1 高等技術専門校の人材育成強化について

2 デジタル学習支援センター(仮称)について

3 その他

質疑全文を表示

◯議長(菅谷寛志君) 日程に入ります。日程第1、一般質問を行います。
 まず、岡本和徳議員に発言を許します。岡本和徳議員。
   〔岡本和徳君登壇〕(拍手)

◯岡本和徳君 府民クラブ京都府議会議員団の岡本和徳でございます。質問をさせていただきますので、積極的な答弁をいただけますようによろしくお願いをいたします。
 まず、京都府立高等技術専門校について質問をさせていただきます。
 高等技術専門校に関しましては、平成30年の12月議会における代表質問において取り上げさせていただきました。そのときと今とはほとんど社会的な状況は変わっておらず、現在は大学全入時代と言われ、本府においても、府立・私立を合わせ、さらに浪人して大学へ進学する人も加えると、その進学率は7割を超えております。進学率の高さ自体はいいことですけれども、一方で、大学へ進学した人の中には特に目的意識を持たずに大学へ進学する人が多くいるとお伺いしております。
 また、多くの人たちが、大学卒業後、思っていたところには就職できなかったり、思いとは異なっていたりと、就職後3年以内に離職する人も多く、社会で自分の能力、個性を発揮できていない若い人が多い状況は今も変わりはありませんし、ましてやコロナ禍においては、自分が描いていたような学生生活を送り、就職を探し、夢を追いかけることが困難となっております。
 こうした状況は社会にとっても損失であり、一人一人にとっても自分の個性や能力が発揮できておらず、社会、個人の両方にとっても望んだ結果ではない状態になっていると感じております。若い人が個性と能力を伸ばし、夢の実現に向けて打ち込むことのできる職業教育や専門知識を習得することのできる環境の整備に向けて取組を強化するとともに、そうした若い人たちを受け入れて雇用できる企業の育成と支援をはじめとした社会をつくることは、コロナ禍において以前にも増して重要になっております。
 若い人たちにとって大学進学以外の選択肢が極めて少ないことが大きな問題です。大学を卒業してやりがいを見いだせない人が多い一方で、若いうちに手に職をつけ、国家資格を取得し、技術を生かして、人に頼られ、自分の能力を常に向上させることに取り組む仕事をする人や、技術、資格と経験を持って30代、40代で起業・独立し、自ら経営者となって活躍する人たちもいます。
 高校生をはじめとする若い人たちには、社会にはどんな企業があり、何をつくっているのか、何があるのかということがよく見えておりません。仮に見えていたとしても、自分は何をすればいいのか、どうやったら見えている姿に到達することができるのかということもよく分かっていないのは、今の学校教育では教えてくれないからです。
 私は、著名な起業家をお招きして、大学生を中心とする若い人たちに講演をしていただきました。その参加者の大学生、若い人たちに来た理由を尋ねますと、多くの人たちが「何か力を出したいと思っていますが、どうしたらいいのか分からない。動きたいという思いと衝動はあるのですが、何をやりたいのか、何をやればいいのか、どう取り組めばいいのか分からない」という声や「思い描く理想はあるのですが、出会いがない。その道をどう歩めばいいのか分からない」というような声を多く聞きました。
 私は、最近、本会議や委員会などでベンチャー企業についてお話しすることが多いですが、高校を卒業してすぐにシリコンバレーに渡った人が今や大成功を収めているというような起業家の方ともお知り合いになっています。そうした実業家や投資家の方々が先ほどお話ししたような問題意識をやはり持っておられ、高校在学中もしくは大学在学中に会社を興して上場を目指せるルートをつくり始めた方もおられます。
 また、専門知識を学び、実践してきた技術者は、その分野の専門家とはなりますが、他の分野にはあまり強くないのが通常です。伝統産業を支える焼き物を作り、デザインができ、高度なプログラミングができたとしても、それらを販売するルートも自分で開拓することも求められることが多くなっています。eコマースなどがその例です。身につけた技術で商品を販売しようと思うと、複雑な法律を理解した上で法人登記をし、資金を集め、人材を集め、拠点を確保し、人脈をつくり、販売の交渉を行うといった能力も身につける必要があります。全てを1人で行うことは難しいですが、規模は小さくても最初は1人で始めなければならないことも多くありますし、ネット上で店舗をつくって国内外に販売しようとすると、多かれ少なかれ、そのような取組を技術者自身が進めていく必要がある時代になっております。
 このような時代にあっては、高等技術専門校の生徒にも、専門技術を身につける授業はもちろんですが、自ら販売を開拓する手法を学んだり、eコマースをするためにネット上での店舗オープンから販売の方法を学んだり、実店舗を構えて経営するその手法を学ぶ機会も必ず必要ではないかと思っております。
 大学全入時代を迎え、みんなが大学進学を目指し、保護者も取りあえず大学へ進学させ、大企業へ進ませようという発想が多いようですが、私はこうした社会の風潮には疑問を感じています。この社会の風潮を変えることはなかなか難しいような気はしますけれども、私はこの高等技術専門校には一つ期待をしてみたいというふうに思っております。なぜなら、高等技術専門校は、厚労省、本府では商工労働観光部の所管であり、当然ながら学習指導要領に縛られる必要がなく、若い人たちに技術を身につけさせ、学ぶ機会を与えることができる場所だからです。
 これからの時代は少子化が進みますが、一人一人が生産性を高める技術を持つことも重要です。また、一人一人が志を遂げることができる環境の整備が重要です。我が国では、IT人材、AI人材などは今後数十万人不足し、福祉・介護人材分野も大きく不足することが予想されているにもかかわらず、それに対する手だてと成果がまだまだ顕著ではありません。
 そこで、本府でできることとして、高等技術専門校をさらに社会のニーズに適合した職業訓練校に進化させることで人材不足という大きな社会課題を改善し、若い人たちの夢と希望、志に向けた歩みを支援し、さらには京都、日本の発展に貢献することができるのではないかと感じています。京都府には5つの高等技術専門校がありますが、専門校の魅力を高めるためにもそれらをさらに加速度的に改革し、京都の企業のみならず、東京の大企業にも就職できるようなIT、AI、機械工学、ものづくりの技術などを身につけた人材の育成を図る必要があると感じています。
 そこでお伺いいたします。
 まず、これら専門校の成果と課題をお聞かせください。若い人たちがこれらの高等技術専門校を目指してくれるようになってほしいと思っております。知事の御所見をお聞かせください。
 また、そのためには、多くの企業や事業家、著名な技術者などを集めて連携することなど、専門校と産業界との連携強化が必要だと考えますが、現在の取組状況などをお聞かせください。
 まずはここまでお願いいたします。

◯議長(菅谷寛志君) 西脇知事。
   〔知事西脇隆俊君登壇〕

◯知事(西脇隆俊君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
 府立高等技術専門校における人材育成についてでございます。
 専修学校、各種学校などの職業訓練機関が充実していることを踏まえ、府立高等技術専門校は、訓練設備が高額で民間では対応しにくいものづくりの現場で活躍する人材育成を中心にしながら、女性や障害者の訓練にも力を入れ、共生社会を実現することを目標に職業訓練を行っております。
 府内に設置いたしました5校の専門校につきましては、京都校は、NC旋盤やマシニングセンターなど、各種の機械設備を活用したものづくり現場で活躍できる実践的な技術訓練。陶工校は、京焼、清水焼の業界が必要とする高度で創造力ある職人を養成するため、他業種の専門家とも協同した訓練。福知山校は、府北部地域の若者が地域で就業していただけるよう、自動車整備やものづくり系の訓練。障害者校及び城陽校は、障害を持つ方に職場適応力と社会参加に必要な基礎訓練をそれぞれ実施しているところでございます。
 各校での訓練内容については、ものづくり現場で求められる技術や技能の変化に対応するため、産学官の専門家で構成される産業人材育成委員会の御意見もいただきながら、おおむね5年のスパンで見直しを行い、充実に努めております。
 具体的には、これまで男性の職場と捉えられがちであったものづくり業界でも、技術革新により、女性にも進出しやすい環境が整ってきております。そのため、平成29年度からものづくりの現場のCADオペレーター等で活躍できる「プロダクトマネージメント科」を京都校に設置したところ、令和3年度には入校生の9割以上が女性となっております。
 また、新たに障害者の方の就業を促進するため、今年度から障害者校にITや機械等のものづくり系の訓練科を3科設置したところ、応募率は1.1倍を超える結果となっております。加えまして、訓練生のモチベーションを向上させるとともに実践的な訓練を行っていることをアピールするため、ETロボコンの大会や障害者技能競技大会等に参加し、入賞や全国優勝などの成果を上げております。訓練生からは「今後の目標を明確にすることができた」などの声も聞いております。
 就労支援については、訓練生一人一人が希望や適性に応じた就職ができるよう、就職支援員を配置して入校時から伴走支援を行い、修了生の就職率は85%を超えております。就職先は府内の中小企業が中心ですが、中には上場企業へ就職している訓練生も出ており、採用企業からは、訓練生の専門性や、自ら考え行動できる姿勢を評価いただき、継続して求人をいただく企業もございます。
 一方で、人手不足が深刻化する中で企業側の採用ニーズは高いものの、応募者の減少により、定員充足ができない訓練科も出てきております。高校や訓練生にヒアリングを行いましたところ、主な原因として、新規学卒者や保護者、進路指導の教員の方に対して専門校の強みや魅力、就職実績等を十分に伝え切れていないということが分かったため、広報の強化に取り組んでおります。平成30年度から、進路を決める前の高校1・2年生を対象に保護者同伴の職業訓練体験会を実施し、手に職をつけることの強みや、やりがい、ものづくりの面白さ、企業での活躍の状況などを直接伝えております。さらに今年度からは、若い方に見ていただけるよう、PR動画を制作し、YouTubeで公開するなどの取組を始めました。これらの取組により、高校生や保護者の専門校に対する理解が進み、応募者が増加した科目もあることから、活動をさらに拡充してまいりたいと考えております。
 今後とも、時代に応じ、訓練内容を充実させるとともに、情報発信に努め、訓練校で学ぶことが若者の夢と希望の実現につながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

◯議長(菅谷寛志君) 鈴木企画理事兼商工労働観光部長。
   〔企画理事兼商工労働観光部長鈴木一弥君登壇〕

◯企画理事兼商工労働観光部長(鈴木一弥君) 府立高等技術専門校における産業界と連携した人材育成についてでございます。
 現在の製造現場では、単に指示されたものを作るだけでなく、消費者や利用者のニーズに合ったものづくりができる人材が求められております。
 京都には多彩で特色ある企業が多く、専門校の取組にも協力的で、訓練生が現場の実態を学ぶ環境に恵まれております。企業や現場の技術者のお話を直接伺ったり、交流や体験の機会などを通じて、最新の技術、販売の手法や商品開発など、現在学んでいる訓練内容が企業の場でどのように活用できるかを現地・現場で学んでいただいております。
 具体的には、京都校の機械加工システム科では、先進的企業を訪問し、最新の工作機器を活用し、高度なものづくりを学習。陶工校では、若手料理人の方との共同企画で京料理が映える器の新商品開発を学習。福知山校の自動車整備科では、企業の技術者から、クリーンエンジンなど、環境に配慮した技術を学習。障害者校の総合実務科では、コスメ・アパレル企業等のマナー講師から実社会で必要となる身だしなみや着こなし術について学習するなどの取組を行っております。
 訓練生からは「利用者の立場を考えることで、ものづくりに対する新しい視点が加わった」「日頃の訓練がどのような場面で生かせるのかが理解できた」という声があり、将来の仕事に役立つ実践力を学ぶとともに、企業サイドの訓練校理解にもつながっております。
 今後とも、訓練生が現場の実践力を身につける機会を増やし、将来の即戦力人材となるよう、産業界と連携をし、企業ニーズを踏まえた人材育成を図ることができるよう、努めてまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 岡本和徳議員。
   〔岡本和徳君登壇〕

◯岡本和徳君 御答弁、どうもありがとうございました。
 高等技術専門校は、お伝えいただきましたように、特に今回は女性の方々に対するプロダクトマネージメント科ですか、90%以上が女性ということで、時代の変化に合わせて学科の再編も見直していただいているということでよく分かりました。5年で見直しをしてやっているということですので、そうした技術の変化にしっかりと対応していただいて、時代の変化にも対応していただけるようにお願いさせていただきます。またもう少し後でお話をしていきたいと思いますが、次の質問に移らせていただきます。
 次に、デジタル学習支援センター(仮称)ですけれども、この設置について教育委員会にお尋ねをいたします。
 コロナ禍は私たちの生活様式に大きな変化をもたらし、また、教育、子どもたちの学習面においても大きな変化をもたらしています。学校ではICT環境の整備が全国的に急速に進捗し、小中学校においては、国のGIGAスクール構想の下、国庫補助を活用した児童生徒一人一人の情報端末の整備が進められ、府内の小中学校では2020年度末にその配備が完了し、今年度から配備された情報端末を活用した授業ができるようになりました。
 その一方で、この学校現場におけるICT環境の急速な整備により、ICTの活用にたけた教員が不足しており、うまくICTを使いこなすことのできる教員が在籍している学校は少ない状況にあります。ICTをうまく使いこなすことのできる教員がいる学校では、このような教員の指導の下、様々な活用がなされているとお伺いしますが、そうではない学校では、せっかく整備された端末を有効に活用することができず、従来の授業の延長線上での利用しかできていないということをお伺いしております。こうしたICTを有効に活用できる教職員の技量の向上、人材育成が急務であると考えます。
 府立の高校においては、全ての府立高校で2022年度から自費購入方式によるタブレット端末を活用した新たな教育活動が開始されます。端末の購入費を各家庭が負担することから、特に府立高校ではどの学校においてもICTを十分に活用した教育活動を展開する必要が、小中学校以上に求められているものと感じています。
 そこで教育長にお伺いいたします。
 府立学校をはじめ、府内の学校でICTの環境整備が進む中、学校現場におけるICTの利活用状況などに対する現状をどのように認識しておられるでしょうか。お聞かせください。
 また、この1年間、小中学校や一部の府立高校においてもICTを活用した教育活動を展開されてきましたが、これまでの経験の中でどのような課題が見えてきたでしょうか。
 さらには、ICT活用のための教員の技量の向上を今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
 今後の教育現場では、デジタル教科書や教材をはじめとしたデジタルコンテンツの活用がますます進められることとなります。今回のようなコロナ禍をはじめ、災害などが発生し、長期間子どもたちの学習の機会が失われるようなことがあったり、将来の夢、進路に影響するようなことがあったりしてはなりません。非常事態時であっても子どもたちの学びと将来の夢への歩みを止めることのない仕組みの構築が必要だと感じています。ICTを活用することで学校内外や海外とつながること、例えば東京で行われる授業のライブ配信なども容易となり、不登校の児童生徒たちに対する学習機会の確保、予習・復習や受験対策など、様々な可能性を秘めているものですが、そうしたニーズに応えるコンテンツを充実させることが重要です。さらには、ICTの活用で、保護者と教員の連絡方法などを含めて、教育、子どもたちへの関わり方も変化してくることが想定されます。このような観点からも、今後の教育現場におけるICTの利活用は極めて重要で、注目をしているところでございます。
 こうした中、昨年3月に策定された第2期京都府教育振興プランにおいては、仮称ですが、デジタルコンテンツセンターを設置し、日々の授業で主体的、対話的で深い学びを効果的に実施するためのコンテンツの発信、遠隔授業へのライブ配信、不登校児童生徒などに対する学習保障など、デジタル教材の充実に取り組むと記載されているとともに、本定例会で提案されている令和4年度の当初予算においてもデジタル学習支援センター(仮称)の設置に係る予算が計上されています。
 そこでお伺いいたします。
 デジタル学習支援センターの創設について、その狙いや内容はどのようなものとなるのでしょうか。お聞かせください。

◯議長(菅谷寛志君) 橋本教育長。
   〔教育長橋本幸三君登壇〕

◯教育長(橋本幸三君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
 ICTを活用した教育と学習支援についてでありますが、コロナ禍の対応や国のGIGAスクール構想の前倒しにより、学校におけるICT活用が急速に進展してきております。
 議員御紹介のとおり、今年度から1人1台端末を活用している小中学校や、4月からのスタートに向け先行導入をしている府立高校5校では、児童生徒がタブレット端末をノートとして活用したり、自ら学びに向かう姿勢や意欲の向上も見られるところであります。また、生徒間のグループワークやプレゼンテーションなど、協働的な学びの場面が増えたといった成果や、「生徒からの提出物の確認が便利になり、時間が有効に活用できるようになった」「指導方法に幅ができた」などの教員の声を聞いております。
 一方で、教材をデジタル化することへの負担感やその活用方法の習得、端末や通信トラブル発生時の対応、児童生徒の情報モラルの醸成や目の健康への懸念など、学校現場での運用上の課題も見られるところであります。また、小学校から高校までをつないだ学びの連続性の在り方や、ICT利活用による学力向上や定着状況の検証、働き方改革にもつながるICT利活用など、府教育委員会としても先を見通して取り組むべき課題も多くあると認識しております。さらに、教員のICT活用指導力の向上についても、リーダー教員の育成研修や端末操作の説明動画の配信、校内研修の充実など、これまでの取組も踏まえ、学習支援と一体的に教員の資質能力やスキルの向上を図っていくことが急務であると考えております。
 そうしたことから、これらの課題に速やかに対応するため、ICTを活用した学習支援と人材育成を一元的に行う、仮称ではございますが、デジタル学習支援センターをこの4月に総合教育センター内に創設し、取組の充実を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、この学習支援センター内に設置する配信スタジオを活用した遠隔授業やデジタル教材の配信、緊急時にも活用できる補習用動画教材の作成などを計画しております。また、大学や企業などとも連携して、教育ビッグデータの分析に加え、ICT活用効果の検証や研究を行うとともに、その内容を教員研修に取り入れるなど、総合教育センターの研究・研修機能も生かしながら、人材育成を充実させてまいりたいと考えております。
 府教育委員会といたしましては、この学習支援センターの取組を通じ、ICT教育を先導的に進め、子どもたちの個別最適な学びと協働的な学びの実現に向け、デジタル学習の充実に精力的に取り組んでまいりたいと考えております。

◯議長(菅谷寛志君) 岡本和徳議員。
   〔岡本和徳君登壇〕

◯岡本和徳君 御答弁どうもありがとうございます。
 まず、教育に関する、もしくは子育て、人材育成についてのお話をさせていただくときにいつも私の念頭にあるのが、人口減少、少子高齢化という時代の中にあって、北岡議員も代表質問でお話しいただきましたけれども、消費が減って生産人口も減っていくようなこの時代において、特に近年ですと、外国人労働者を当てにしようというような動きもありましたが、コロナ禍で外国人労働者も当てにできなくなった状況です。そもそも私は、外国人労働者に頼るのではなくて、京都の子どもたちをしっかりと育てることで未来に備えないといけないというように以前の議会でも発言をさせていただいております。人材不足の中ではアイデアも生まれてこないわけでございますし、アイデアが生まれないということは技術革新につながるような発想も当然生まれなくて、技術革新そのものもなかなか生まれないというような状況になりかねません。そういう状況でありますと、国の底力といいますか、国力が下がってしまうということにつながってしまいますので、そこを何とかしないといけないなということを常に思いながら、こういった人材育成、教育のお話をさせていただいております。
 この京都で、京都府議会で何ができるのかなというふうに考えますと、やっぱり府立高校と高等技術専門校などの人材育成が非常に重要なのかなというふうに思っております。当然ここには子育て支援にもつながっていくわけでございますし、若い人を中心に、豊かな生活、若い人の夢や志を実現できるような社会をつくり上げていくことが京都の発展、日本の発展につながっていくんだろうというふうに思っております。
 先ほどの話に少し戻りますけれども、高等技術専門校では非常に民間ではできないような高額な設備とか技術も習得できるというようなお話がありましたけれども、反対に府立高校のほうでは、30年前とか40年前の技術というか機械を使いながらまだ授業を受けているというようなことも聞いております。先日、綾部高校の話があって、スポーツ科でも雨漏りがして、スポーツの専門科だけれども、なかなか難しいというような話もありました。非常に財政状況が厳しい中で、企業との連携も必要だというようなお話がありますけれども、そういう取組を進めていただくことで何とか府立高校のほうも乗り切っていただきたいと思いますし、予算もしっかりとつけていただく必要があるのではないかなというふうに思っております。
 また、「府民躍動 雇用応援★夢プラン」というのがありまして、そこに高技専についての記載があります。ちょっと紹介をいたしますと、「京都産業の人材育成の先導的役割を担うに相応しい機能の充実」、もう一つが「企業や団体等からのニーズに応じたオーダーメイド型の在職者向け訓練を実施」というふうに書いてあります。
 御承知のように、IT技術者とか保育、看護、介護士さん、こういう福祉人材の不足というのはこれから大きな課題になるというふうに思っておりますし、この分野のニーズというのが非常に大きいわけでございます。先ほど申しました「先導的役割」とか「ニーズに応じた」というキーワードがありましたけれども、こういう人材が今後必要になってくるということが明確なわけですから、そこはぜひ力を入れていただきたいなというふうに思っております。民業を圧迫しないようにというのが大前提にはなりますけれども、明らかに人材が足りないというような時代ですし、IT技術者であれば、民間の学校なんかはまさに最先端の授業をするところもありますけれども、そこまではできないにしても、京都府行政で何とかそういう人材を育てる取組というのはできるんじゃないかなというふうに思っております。
 学習支援センターについてですけれども、タブレットは配置をされていくわけですけれども、タブレットだけではなくて、やっぱり授業の、例えば画面がうまく切り替わらないとか先生の声が聞こえないとか、そういうことがあってはいけないというふうに思います。使っておられる公立小学校・中学校の保護者さんのお話を聞きますと、やっぱり黒板の右のほうが見えないとか先生の声が聞こえないというような話がありますけれども、私学に通っているお母さん方の話を聞くと、非常にスムーズで、小学校1年生ぐらいでもずっと授業中座って先生の話に集中しながら聞いているということも聞いておりますので、当然工夫も必要ですけれども、そういうICTの活用もしっかりと研究をして進めていただきたいというふうに思っております。
 ちょっと時間がなくなりましたけれども、先ほどお話をさせていただきましたとおり、「教育は国家百年の大計」という言葉を私もいつも言わせていただきますけれども、京都の場合は伝統産業を守って技術革新をもたらすことで京都の発展につながるというふうに思っております。一人一人が活躍できる社会、そして子どもたち、孫たちの世代が夢や志を実現できるような京都をつくっていきたいというふうに思っております。
 知事はまた選挙を迎えられるわけですけれども、4月以降、ぜひお戻りをいただいて、その後はまた今日お話ししたようなところにも取組を強くしていただきたいというふうに思っておりますし、予算のお話もしましたけれども、予算もしっかりとつけていただいた上で、制度、仕組みをつくり上げていってほしいなというふうに思っております。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)