1 地域貢献人材の育成について
2 学力向上に向けた教育活動の充実について
3 子どものスポーツ機会の充実について
4 その他

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◯議長(菅谷寛志君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。
 まず、平井斉己議員に発言を許可します。平井斉己議員。
   〔平井斉己君登壇〕(拍手)

◯平井斉己君 府民クラブ京都府会議員団の平井斉己でございます。
 質問に入る前に、9月14日に太平洋沖で発生した台風14号は大きな勢力となり、日本列島を縦断しています。全国各地でも大きな被害をもたらしました。ここに、お亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げます。併せて、被害に遭われた全ての方々にお見舞い申し上げます。
 京都府においては、一部公共交通機関の運休、停電、道路の通行止めになったと伺っております。今後、農林業などの被害が報告されると思いますが、被害の復旧に迅速に対応していただくことを要望いたします。
 それでは、質問に入ります。最初に、地域貢献人材育成について質問いたします。
 京都府の総人口は人口減少傾向に歯止めがかからない状況にあり、今後、それが続くと予想されます。もちろん、人口減少問題は京都府に限らず、多くの自治体では同様の課題を抱えている課題であり、子育て支援や移住促進など各自治体では創意工夫を凝らした施策を実施しています。
 京都府の現状は、2015年から2040年にかけての減少率は、最も高い丹後地域で37.0%、南丹地域では28.8%、京都府全体で14.3%と減少が見込まれています。山城地域では、笠置町の57.9%、和束町54.1%、南山城村54.8%の減少率があり、50%を超えると見込まれる市町村もあります。
 少子高齢化の進展により生産年齢人口の減少が加速し、ピーク時の1995年の約184万人が2040年には約120万人となり、約64万人の減少、率にして3割以上の減少が見込まれています。人口減少が進む中、労働市場における人材不足の深刻化により、中小企業や介護・福祉、農業などの分野においても人材確保が大きな課題となっています。また、マンションなどの集合住宅の増加といった社会環境の変化に加えて、人々の生活様式や価値観の多様化、ネット社会の進展などにより近所付き合いは希薄化し、地域での膝を突き合わせての交流の機会も減少している現状が見受けられます。さらに、これまでの地域活動を支えてきた自治会、町内会、ボランティア団体などでも構成員の減少や役員の高齢化、固定化など、深刻な人材不足が問題となっています。一方で、地域ではお年寄りや子どもの見守り、防災活動などのニーズが高まっていますが、それを担う人材がいない現状もあります。人口減少、少子高齢化が進む中、持続可能な地域づくりに向けて、経済活動や府民生活、コミュニティーを維持していくための対策が求められています。
 このような中、京都府では2021年8月に、人生100年時代の到来を見据え、在職者を対象に人手不足分野などへのキャリアチェンジや地域貢献に資する人材を育成するリカレント研修、キャリアに係る相談などの一体的な支援を提供する京都府生涯現役クリエイティブセンターを京都経済センター内に開設されました。また、本年7月には、リカレント教育の在り方や取組内容、情報提供を含めた関係団体との連携などについて京都府全体で検討・推進するため、京都府リカレント教育推進機構を設置したと伺っています。
 京都府生涯現役クリエイティブセンターの特徴としては、京都産業を牽引する人材を育成し、人材不足分野における労働需要に対応することはもちろん、地域課題解決のために働きたい方々に対して福祉や防災、農業など専門性の高い研修を提供する、いわば地域貢献型リカレント研修の実施であるとも考えます。この地域貢献型リカレント研修は、府民生活やコミュニティー維持のためにも大変意義深いものであるとも考えます。
 そこで知事にお伺いいたします。
 京都府生涯現役クリエイティブセンターが昨年8月に開設されて1年が経過しますが、地域課題の解決の担い手を育成する地域貢献型リカレント研修のこれまでの取組状況について伺います。また、地域貢献型リカレント研修の今後の展開についてどのようにお考えか、お示しいただきたいと思います。
 次に、学力向上に向けた教育活動の充実について、教育長にお伺いいたします。
 去る7月末に全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。京都府の小学校・中学校の結果を見ますと、小学校が全国6位、中学校が全国18位となり、科目別に見てもいずれも全国平均を上回る結果が公表されました。その要因の一つとして考えられるのが、京都式少人数教育や進級段階に応じたきめ細やかな補充学習の実施など、子どもたちの確かな学力の育成に向け府教育委員会がこれまでから取り組んでこられた努力も大きく、その取組を高く評価するものでもあります。
 しかし、一方、調査結果の詳細を拝見しますと、小学校では府全体で全国6位となっているものの、内訳は京都市が政令市で全国1位、京都市を除く府域では全国15位となっており、京都市が順位を押し上げていることが見受けられます。また、科目別に見ても、京都市域を除きますと小学校の理科、中学校の数学及び理科が全国平均を下回るなど、地域によって学力に大きな差が生じていないか危惧されるところです。
 そこでお伺いいたします。
 今回の全国学力・学習調査の結果を踏まえ、府内の小学校、中学校の学力の状況についてどのように認識されているのでしょうか。
 また、今定例会に、府教育委員会が2021年度の取組実績を取りまとめた「教育委員会の事務の点検・評価結果」が提出されましたが、学力向上に係る取組についてどのように自己評価され、そこから見えてきた課題をどのように分析されているのでしょうか、教育長の御所見をお聞かせください。
 一方、こうした学力調査では、平均点との比較による相対的な学力は把握できるものの、子どもたち一人一人の学力の伸びなどの状況は把握できず、したがって、個々の状況に応じた教育を提供する上での土台となるデータが十分でないとも考えます。
 個別最適な学びを提供することは、国におきましても昨今重視されており、本年2月に文部科学省が公表した「教育進化のための改革ビジョン」では、基本理念の一つとして「誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に引き出す教育」を掲げ、さらには重点施策の柱の一つとして「個別最適な学びと協働的な学びの日常化」を位置づけていることからも、その重要性の高まりがうかがえます。
 こうした中、府教育委員会におきましては、国の動きに先駆け、府の学力調査におけるIRT、CBTの導入に向けた実証事業を2021年度から開始されました。各問題に対して統計的に難易度を設定し、学力の伸びを継続的に把握することを可能とするIRT技術の導入と、採点・返却の短縮、データ集計の高度化、さらにはペーパーレスによる負担の軽減が期待される「1人1台端末」を活用したテスト方式であるCBTの導入です。こうした技術の活用により、まさに個別最適な学びの提供に向けたデータ収集・分析が可能になり、今後、データに基づいた教育の充実を大いに期待するところであります。
 そこでお伺いいたします。
 府教育委員会におかれましては、現在、実証事業に取り組んでおられますが、実証事業から見えてきた課題やその対応の状況、さらには今後の展望について、教育長の御所見をお聞かせください。
 さて、今回は、学力向上について質問させていただきましたが、コロナ禍を契機とした急速なデジタル社会の進展をはじめ、子どもたちを取り巻く社会環境が目まぐるしく変化する中、学力向上だけにとどまらず、その社会を確かに生き抜いていく力を醸成するという観点も重要です。いわゆる非認知能力の育成です。協調性や忍耐性、創造性など、数値では測りにくい能力を育成すること、私はかねてからこの取組を重視しており、2019年6月定例会の代表質問においてもその必要性を訴えたところであります。
 府教育委員会におかれましては、これまでも積極的に取り組んでいただいているところではありますが、府の実証事業は非認知性の変容を継続的に把握可能であり、非認知能力の育成にも有効とされており、こうした取組を含め新たな時代に対応したさらなる教育の充実をお願いいたします。
 ここで一旦、答弁を求めます。

◯議長(菅谷寛志君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 答弁に入るに先立ちまして一言申し上げます。このたびの台風第14号による記録的な暴風雨と大雨は、九州地方を中心に甚大な被害をもたらしました。不幸にもお亡くなりになられました方々に対し哀悼の意を表しますとともに、心から御冥福をお祈りいたします。また、被災されました方々に対し心からお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。
 それでは、平井議員の御質問にお答えいたします。地域貢献人材の育成についてでございます。
 人生100年時代を見据え、企業だけではなくNPO法人や福祉団体の活動等を通じて地域社会に貢献するなど、いつまでも生きがいを持って社会に関わり続けることのできる共生社会づくりに取り組むことが重要でございます。このため、京都府生涯現役クリエイティブセンターでは、人材確保に課題が出ている地域の安全活動や福祉活動などの分野で、セカンドステージを迎える中高年の方々に活躍していただきたいと考え、地域貢献型リカレント研修を実施してまいりました。
 昨年度は、特に人材不足が顕著な防災、農業や福祉の分野に焦点を当て、災害ボランティアセンターや農業法人、福祉団体などの協力を得て、地域・社会貢献人材や農業人材、福祉人材を育成する3つの研修コースを開講したところ、約200名の方に受講いただきました。その結果、農業人材育成コースでは農業体験を通じ就農意欲を高めて農業法人への正規雇用につながった例や、地域・社会貢献人材育成コースでは、定年後、訪問看護などでの就業や傾聴ボランティアなどを通じた社会貢献を目指す例など新たなチャレンジに結びつく例も出始めております。
 地域社会に貢献できる人材育成に取り組む中で見えてきました課題といたしましては、1つ目には、地域課題の解決に当たるNPO法人や福祉団体などの取組の現状や課題を踏まえたリカレント研修の提供が不十分であること。2つ目には、研修で学んだ知識やスキルがどの程度地域活動の中で生かせるかについて、研修参加者と受入れ側が同一の評価軸を持っていないこと。3つ目には、提供している研修プログラムが総合的、体系的な学び・実践につながっているかの検証が十分でないことが挙げられます。
 このため、今後、農業や福祉、地域の団体などとのネットワークを構築し、知識やスキル、また研修のレベルを客観的に評価・証明する仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。さらに、今年度の前期研修では、座学だけでなく団体が活動する現地に赴き体感する中で、参加者が地域貢献活動について学び、考え、活動する契機につながることを目的とした講座を京都府立大学と連携して提供しており、後期からは、地域課題を解決するビジネス分野での活躍を目指すコースも開講予定でございます。
 引き続き、大学のリカレント教育とも協力してプログラムの充実を図ることにより、地域貢献人材を育成し、社会課題解決に向けた活動を活発化するよう努めてまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 前川教育長。
   〔教育長前川明範君登壇〕

:◯教育長(前川明範君) 平井議員の御質問にお答えいたします。学力向上に向けた教育活動の充実についてでございます。
 府内の小・中学校の学力の状況については、議員御指摘のとおり、今回の全国学力・学習状況調査では、京都市を除く小学校の理科、中学校の数学及び理科が全国平均を下回っているとともに、ここ数年を通じて、横ばいあるいは少しずつ下がっている傾向が見られます。また、教科によって地域ごとに差が見られるなどの課題があり、さらなる対策が必要であると考えております。
 学力向上の取組については、事務の点検・評価報告書にもありますように、効果の上がる学力対策事業について、小学校高学年、中学校1・2年生向けの補充授業といった基礎学力の定着に向けた取組や京都式少人数教育などを進めてきたことにより、全国と比較しても正答率が低い層の割合が少ないという結果につながっているものと捉えております。
 一方で、国語や算数・数学の勉強が好きな児童生徒の割合や数学の公式等を深く理解する児童生徒の割合が低いことなどが課題であり、学力層にかかわらず一人一人の子どもの学力状況に応じて学力も伸ばすとともに、非認知能力を育成する取組を進める必要があると考えております。
 次に、IRT、CBTを導入する学力・学習状況調査についてでありますが、議員御紹介のように、昨年度と今年度にかけて、学力と非認知能力の関係や伸びを把握し、一人一人に応じた学力向上につなげるための実証研究を実施してきたところでございます。実証研究段階ではありますが、例えば自分なりに努力しても学力の伸びにつながっていない児童生徒についても、学習に取り組む姿勢などに要因があるのではないかなど多様な観点から分析し、児童生徒の学び方の工夫につながる支援ができる可能性があると考えております。また、学力が伸びたクラスや教科においてその要因を細かく分析し、他に波及させることで学校全体で有効な指導方法を共有し、日々の指導の効果を上げていくことも可能になるものと考えております。
 一方で、児童生徒一人一人の学力向上につなげるためには、調査後に得られた様々なデータの見方などを教員が理解する必要があり、また具体的にどのような授業の工夫や学級経営が児童生徒の伸びにつながるかといった事例を収集し、各学校に周知していくことが有効であると考えております。
 こうしたことから、この調査を本格的に実施する来年度には、現在実証研究校で行っていますデータを授業改善に生かすための研修を全校を対象に実施するとともに、データを活用して子どもたちの力を伸ばす学校の優れた取組を支援し、共有していくことにより、府内の各小・中学校での効果的な活用を図りたいと考えております。
 府教育委員会といたしましては、子どもたちの学力等のデータと教員の経験や観察に基づく取組の両面から一人一人の学力を伸ばすとともに非認知能力を育成し、誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に伸ばす教育の実現に向けしっかりと取り組んでまいります。

◯議長(菅谷寛志君) 平井斉己議員。
   〔平井斉己君登壇〕

◯平井斉己君 御答弁いただきました。
 まず、生涯現役クリエイティブセンターですけれども、いわゆるリカレント教育、生涯学習、これをリタイアされた方を中心にされていくということで、新たな活躍の場と新たな能力をということは非常にすばらしい着目点だと思います。それを実施していただいているということで、まだ確かに始まったところでありますけれども、これは知事が非常に大きな目標とされているところなのでしっかり進めていただきたいと思います。労働分野であったり産業の部分、そして農林漁業を含めた1次分野との連携をやりたいんだけれどもなかったというところら辺のつなぎを多分こういうセンターでということで、昨年度、200人近い方の受講がされて、せっかく受講された方が行き先がないような部分がないようにだけお気をつけいただきたいということと、授業を私も何回か拝見させていただいたり現場を見させていただくと、みんな生き生きとされている。もちろん、学び直しや働き直しだけではなく、新たな世界あるいは分野に挑戦したいというお声もお聞きしていますので、十分、ここは生かしていただきたいと思います。
 それと教育の分野であります。教育長にお答えいただきましたように、こういった新たなツールを使って、これまで多分教員の方々は自分の結果を研究会なんかに報告して、それを誰かに取りまとめていただいてちょっと時間差で報告を聞いていたのが、こういうタブレットを踏まえたデータで瞬時に解説できるというよさがありますので、これはこれからまだまだ活用の仕方は難しいかも分かりませんけれども、できるだけ早く子どもたちの教育に返していくということで、制度だけではなく、こういうバックアップが必要だということでお願いをしたいと思います。
 今、子どもたちは、書物の教科書とタブレットということで毎日ダブルの荷物を持って朝、出かけているのを見たとき、持たせていただいても重たい、重たいなとかわいそうなぐらいなのですけれども、これはどこかでひょっとしたら集積されているかも分かりませんけれども、こういう意味でのデータ解析を含めてバックアップをお願いしたいと思います。
 それでは、質問を続けさせていただきます。最後に、子どもたちのスポーツ機会の充実についてお伺いいたします。
 「スポーツは世界共通の人類の文化である」、これは2011年度に制定されたスポーツ基本法の前文に書かれた言葉です。また、同じく前文には、「スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養などのために個人または集団で行われる運動競技、その他の身体活動であり、今日、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む上で不可欠のもの」と規定され、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは人々の権利であると明記されています。また、基本理念において、「スポーツは、とりわけ心身の成長の過程にある青少年のスポーツが体力を向上させ、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培う等人格の形成に大きな影響を及ぼすものであり、国民の生涯にわたる健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む基礎となるものであるとの認識の下に、学校、スポーツ団体、家庭及び地域における活動の相互の連携を図りながら推進されなければならない」とされ、青少年のスポーツにおける重要性がうたわれています。
 まさに青少年期のスポーツ体験は、心と体の健全な発育・発達にも大きな影響を与えるとともに、礼儀や協調性、社会性を育むものであり、我々大人は、子どもたちがやりたいスポーツができる環境や機会を確保することに努めなければならないと思います。
 しかしながら、現在においては、少子化により学校の運動部員数の減少や、特にサッカーやバスケットボール、バレーボールなどの団体スポーツにおいては、学校の部活動が困難になる状況も見受けられるなど、今後、さらに少子化が進めば一層活動が困難になるとも想定されています。
 また、多くの教員にとって授業などの校務に加え、部活動指導を行うことが大きな負担となっています。部活動は、休日も含めた指導の長時間労働による身体的負担や、競技・指導経験のない種目を指導しなければならない教員の精神的な負担は大きく、社会問題にもなっており、我が会派の小原議員が代表質問でも、教員の働き方改革と部活動の地域移行についての質疑を行ったところです。
 最近の動きとして、スポーツ庁の有識者会議において、2023年度から2025年度末の3年間で休日の部活動を段階的に地域に移行するとともに、地域移行の体制整備に向け、スポーツ庁の概算要求では、関係者間の連携・調整を行うコーディネーターの設置、経済的に困窮する家庭の保護者・生徒への財政的支援、指導者確保のための都道府県による人材バンクの設置の支援などが要求されています。また、日本中学校体育連盟が、全国中学校体育大会への参加に2023年度から地域スポーツ団体などの参加も承認することを決定するなどの取組も進められています。
 そのような中、京都府においては、西脇知事の肉づけ補正となる本年6月の補正予算で、京のジュニアスポーツアカデミー(仮称)創設調査検討費を計上し、地域の子どもたちが「やりたい」スポーツ環境をつくるため、「京のジュニアスポーツアカデミー」の創設に向けた調査・検討を実施されているところと伺っております。
 子どもたちがスポーツに継続して取り組むことができる機会を確保することは、西脇知事が掲げる「安心・温もり・ゆめ実現」のまさに夢実現につながる取組であり、また地域の子どもたちが「やりたい」スポーツ環境をつくるということは、子どもたちの健やかな成長の一端を担うものであり、知事が一丁目一番地に掲げる「子育て環境日本一」の実現に向けた取組でもあると思います。
 そこでお伺いいたします。
 本年6月補正予算において計上された京のジュニアスポーツアカデミー(仮称)創設調査検討費において、中学校の部活動の実態や地域のスポーツ団体の活動状況などを調査し、調査結果に基づき、地域において子どもたちの「やりたい」スポーツができるような仕組みを検討されるとお聞きしております。調査についてはこれから実施されると思いますが、京都府が現時点において想定されている京のジュニアスポーツアカデミーのイメージはどのようなものでしょうか。
 また、調査を実施することで、子どもたちにとってよりよいものとするためには、中学校の部活動の実態や地域のスポーツ団体の活動状況に加え、子どもたちをはじめ学校や関係団体の意見をしっかり取り入れたものにしなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

◯議長(菅谷寛志君) 浅山文化スポーツ部長。
   〔文化スポーツ部長浅山尚紀君登壇〕

◯文化スポーツ部長(浅山尚紀君) 子どものスポーツ機会の充実についてでございます。
 子どもたちのスポーツ活動は、小学校においては地域でのスポーツ少年団、中学校や高等学校では学校での運動部活動を中心に様々な場面で取り組まれておりますが、少子化によって参加する子どもが年々減少している状況にあります。
 とりわけ中学校のチームスポーツの部活動については、スポーツ庁の調査で2009年度からの40年間で部員数が半減すると推計されており、現時点においても、学校によっては休止・廃止となる部活動があるなど、子どもたちの「やりたい」スポーツと実際にやっているスポーツにギャップが生じている状況となっております。また、部活動による勤務時間の増大に加え、教員が競技経験のない種目を指導せざるを得ないことで専門的な指導が十分に行えてないといった部活動も存在しており、身体面や精神面において教員の大きな負担になっている状況があるなど、様々な課題を抱えている状況にあります。
 こうした現状を踏まえ、府内各地域において子どもたちが「やりたい」スポーツができる環境を将来にわたって持続可能なものとするための新たな仕組みとして、京のジュニアスポーツアカデミー(仮称)の創設を検討しているところでございます。
 現在、6月議会において御議決いただいた予算により、中学校での部活動の実態や地域でのスポーツ団体の活動状況などの調査を進めているところであり、今後、調査結果などを踏まえ、具体的な内容を検討していくこととしております。
 現段階の京のジュニアスポーツアカデミー(仮称)のイメージとしましては、まずはチームスポーツであるサッカーやバスケットボールなどについて専門的な指導者を確保しながら、子どもたちが行うことが困難な地域においてスポーツクラブの創設などを検討しております。今後、具体的な指導者や活動場所の確保、公式大会への参加、子どもたちの送迎、参加費用など多くの課題を整理していく必要がありますが、来年度の創設を目指して取組を進めてまいりたいと考えております。
 また、こうした取組の実施に当たっては、議員御指摘のとおり子どもたちの希望や学校の意向を十分に踏まえていくことが大切であるため、教育委員会とも連携し、学校関係者や関係団体などにヒアリングを行うなど丁寧に取組を進めてまいります。
 今後とも、府教育委員会、市町村、スポーツ団体等と連携しながら、子どもたちが地域において「やりたい」スポーツができる環境の構築に取り組んでまいります。

◯議長(菅谷寛志君) 平井斉己議員。
   〔平井斉己君登壇〕

◯平井斉己君 御答弁ありがとうございます。
 いわゆる学校の部活動というのは確かに、競技の技術を高めるだけではなく、そこで子どもたちの育成を支えるという学校教育の理念とスポーツが合致したものになっていて、子どもたちが多い時代はそれが連携していた。あるいは、教員の数もたくさん確保できたときは、それなりに負担も少なかったと思うんですけれども、現在、子どもたちがどうしても減る少子化の時代には学校で対応できない状況があるところを、スポーツ庁をはじめとして、いわゆる学校教育でない部分に今回着目していただいたことは大切だと思います。
 ただ一方で、当然、地域のスポーツ団体を育てていくということで今あるところと連携をされると思うんですけれども、ここに行く場合には負担がやはり生じることが十分考えられると思います。併せて、学校との連携がどうしても必要かと思いますし、せんだっての小原議員の質問にもありましたように、学校は学校の課題、地域やそれをサポートする周りの体制が必要だと思います。ここはこれからの話ですけれども、非常に重要な取組だと思いますし、子どもたちがスポーツに夢を持って育む社会をつくっていく、それを社会づくりに飛び出すための応援をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)