田医師のクリニックでは、婦人科と泌尿器科を併設され、思春期外来にもお取り組みいただいております。
 池田医師の御経験から見えてくる現状は、やはりSRHRの認知度が他国と比べて非常に低いということです。例えば、欧米や欧州、北欧の国々では、10代から24歳の若者が医療従事者に気軽に性の悩みを相談できる場「ユースクリニック」が整備され、無料で避妊具やピル、緊急避妊薬をもらうことができ、安全な性交渉についてのカウンセリングや性感染症の検査なども受けることができるそうです。
 池田医師が問題視されているこういった遅れは、ジェンダー平等の数値にも現れており、私自身もじくじたる思いをいたしております。社会がついてこなかった現状と、女性の場合、男性よりも健康寿命が長く、要介護期間も長い。要介護にならないようにするためには、若い頃からの健康づくりに加えて、閉経後のケアをしっかりとせねばならず、女性ホルモンの急速な低下による日常の食事や運動に注意が必要であるにもかかわらず、40代、50代を子どもや親の介護、仕事等で人のために頑張らねばならず、将来の要介護者を増やさないためにはこういった課題もぜひ広めていかねばならないと思っております。そして、池田医師のようなSRHRを推進していく若い世代の女性たちがこれからの女性の地位向上や健康を熱く語り、しなやかに活躍することこそが日本が抱える少子化対策や子育て支援につながっていくものと思っております。
 いつの時代も様々な女性が活躍してきました。ただ、どうしても時にヒステリックに訴えねば届かなかったこともあり、そのことが理解へとつながらなかったこともあったように思います。今、SRHRの概念を京都から発信していくことは日本という国へのチャレンジでもあると私は思っております。京都府では、様々に多くの支援団体が複層的に、また複合的に活動されてまいりました。こういった団体がさらにSRHRの概念の下に集結し、取組を推進していただくことは京都府の未来にもつながるものと確信をいたしております。この概念の啓発・周知をぜひ推進していただきたいと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、京都府における性と健康の相談センター事業についてお伺いいたします。
 この事業は、こども家庭庁が令和6年度事業として成育医療等基本方針(令和3年閣議決定)を踏まえ、プレコンセプションケア、男女を問わず性や妊娠に関する知識の普及を図り、健康管理を促すことを目的とし、対象者は思春期、妊娠・出産等の各ライフステージに応じた相談を希望する者であり、また実施主体は都道府県、指定都市、中核市とされています。
 京都府として喫緊の課題である、「妊娠出産・不妊ほっとコール」が設置され、新たに「きょうと妊娠SOS・性の相談LINE」というLINE相談も行われておりますが、私は、京都府ならではの内容と、そしてこども家庭庁が目指す性と健康の相談センター事業の本格的整備をする時期に来ているのではないかと思っております。また、特定妊婦や若年妊婦等に対する産科受診等支援の実施は、その後が重要であり、体制も整えねばなりません。都道府県、指定都市が実施すべき事業とされていることからも、京都府と京都市が連携して実施することも重要です。加えて、女性が抱える性と健康の問題や、DV、中絶、女性の貧困等、こういった課題に多くの関係団体が京都府内で様々に向き合っていただいており、この際、事業を整備するに当たって、こうした団体の皆様と緊密に連携を図りながら事業実施を推進すべき時期でもあります。
 避妊、予期せぬ妊娠、性感染症、不妊症など、性や妊娠の相談支援に関して京都府における現状と課題、今後の在り方について現段階での知事のお考えをお聞かせください。
 次に、低出生体重児に関してお伺いいたします。
 現在、日本で生まれた赤ちゃんの約10人に1人が低出生体重児であり、これは主な先進国の中でも高い割合となっています。
 近年、日本の低出生体重児の割合は横ばい傾向ではありますが、低出生体重児の割合が増加する要因として、妊娠前の痩せ、妊娠中の体重増加の抑制、喫煙、飲酒などがあると報告されています。特に妊娠前の痩せという視点で見ると、日本の20代女性の5人に1人(20.7%)がBMI18.5未満の痩せ状態にあることが厚労省の調査で明らかになっており、主な先進国と比較しても日本は成人女性の痩せの割合が極めて高い状況です。
 こうした状況を受け、国の成育医療等基本方針でも言われていますが、若年女性の痩せに関する健康課題を解消すべく、妊娠前からの望ましい食生活の実践等、適切な健康管理に向けて普及啓発を行うことが喫緊の課題となっています。
 また、妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸というビタミンをしっかり取ることで赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防につながるとの報告もあります。神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができるとき(受胎後およそ28日)に起こる先天異常で、無脳症、二分脊椎などがあります。妊娠を知るのは神経管ができる時期よりも遅いため、妊娠を希望する女性は妊娠したことが分かる前から緑黄色野菜を積極的に摂取し、サプリメントも上手に活用しながら、しっかり葉酸を摂取することが推奨されています。
 このように女性の健康問題は妊娠の場面においても非常に大きな影響があるものですし、若いうちからできるだけ早期に望ましい生活習慣などについて普及啓発を行うことが重要であると考えております。ぜひ京都府のプレコンセプションケアの取組の中でも、こうした女性の痩せの問題、低出生体重児との関係、望ましい生活習慣等、葉酸摂取の必要など、妊娠前の女性の健康に関する情報を普及啓発していただきたいと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
 そして、これは要望になりますが、リトルベビーのママたちからいただいた声を知事にも御紹介させていただきます。
 リトルベビーのママたちは、直接子どもに授乳ができず、搾乳をしてICUにいる子どもたちに届けねばなりません。これは、生理的現象として外出中でもその行為は必要であり、授乳室に入るとき、ママたちは「なぜ1人で利用しているの」といった視線に傷つきながらその場所を利用しています。そして、その声は「授乳室・搾乳室」との併記を望み、ユニバーサルデザインの取組の一環として、優しさを表現する意味も込めて京都府の公共施設において展開いただくなど、検討いただけると幸いです。
 次に、大きな項目の2つ目として、災害時における命を守る施策についてお伺いいたします。
 今年の元旦に発生いたしました能登半島地震につきましては、今なお復旧が滞り、命の危険にさらされながら日々を過ごされている方がまだ大勢いらっしゃるとのことです。また、8月8日には日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、この地震が南海トラフ地震と関連づけられたことから、一気に地震災害に対する危機感が強まってまいりました。
 一方、京都府では、この南海トラフ地震を含めて以前より府内の断層に係る地震被害想定を公表されており、花折断層帯や生駒断層帯等の想定最大避難者数をお示しになられております。第二次京都府戦略的地震防災対策指針では令和6年度までの10か年を計画期間とされていましたが、南海トラフ地震の発生確率を考慮し、令和2年度以降、10年を見据えた第三次指針を策定され、その具体的な対策を示した5か年の推進プランをお示しになられています。今年度、府内の主要な断層について被害想定の見直しを行われた上で京都府戦略的地震防災対策指針及び推進プランの改定を進めておられると聞き及んでおり、京都府民の命と財産を守る拠点として危機管理センターが稼働した今、この策定には期待をいたしております。
 また、この間、能登半島地震では被害発生時の支援から生活再建に至るまで多くの職員さんが被災地に出向いていただき、心から感謝いたしておりますが、そういった経験がまさに京都府民を守る礎となり、今後生かすべきことにつながると確信いたしております。
 能登半島地震に限らず、これまでの災害においても一時的な生活の場となる避難所の環境整備、そして安定した生活への速やかな移行が課題となってきました。命を守ることから生活を守ることへの移行をうまく機能させること、つまり短期的な支援から長期的な支援への移行が非常に重要になってくるのではないかと思っています。もちろん今回の能登半島地震においては能登半島という日本海側に突出した特有の地形にも要因はあったと思っておりますが、避難所での生活は、高齢者の方や障害のある方、また子どもたちにとっては、先行き不安な一時避難の場所としてその日暮らしが余儀なくされていたものと推察いたします。
 京都府地域防災計画の震災対策計画編においては、第2編「災害予防計画」第6章「避難等に関する計画」第4節には「避難の実施に必要な施設・設備等の整備」について記載されております。避難所が確保され、その後、様々に配慮がなされ、避難所での管理の下、安心・安全が確保されていきます。さらに、第3編「災害応急対策計画」第17章「施設の応急対策に関する計画」の第9節「住宅応急対策計画」においては、「公営住宅等の既存ストックの一時提供及び賃貸型応急仮設住宅を提供する」ことや、「地域に十分な既存住宅ストックが存在しない場合には、建設型応急仮設住宅を速やかに設置し、被災者の応急的な住まいを早期に確保する」ことが記載されております。
 ここで初めて応急仮設住宅の記載があるわけですが、内閣府の資料によりますと、「住まいの視点からみた災害救助法の救助」として、災害救助法の範囲で、「従前」から「被災」「被災直後」「被災後数週から数月」「被災後数月から数年」「恒久住宅の確保」と、時系列でお示しされています。
 住宅の応急修理等がなされている段階では、避難所、ホテル・旅館にいる間に食品、飲料水、生活必需品、学用品の給与・提供、医療・助産などが実施されます。その後、既存公営住宅等(国の宿舎等も含む)、賃貸型応急住宅(民間賃貸住宅)、建設型応急住宅となっており、これらが仮設住宅の位置づけになるものと思っております。
 能登半島地震を顧みますと、避難所での避難生活が長期化するとともに、プライバシーが守られることなく、また他人への配慮、衛生面にも課題があり、断水等による不自由な生活の長期化など、ただでさえ御自身の住居や家財などに被害を受けておられる被災者の方の身体的・精神的負担は計り知れないものがあります。このため、被災者の支援に当たっては、災害直後における被災者の生活の場である避難所の運営に関する課題としてこれまでから劣悪な生活環境が指摘されておりますが、被災者に衛生環境とプライバシーを確保した生活を取り戻していただくためには、長期的な生活の場として仮設住宅へ速やかに入居いただくことが不可欠となることから、被災者の方々が早期に避難所から仮設住宅へ移行できるようにするための支援が必要であると考えます。
 そこで、京都府におけるこれまでの地震防災対策ではどのような方針に基づいて被災者の支援に取り組まれてきたのか、また今後どのように見直しを進めようとされているのか、お聞かせください。
 また、そのうち、京都府として、この仮設住宅、いわゆる従前の住まいでは住めなくなった方々が生活の基盤として住まわれる場所としての確保をどのようにせねばならないと考えておられるのか、京都府の方針をお聞かせください。
 御答弁よろしくお願いいたします。

◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 田中美貴子議員の御質問にお答えいたします。
 田中美貴子議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 プレコンセプションケアの推進の意義と今後の方向性についてでございます。
 まず、議員御紹介のSRHR、いわゆる「性と生殖に関する健康と権利」とプレコンセプションケアの関係についてでございます。
 SRHRは体の自己決定権とも呼ばれ、一人一人が自分の性や妊娠の在り方を決定できる権利を持ち、そうした権利を他人が侵害してはならないという考え方でございます。また、プレコンセプションケアは、国の定義において「男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うよう促す取組」とされております。
 性や妊娠に関する問題につきましては、自分だけで完結するものではなく、他者との人間関係の中で生じるものでございます。そのため、京都府といたしましては、予期せぬ妊娠を防ぎ、望む妊娠をかなえる観点から、相手の意思を尊重し、良好な人間関係を構築するSRHRの考え方を基本として、性や妊娠に関する科学的な知識を身につけるプレコンセプションケアの取組を進めることが重要だと考えております。具体的には、「いつ妊娠して何人子どもを産むかといったことは、一人一人が自分の意思で自由に決定できる。友人、恋人、結婚といった様々な関係の中でそうした一人一人の考えを尊重して、良好な人間関係を構築することが大事である。その上で、それぞれの主体的な選択により、子どもを産み育てたいと望んだ場合には、妊娠に向けた健康管理を含め、科学的な知識を持って日常生活を送ることが望ましい」といった内容の施策を進める必要があると考えております。
 これまでから京都府では、望む妊娠をかなえるという観点から、子どもを持ちたいという府民の皆様の願いに応える施策として全国トップレベルの不妊治療支援を行ってまいりました。しかし、「不妊治療の開始年齢は35歳以上が67%を占めており、いわゆる妊活を開始されたときには妊娠率が相当程度低下し、不妊症のリスク発見も遅れている状況にある」「人工妊娠中絶を選択する方の割合は25歳から34歳で7%であるのに対して15歳から24歳では38%と高い」など、望む妊娠をかなえ、予期せぬ妊娠を防ぐ施策を進めることが課題となっております。この課題に対応するためには若年期から妊娠率と年齢との関係、避妊方法といった科学的知識を身につけ、そうした知識を知った上で自身のライフデザインを考える機会を提供するプレコンセプションケアの取組を推進することが重要だと考えております。
 京都府といたしましては、「今まさに子どもを持ちたい」という皆様の希望をかなえるためのこれまでの施策に加えまして、「いつか子どもを持ちたい」という若年層の予期せぬ妊娠を防ぎ、望む妊娠をかなえる施策を推進することがプレコンセプションケア推進の意義だと考えております。
 京都府では、若年層の予期せぬ妊娠を防ぎ、望む妊娠をかなえるため、今年度、医師会、助産師会、教育関係者などから成る有識者検討会を立ち上げ、関係部局と教育委員会も参画した形でプレコンセプションケア推進の方向性について検討を進めているところでございます。
 この検討会では、現在のところ、性や妊娠に関する科学的知識を普及・啓発するための集団アプローチ、他人に聞きづらい場合もある性や妊娠に関する疑問や悩みなどの相談支援を行うための個別アプローチの両面からの取組が必要だといった御意見をいただいております。さらに検討会で議論を深め、医療、保健、教育、企業等の関係者が協働して、社会全体でプレコンセプションケアの推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、SRHRの普及啓発についてでございます。
 いつ妊娠して何人子どもを産むかといったことを一人一人が自分の意思で自由に決定できるというSRHRの考え方は、プレコンセプションケア推進に関する検討会においても重要だとの御意見をいただいております。
 京都府ではSRHRの考え方を基本としてプレコンセプションケアを推進することとしており、性や妊娠に関する科学的知識を普及・啓発するための集団アプローチを進める中で、SRHRについても、医療、保健、教育、企業等の関係者と協働して普及・啓発を図ってまいりたいと考えております。特に若年期に対しましては、今年度作成する高校生向けの教育プログラムにSRHRの考え方を盛り込む予定としております。
 また、京都府内の医師や助産師の方々が若者の性や体の悩みに答えるユースクリニックの開設や、居場所づくりなどの支援活動を通じてSRHRの普及・啓発を行っておられるところです。今後は、プレコンセプションケアを推進する中で、このような支援団体や大学、企業とも連携したセミナーの開催を検討するなど、SRHRに関する一層の普及・啓発を図ってまいりたいと考えております。
 次に、性と健康の相談センター事業についてでございます。
 性と健康の相談センター事業は、男女問わず、性や生殖に関する健康支援を総合的に推進し、ライフステージに応じて切れ目なく実施することを目的としており、京都府においては、きょうと子育てピアサポートセンター内に「妊娠出産・不妊ほっとコール」を設置して取り組んでおります。この窓口においては、妊娠・出産に関する身体的・心理的不安、避妊方法、予期せぬ妊娠、不妊治療や不育症から育児の悩みまで、幅広い内容について助産師が年齢不問・匿名での電話相談に対応しております。
 妊娠出産・不妊ほっとコールの対応時間は平日の午前9時15分から午後4時までとなっており、令和5年度の相談件数451件のうち、24歳以下の方からの相談と確認できたものは12件となっております。高校生などの若年者にとっては、平日の日中は学校やクラブ活動があり、時間が取りにくい上、電話という手段もふだんの生活になじみがなく、相談のハードルが高いことから、若年者が相談しやすい窓口の設置が課題であると考えております。
 また、妊娠出産・不妊ほっとコールには、本来の性や妊娠に関する身体的な悩みと関連した精神的な悩みや人間関係、経済状況などに関する相談も寄せられており、幅広い内容に的確に対応するだけでなく、必要に応じ、より専門性の高い相談先へ速やかにつないでいくことも求められております。しかしながら、現在は助産師1名で対応しており、相談体制を強化することも課題だと考えております。
 加えまして、性や妊娠に関する相談窓口につきましては、「仕事と不妊治療の両立に関する相談窓口が別途存在している」「京都市にも類似の相談窓口が設置されている」など、相談窓口が複数に分かれていることも課題だと考えております。
 このように、現在の性や妊娠に関する相談の窓口につきましては、「若年者が相談しやすい窓口の設置」「幅広い悩みに対応するための相談体制の強化」「類似の相談窓口の統合」という3つの課題があると考えております。
 1つ目の若年者が相談しやすい窓口の設置につきましては、ふだんの生活になじみのあるSNSなどのツールの活用や相談時間の拡充などが必要だと考えております。2つ目の相談体制の強化につきましては、医学的なアドバイスや心理的な寄り添い、働き方への助言など、多様かつ複合的な支援が可能となるよう、助産師だけでなく、臨床心理士や産業カウンセラーなどの多職種が連携して対応する窓口が必要だと考えております。3つ目の相談窓口の統合については、現在は複数に分かれている相談窓口を性や妊娠に関する総合的な窓口として整備する方向で京都市とも連携して検討を進めてまいりたいと考えております。
 京都府といたしましては、性や妊娠に関する疑問や悩みなどの相談支援を行う個別アプローチを進めるに当たり、SNSの活用など若年者がアクセスしやすい相談手法を採用し、多職種連携により幅広く専門的な相談対応が可能な総合相談窓口を整備することで妊娠・出産・子育てのライフステージに応じた切れ目ない支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、低出生体重児についてでございます。
 令和4年度の調査によりますと、京都府では出生時の体重が2,500グラム未満で生まれた子どもは約10人に1人でございます。
 低出生体重児が生まれる要因としては、妊娠高血圧症候群や多胎妊娠のほか、低栄養や喫煙などが考えられるとされており、議員御指摘の妊娠前の痩せも要因の一つとされております。
 低出生体重児の出産や先天性疾患の発現など、妊娠・出産に係る様々なリスクを減らすためには、プレコンセプションケアとして、妊娠前からの痩せを避け、葉酸などのビタミンをしっかり摂取するなど、バランスのよい食生活を心がけることが重要でございます。また、適度な運動を行うとともに、喫煙を避けるなど、生活習慣を整えることも必要でございます。
 これらの妊娠・出産のリスクを減らすための食生活や生活習慣については、厚生労働省から「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」の10項目として公表されております。
 京都府におきましては、従前から、医師会と連携して、高校生に対し、妊娠・出産に関する出前講座を開催しており、痩せや喫煙の危険性、葉酸などの必要な栄養素を含むバランスのよい食生活などについて伝えてきたところでございます。今年度作成を進めております高校生向けのプレコンセプションケア教育プログラムにおいても痩せと肥満、栄養素について記載をし、たばこやアルコール、ストレスなどの妊娠・出産に影響を与える生活習慣も盛り込んでまいりたいと考えております。
 また、これらの生活習慣などの与える影響につきましては、妊娠・出産にかかわらず、男女ともに将来にわたって理解しておくべきものであることから、セミナーなどにおいて大学生や社会人に対しても広く普及・啓発を行ってまいりたいと考えております。
 子どもを持ちたいという多くの若者の願いをかなえ、若者が未来に希望を持てる社会こそ、子育て環境日本一の京都だと考えております。今後とも、府民の皆様が健康管理や妊娠・出産についての認識を深めていただくような支援や取組を行い、安心して妊娠・出産できる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、京都府における地震防災対策についてでございます。
 地震や風水害などの自然災害をはじめ、あらゆる危機事象から府民の生命・身体及び財産を守るためには、地域防災計画に基づき、総合的かつ計画的に防災・減災対策を推進することが重要だと考えております。
 このうち地震防災対策につきましては、平成21年4月に、被災者の生命と生活を守るという基本理念や減災目標を定めた京都府戦略的地震防災対策指針と、指針に基づき具体的に取り組む事業を定めた推進プランを策定し、医療体制の充実のほか、避難体制の充実や災害時要配慮者対策の推進など、被災者支援に取り組んできたところでございます。現在、花折断層帯地震の被害想定の見直しに加えまして、花折断層帯以外の主要な10断層について被害想定の見直しを進めているところであり、その結果や令和6年能登半島地震の教訓を踏まえ、指針及び推進プランを見直すため、今年度新たに地震対策専門家会議を立ち上げたところでございます。
 議員御指摘の避難生活の長期化に伴う被災者の心身への影響につきましても、先月に開催いたしました第2回の専門家会議におきまして、環境変化に伴い、心身に影響を受けやすい高齢者などに対するよりきめ細やかな支援体制が必要であるとの意見があったところでございます。今後、これらの意見も踏まえまして、市町村と連携した避難所の衛生環境の整備や、被災以前のコミュニティーに配慮した身近な住まいの確保など、地震防災対策全般の見直しについて検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、応急仮設住宅の確保についてでございます。
 京都府では、令和3年に策定した「京都府応急仮設住宅事業マニュアル」に基づき、まずは必要戸数を把握した上で、活用が可能な公営住宅の空き室の速やかな提供や民間賃貸住宅の借り上げを優先し住居の確保を行い、加えまして地域の実情に応じて応急仮設住宅の建設をすることとしております。
 災害発生時にこうした対応を速やかに行うため、民間住宅の借り上げに関しては、住宅関係団体と連携し、災害発生時に活用可能な住宅について、被災地だけでなく京都府全域で把握できる体制を構築しており、また応急仮設住宅の建設用地確保等に関しては、市町村と連携して周辺道路の状況やライフラインの整備状況等を継続して調査し、一定の広さを持つ約1,000か所を候補用地として把握するなど、平時から準備を行っているところでございます。
 現在、国等において能登半島地震の検証が進められており、応急仮設住宅の確保につきましては「賃貸住宅が少なく借り上げが困難であること」「平地の少ない地域での大災害であることから、建設用地の確保が困難であること」「地域コミュニティーの維持など被災者や被災地のニーズを考慮した柔軟な対応が必要なこと」といった課題が明らかになっており、同じように半島地域がある京都府といたしましても改めて応急仮設住宅の確保策について検討を行うことが重要だと考えております。広域的な避難や地域コミュニティーを維持した避難といった多様な被災者ニーズに対応できるよう、既に把握している建設候補用地につきまして地域ごとの分布状況や集落からの距離を確認し、必要に応じ、より集落に近く小規模な建設候補用地の掘り起こしを行うなど、能登半島地震での整備事例も参考にしながら、応急仮設住宅の確保の実効性をさらに高めてまいりたいと思っております。
 今後、被災者の生命と財産を守るため、市町村などとも連携をし、発災直後の避難所からより生活環境の整った応急仮設住宅へスムーズに移行できるよう、具体的な対策について検討を進め、今年度中に次期指針及び推進プランの見直しを行った上で地域防災計画にも反映させてまいりたいと考えております。

◯議長(石田宗久君) 田中美貴子議員。
   〔田中美貴子君登壇〕

◯田中美貴子君 大変御丁寧で、そして前向きな御答弁ありがとうございました。
 SRHRの啓発ですけれども、御答弁にありましたように、プレコンセプションケアを社会全体で推進していくというお話の中に、やっぱりこれは重要な施策であるということから啓発をしていくというふうなお話がございましたので、よろしくお願いしたい、そのように思っております。
 また、性と健康の相談センターですが、京都は学生のまちです。学生のときに周囲の大人が真摯に向き合ってくれたことがきっと京都で生活を続けるという選択につながるものと私は信じています。
 先ほど御答弁がありましたユースクリニックということなんですけれども、これはフランスではユースクリニックと言われているんですけれども、包括支援のできるユースセンターというようなものがいいのではないかなと思っております。ぜひ京都市と協調してお取組をいただけたらありがたいなと思っております。
 そして、仮設住宅については、生活を守る観点から、早急にしっかりとその方向性をお示しいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、府民クラブ京都府議会議員団は、西脇知事とともに府民の皆様に寄り添いながら西脇府政の一翼を担う会派として取り組んでまいりますことをお誓いいたしまして、私の代表質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)