1 産業振興に向けた企業誘致の取組について
2 親亡き後の障害者支援について
3 京都の観光施策について
4 その他
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◯議長(荒巻隆三君) 次に、増田大輔議員に発言を許可します。増田大輔議員。
〔増田大輔君登壇〕(拍手)
◯増田大輔君 府民クラブ京都府議会議員団の増田大輔でございます。代表質問をさせていただきますので、知事の御答弁をよろしくお願いをいたします。
まず、今回の補正予算案についてです。
今年の夏は、京都市内で平均気温が観測史上最高となり、厳しい渇水も発生する中、農作物の品質や収量の維持に農業者の皆さんは大変な苦労をされておられます。今後もこうした傾向が続くことが想定される中、農業者の渇水対策や高温対策への支援が盛り込まれています。また、春闘における賃上げ、最低賃金の引上げが高水準となる中、中小企業の賃上げを実現することが非常に重要でありますが、実際に賃上げを行う中小企業を後押しする経営基盤強化推進事業や、高校生の教育負担軽減やツキノワグマ被害の未然防止に関する予算など、現下の状況に的確に対応したものとなっており、会派を代表して高く評価いたします。
それでは、質問に入らせていただきます。
産業振興に関しての企業誘致の取組について、特に(仮称)京都半導体バレー構想などについて質問をさせていただきます。
西脇知事と松井京都市長は、これまでに複数回に及び府市トップミーティングを開催されており、これまでにも様々な京都の課題について話をされてきました。さらには、府市トップミーティングで取り上げた課題については、その実現に向けてスピード感を持って取り組まれ、予算も措置されるなど、非常に充実した話合いの場になっていると思います。
そのような中で、昨年度の府市トップミーティングで話し合われました京都の半導体産業の強みを生かした振興については、(仮称)京都半導体バレー構想が発表されるとともに、今年度の当初予算でも京都次世代半導体産業推進事業費が計上され、現在、その取組に向けて動き出しているという状況にあると思います。
今年度予算の京都次世代半導体産業推進事業費については、内容を見させていただきますと、金額としまして1,500万円の予算がついておりますが、その内容は「企業や大学、ベンチャーキャピタルなどが集まり、新技術や製品を生み出すエリアを目指す」として掲げられておりますが、ポイントを見ましても、京都企業のビジネス機会の拡大、国内外へのプレゼンス強化。具体的には、半導体関係者が最も多く入会する国際学会での半導体関連のシンポジウムと連動した京都企業セッションの実施に加え、「SEMICON(セミコン) Taiwan」への京都パビリオンの初出展や産官学による構想推進体制の構築と、いわゆるイベントへの参加やソフト面での対策への推進事業費になっております。今後の発展を見据え、さらなる具体的な企業の振興や企業誘致、半導体関連業者とのマッチング、その発展の上での雇用の創出や企業への体制補助などに進化させていただければと期待するところです。
そのような中で、この事業と連動するであろう(仮称)京都半導体バレー構想の基礎調査結果の概要については、骨格案として、「想定するエリア」「実現したい未来像」「半導体産業で京都が世界トップを目指す重点分野」「『(仮称)京都半導体バレー』実現のための課題と対応」と、主に4つの視点から挙げられておりました。
エリアに関しては、京都市から関西文化学術研究都市までの府南部を半導体バレー構想の中心エリアとされていますが、府の中北部地域についても既に半導体関連企業が立地しており、発展エリアとして位置づけることとされています。
実現したい未来像として、「産業のコメ」と言われる半導体は、デジタル社会が進展する中で、情報などの社会基盤を支えるとともに、スマホや家電、ゲームなど、身近な分野から農業などに至るまで幅広い産業を支えています。そのような中、京都には、半導体の素材研究を担う大学や研究機関に加え、半導体デザイン・設計、生産、商品開発や実装を担う世界的な企業や中小企業など、多様な産業が立地しており、さらに多様な産業が集まる半導体エコシステムを構築し、シリコンバレーのように国内外から京都を舞台に飛躍したい企業・人材が集まるエリアとして成長することを目指すとされているところです。
半導体産業で京都が世界トップを目指す重点分野については、半導体産業が極めて多様なことに加え、技術革新や産業構造が変化するスピードが速く、世界に伍して競争力の高い集積エリアを構築するためには京都企業が戦略的に取り組んできたグローバルニッチ戦略を採用することが妥当と考え、「エネルギーを効率的に利用できることから地球環境問題の解決に大きな期待がされているシリコンカーバイドや、その次の世代の材料のパワー半導体分野」「京都が高い競争力を持つ計測分野」「次世代通信技術などの多様な分野に活用が期待される光半導体分野」「AI市場が拡大する中で京都の特色が生かせるエッジ型のAIチップなどのAI半導体分野」、そのほかにも「設計などのメーカー分野」「次世代ものづくり産業」「IT関連の中小企業群」などが重点として挙げられています。
その「(仮称)京都半導体バレー」実現のための課題と対応に関しては、この構想の実現のために、10年単位の時間軸で事業を積み重ねると同時に、急速に進む技術革新やマーケット変化に迅速に対応する必要があるとされています。
課題には、「シリコンカーバイドには、商業化への道筋までには数十年以上の期間を要し、そのため、特に材料開発には息の長い研究時間を支えるための資金を国内外から確保する必要があること」「世界的に競争が激しい分野のため、産業の動向を把握するための情報発信・収集に注力すること」「それらを支える人材の育成と確保を図るために、留学生を増加させるとともに、スタートアップエコシステムで構築した国内外のクリエイティブ人材が京都に定着するためのシステムの進化を図る必要があること」「多様な半導体産業が求める立地ニーズに対応した『環境』に対するビジネスエリアの確保が必要であり、特に大規模施設の立地場所は確保に時間を要するため、早期に準備する必要があること」「国際会議の開催や国際スタートアップ・カンファレンス(IVS)を中心として国内外からスタートアップ企業や企業投資関係者が集まるイベントに加え、半導体関連企業の表彰制度、研究会まで、様々な事業が京都で実施されているが、シリコンバレーのような有機的なエコシステムにするため、府内にある人材や情報をつなぐシステムを構築する必要があること」「激しい世界競争も視野に戦略的に取組を進め、産学官で構成する『オール京都体制』の構築を図る必要があること」などが挙げられています。
府内のエリアイメージとしては、「半導体の研究、デザイン」に関しては多くの大学群である京都市内地域、EVや自動運転向け半導体にはZET-valley(ゼットバレー)の向日市、ロボット向け半導体についてはけいはんな地域と、半導体バレーエリアとしてより具体的な構想イメージがありますが、今後、発展エリアとして京都府域全体への波及をどのようにしていくかという課題もあるかと思います。
そこでお伺いをいたします。
まず、この(仮称)京都半導体バレー構想に込めた西脇知事の思いをお聞かせください。
次に、9月10日から12日に開催された、アジアでは最大級の半導体総合展示会「SEMICON(セミコン)Taiwan 2025」には、今年度の京都次世代半導体産業推進事業により、京都パビリオンが設置されました。この展示会には、世界中の主要な半導体企業が集結され、海外への販路開拓やビジネスマッチングを目指して京都の企業も複数社出展をされました。このような機会も非常にチャンスの場と思いますので、ぜひとも京都半導体産業の魅力の発信に引き続き尽力していただければと思います。
一方で、京都府内全域へのさらなる活性化に向けて企業誘致は欠かせない手段の一つであると思いますが、この(仮称)京都半導体バレー構想には企業の誘致は具体的に示されておりません。私は、企業誘致や企業の立地こそが雇用を生み、定住を加速させる方策であると考えていますが、具体的な企業誘致の方策について知事のお考えをお聞かせください。また、この構想の実現に向けての今後の方策についてもお聞かせをください。
まずはここまでの御答弁をよろしくお願いいたします
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 増田議員の御質問にお答えいたします。
増田議員におかれましては、ただいまは会派を代表されまして、今回の補正予算案に対しまして高い評価をいただき、厚く御礼を申し上げます。
半導体産業振興の構想骨格案に込めた思いについてでございます。
近年、Chat(チャット)GPTなどの生成AIをはじめとするAI技術の急速な進展により、AI化のキーデバイスである半導体の性能が飛躍的に向上するとともに、活用についても大きく変化をしております。例えば、AIの学習や利活用のためには多くのデータや計算資源を要することから、半導体はより大量のデータを扱うことに適した設計が求められるようになっております。また、クラウドではなく、端末内でAIの処理ができるエッジ型のAI半導体チップの開発が進み、身近な家電製品などにも搭載できるようになるなど、半導体の活用に関してこれまでとは異なる発想が必要になっております。
京都には、半導体製造装置のトップシェア企業をはじめ、半導体関連の世界的な企業や、これを支える中小企業が集積するとともに、半導体関連のスタートアップ企業も誕生しております。AI化が進展し、半導体の性能や使途がこれまでとは異なるステージに移る中、京都の企業が時代の変化に対応して活躍し続けられる方策が必要ではないかと考え、府市トップミーティングにおきまして半導体産業振興の構想骨格案を発表いたしました。
需要が高まるデータセンターには、大量の電力を使用するため、省電力化が課題となっておりますが、かつて京都が産学公連携により商業化の道筋をつけた、シリコンカーバイドを用いた高性能なパワー半導体や、京都の企業や大学で最先端の研究が進む光半導体がその省力化に大きく貢献することができると考えております。また、中小企業やスタートアップ企業が自社製品の性能をさらに向上させるためには製品へのAIの導入が必要となってきており、エッジ型のAI半導体の活用が重要なポイントとなっております。パワー半導体、光半導体、AI半導体の3つを重点分野とし、産学公の連携によるエコシステムを構築してAI時代におきましても京都の中小企業やスタートアップ企業が活躍できるようにしたいと考え、本骨格案を策定したものでございます。
次に、半導体関連企業の誘致についてでございます。
半導体の性能が飛躍的に向上する中で、研究開発に当たって解決すべき課題も複雑になっており、単独の企業では解決が困難な状況となってきております。最近では、京都の半導体関連企業や大学等の研究機関との連携を求めて京都に進出される企業が出てきており、例えば、今年6月に世界的な半導体メーカーの研究所が京都リサーチパークに開設されました。同社は、半導体製造現場において課題となっている不良品率の改善をソフトウエア設計の面から取り組んでいたところ、京都の半導体製造装置メーカーと協業すれば、ソフト面のみならず、ハードと一体となった技術開発ができるのではないかと考え、進出されたものでございます。また、制御技術を活用した新しいパワーエレクトロニクスの開発をしているスタートアップ企業が、世界的に競争力の高い京都の半導体関連企業や研究機関との協業を期待し、アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都に立地した例もございます。
こうした協業を求めての京都への進出は、進出した企業、協業する京都の企業、双方にとって技術の向上などにつながり、半導体エコシステムの構築に大きく寄与するものと考えております。今後、京都の半導体関連企業の強みや大学等の研究機関で進められている最先端研究に関する情報を国内外に発信いたしますとともに、府内企業と国内外の企業との交流の場づくりによる協業の促進を図ることで京都への企業誘致を進めていきたいと考えております。
次に、今後の方策についてでございます。
今年度、京都府・京都市の協調に予算を計上し、国際的な展示会への出展やフォーラムの開催等により、国内外の企業とのビジネスマッチングを進めますとともに、産学公の半導体の関係者が京都で交流する場づくりに取り組んでおります。
ビジネスマッチングにつきましては、TSMCを中心に、世界の半導体産業をリードする台湾の動向を的確に把握し、京都の半導体関連企業との交流を進めることが国際競争力の強化につながると考え、去る5月に私自身が、台湾の公的研究機関であり、TSMCの生みの親である工業技術研究院、通称ITRI(イトリ)を訪問いたしました。ITRI(イトリ)では、私から府市の半導体産業振興の取組について説明し、府市で開催するフォーラムへの参画をお願いするとともに、京都企業と台湾企業の技術交流や人材育成での連携について意見交換を行いました。その結果、京都で6月に開催したフォーラムにITRI(イトリ)の胡(フー)副院長に参加いただき、光電融合技術をリードするNTT株式会社、世界的な半導体技術開発を進める研究機関imec(アイメック)、大阪大学の菅沼名誉教授とともにトークセッションを行うことができました。胡(フー)副院長からは、科学技術の基盤を持つ日本と先端半導体技術を持つ台湾との連携の可能性やITRI(イトリ)での人材育成の取組について御発言があったところでございます。
先週、台湾で行われた半導体の国際展示会には、副院長の御発言を踏まえて、計測や搬送機部品加工など、世界的な科学技術を持つ京都企業数社とともに出展したところであり、引き続き台湾企業とのビジネスマッチングを支援していきたいと考えております。
京都で交流する場づくりにつきましては、広く国内外の研究者や企業関係者をお招きいたしますとともに、府内の中小企業の方々も気軽に参加できる機会を提供することにより、オープンイノベーションが生まれる場をつくることが必要だと考え、「サロン」を開催しております。今年度、既に3回開催しており、延べ60社の100名を超える方々に参加いただいたところでございます。今後は、ITRI(イトリ)をはじめ、世界最先端の研究機関等にも参加をいただき、企業が半導体材料の研究や加工技術に関する最先端の情報を入手することができ、交流から新たな研究プロジェクトを生み出せる場に発展させていきたいと考えております。
さらに、国の補助金の採択を受け、半導体人材育成に取り組む京都大学や京都工芸繊維大学と連携するなど、重点分野を支える半導体人材の育成についての検討も進め、AI時代におきましても京都の企業が半導体の分野で活躍できるよう、産学公で連携して取り組んでまいりたいと考えております
◯議長(荒巻隆三君) 増田大輔議員。
〔増田大輔君登壇〕
◯増田大輔君 西脇知事、御答弁をいただき、ありがとうございました。大変心強い御答弁だったというふうに思います。さらには知事の思いも聞かせていただきまして、ありがとうございました。
デジタル社会がさらなる進化をしていく中で、これからの半導体産業は世界的にもますます競争が激しくなってくると思います。「現代の石油」「産業のコメ」と言われている半導体は、重要物資として取扱いをされています。京都は、日本において特に半導体に強い都道府県になっていってほしいと期待をしていますし、今、知事からのお話にもあったように、そのポテンシャルがあると思います。そのためにもこの(仮称)京都半導体バレー構想のさらなる発展に大きく期待をしています。
昨年6月定例会での本会議の代表質問で私も触れさせていただきましたけれども、直接見に行かせていただいた熊本県のTSMC、また半導体関連の事業、そのほかにも北海道などは半導体企業の誘致で成果を上げられ、地域の発展や人口増加につなげているという事例もあります。多文化共生の部分も多くありますから共存共栄の部分で様々に行政との御協力が必要な部分もあると思いますけれども、京都もそれを参考にまた引き続き御尽力をしていただきたいというふうに思いますし、国のほうも半導体関連企業の立地には規制緩和をプロジェクトとされております。また、企業との接触もあるということでありますから企業誘致にも大変期待しておりますし、知事も台湾に行かれて様々に動いていただいているということで心強いことでございます。この半導体バレー構想で京都の半導体産業の強みを生かした取組を今後とも様々に推進していただきますようによろしくお願いをしたいと思います。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
親亡き後の障害者支援について、特に重度知的障害者支援の観点から質問させていただきます。
私は、障害者支援施設や障害者グループホームなど、様々な事業所を見学し、運営されている事業者や御家族の方々と意見交換をさせていただきました。府内の事業所のみならず、危機管理・健康福祉常任委員会での先日の管外調査においても、佐賀県での障害者グループホームの取組状況などを聞かせていただきました。その中で、重度知的障害のあるお子様がおられる御両親が年老いて介助・介護ができなくなった場合や、御両親がお亡くなりになった場合、「この子はどうやって生活をしていくのか」という内容の話を多く聞かせていただきました。
そんな中、現状の具体的な数字で申し上げますと、令和4年度末現在のデータにはなりますが、京都府内では知的障害の方々が2万9,898人おられ、その中に常に誰かの介助・介護が必要な重度知的障害者(療育手帳A判定)の方々が1万133人おられます。そのうち、京都市内の方は5,133名おられます。こうした方々が自宅で暮らしておられる場合、御家族の介助や介護の負担は非常に大きくなっています。
国においては、障害のある方などの希望する生活を実現するため、地域生活の支援体制の充実を進めています。障害者の皆さんの介護をされておられる方々、特に御両親が亡くなられた場合の親亡き後の生活などを見据えた相談から、障害者の方々の生活を地域全体で支えるサービス提供体制を構築することが非常に重要な役割となります。
各市町村の障害福祉計画では、障害の種別や程度が一くくりになって重度知的障害者の方や他の障害者の方への支援体制の違いが見えづらくなっており、重度知的障害者の方々など「助けて」とSOSを出せない方々の声を見逃さないような支援体制を考えなければなりません。このSOSを出せない方々の中には、その御家族からのいわゆるレスパイトケアされていない、できない方々などの声なき声も含みますが、目の前で「大丈夫」と言っていても実際には精神的に疲弊し切っているという御家族の方々を把握できるようにするということも大切であると思います。
このような御家族の状況を考えれば、特に親亡き後の重度知的障害者支援についてはどのように支えていくのかが大きな課題であり、スピードを上げて親亡き後の支援体制の強化を進めていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
また、親亡き後の生活において安心して暮らすことのできる住まいの確保が重要です。
京都府内では、近年、障害者グループホームは増加傾向にありますが、療育手帳A判定をお持ちの方々の重度知的障害者向けのグループホームがかなり少ないのが現状と聞いています。一番の大事なところであるのは、重度知的障害があり、常に誰かの介護・介助が必要な方々のケアではないでしょうか。その方々が地域で生活でき、入居できるグループホームの整備、既存の事業所の活用など、優先順位を持って進めていくことが非常に重要と考えます。
また、重度知的障害のある方々の大半は、生活介護など、おおむね決まった事業所などを利用されていると思われます。事業所は障害者の方々の特性を理解されており、また障害者の方々は慣れた環境や職員からのサービスを受けることができる利点がございます。例えば、その事業所に国の社会福祉施設等施設整備費国庫補助金を利用していただき、24時間常に職員がいる重度知的障害者向けのグループホームの設置、またレスパイトケアの視点からのショートステイの設置も働きかけ、関係各所が連携をして受入れ体制を確保することができれば安心して生活ができると思います。もちろん、障害者虐待などが起こらないように福祉サービスの質の向上も重要です。
このような点も含めて、施設整備の促進のためには本府の事業である社会福祉施設等施設整備費国庫補助金の活用の推進も大事だと思います。この事業の目的は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための障害者総合支援法などの規定に基づく施設などの整備に要する費用の一部を補助することにより、入所者の福祉の向上を図ることを目的とする」とあるように、現下の課題を直接支えられる制度と思いますので、この補助金の活用を促し、府内にもたくさんの受入れ体制が整えられるよう、施設整備を推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
その一方で、事業所を運営していく上で重要となる経営面における収益や担い手確保などが課題であると感じています。さらに重要なのは報酬単価でして、介護内容に応じた報酬単価の設定が必要であると感じています。重度知的障害者の方が入所できるグループホームの数をさらに府内に増やしていく上で、経営者側の観点からの担い手対策や採算性の確保のためにも、施設の充実に対してはどのような支援体制をお考えでしょうか。お聞かせください。
それでは、最後の質問に入らせていただきます。
京都の観光施策について観光分散の観点から質問させていただきます。
特に京都市内に関しては、御存じのとおり、一部の観光名所でオーバーツーリズムの問題を抱えており、地元の方々の日常生活に支障を来すほどの状態にある箇所も見受けられます。一方で、京都府内一円に目を向けますと、観光客を誘客している地域であっても受入れに余力のある地域やもっと多くの観光客に来てほしい地域もあり、想定より観光での来客が少ないと感じておられる地域もございます。府域の均衡ある発展の観点からも、京都の観光に関しては、国内の方ももちろんですが、特に外国人観光客に対して、誰もが知る有名な観光名所だけでなく、例えば知る人ぞ知るような地域を含めた観光分散の観点から、京都府内各地にある観光名所への誘客活動が重要と考えます。
海外の方が日本に来られる際は、多くは個人旅行であるものの、リピーターの多い東アジアや東南アジアの国では、海外の旅行会社を通じて行き先を決められるケースもあります。我々が逆に海外に行くときも、知らない地域に行くわけですから、旅行会社の方にお任せをして観光先を決めて日程を組むなど、現地のことをよく知っている方にお任せをする方も多いのではないかということです。
そこで、海外の旅行会社と本府が密に連携を取り、様々な場所に足を運ぶよう促していただければ、観光分散でのオーバーツーリズム対策の機会につながると思いますが、ぜひ本府からもそのように展開をしてほしいと思いますので、海外の旅行会社やツアー会社との連携を深め、京都のオーバーツーリズム対策としての観光分散の一環として府内各地の知る人ぞ知る観光名所のPRを海外旅行会社にしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせをください。
私の地元の伏見区では、伏見稲荷大社という世界でも有数の観光地がございます。この伏見稲荷地域は多くの観光客が集中することで様々な問題を抱えておりまして、参道に向かう商店街の道に踏切があるのですが、その踏切が観光客で埋め尽くされ、混乱して遮断機を手で押し上げて渡る人がいたり、周りの道路も人で埋め尽くされ、緊急車両が進入しても立ち往生してしまい、動けなくなるという事態も発生をしております。地元の皆様からも「来てくれるのはうれしいことだが、ここまでの事態が発生すると、対策を取っていただきたい」と聞いております。話としては「交通規制をしたほうがよいのではないか」「道路の整備や拡幅をして渋滞緩和をしたらよいのではないか」または「タクシーの乗り降りの時間で後続車が詰まってしまうため、指定タクシー乗り場をつくりたい」などの意見を伺っております。
伏見稲荷がここまで観光客で多くなってしまうのはSNSなどでの発信の影響が大きいと思いますが、先ほど申し上げたような旅行会社の紹介も理由の一つになると思います。さらに、ターゲット層としては、初めて京都を訪れる方だけではなく、もう一度京都を訪れていただくリピーターの方により京都を楽しんでもらうためにも、受け入れる地域のほうで行ってほしいエリアへ誘導するというのは大事な観点と思います。
そのように考えていた中で、私も聞いていて大変面白く、参考にもさせていただきましたのは、先日開催をされました京都府子ども議会で発表された「京都府全体に観光客を!」について取り上げ、質問された発表です。この内容も、観光分散の観点に基づき、子どもたちが考え、提案されたことと思いますので、海外観光客に向けてのパンフレット作成をはじめ、ぜひ積極的に子どもたちのアイデアを施策に取り入れていただければと思います。
伏見で言えば、伏見稲荷だけではなく、近くにも藤森(ふじのもり)神社や御香宮(ごこうのみや)神社、さらにその神社の近くにはにぎわっている商店街もございますし、公共交通も整っています。また、幕末や明治維新の歴史なども豊富な地域であります。
このように京都にはまだあまり観光客が訪れていない歴史や魅力ある場所が多く点在しているのが強みであり、既に府市連携で「まるっと京都」という取組もされているところですが、伏見と府北中部エリアを結ぶような京都府一円に観光を促すことも可能と思いますし、また、MaaS(マース)のようなアプリを活用した、より広域的な観光の促進なども観光の分散には効果的と思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
御答弁、よろしくお願いをいたします。
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 保護者の方が亡くなられた後の重度知的障害のある方への支援についてでございます。
重度知的障害のある方の介護や支援を日常的に担っておられる保護者の方が亡くなられた後も障害のある方が希望する地域で安心して暮らすことができる環境の整備は、保護者の方にとって大変切実な課題であると考えております。中でも、日常生活の様々な場面における手続などの際の意思決定の支援と、急な体調不良や状態の変化などの緊急時の対応ができる体制の確保が重要になると考えております。
そのため、まず意思決定の支援といたしましては、契約や財産管理などをサポートする成年後見制度を普及させるよう、市町村や社会福祉協議会などと連携して、地域における相談体制の整備や担い手育成などを進めているところでございます。
次に緊急時への対応といたしましては、支援が必要な方を事前に把握し、平常時から連絡体制を確保するとともに、緊急時には短期入所事業所などへの受入れ等の調整を担う地域生活支援拠点の整備を進めているところでございます。地域生活支援拠点につきましては、現在、府内12の市町で設置されておりますが、特に規模が小さな市町村において整備が進んでいない状況にあるため、圏域ごとの自立支援協議会などを通じ、複数の市町村による共同設置なども含めて整備を働きかけてまいりたいと考えております。
こうした取組に加え、生活介護などの障害福祉サービスの充実による生活支援、公的な年金制度である心身障害者扶養共済事業の加入促進などによる経済的支援など、きめ細かく対応することにより、重度知的障害のある方が希望に応じて地域で安心して暮らしていただける環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
重度知的障害のある方が住み慣れた地域で引き続き生活されるためには住環境への支援も重要であることから、市町村と連携してグループホームの整備を計画的に進めております。
グループホームのサービス提供量につきましては、令和6年3月に改定した京都府障害者・障害児総合計画におきまして、令和8年度には1か月当たり3,061人分が必要になると見込んでおります。これまでの実績といたしましては、令和3年度に1か月当たり2,080人分であったところ、令和5年度には2,512人分へと着実に増加してきておりますが、令和8年度に向けてさらに整備を進める必要があると考えております。中でも重度の障害に対応するグループホームを増やすことが重要であると考えており、議員御紹介の国庫補助金を活用して、令和3年度以降、強度行動障害や医療的ケアなどにも対応できるグループホームを8か所整備してきたところでございます。
また、サービス提供量の確保に加えてサービスの質の向上を図る必要があることから、強度行動障害のある方への専門的な支援技術や対応力の向上を図る研修、適切な事業運営のための指導・助言などの支援に取り組んでいるところでございます。
今後とも、重度知的障害のある方などの住環境の確保が円滑に進むよう、取り組んでまいりたいと考えております。
グループホームをはじめとする障害福祉サービスが地域において十分に確保されるためには、サービス提供を担う人材の確保・定着や施設経営の安定化が重要となります。
人材確保の取組といたしましては、学生や求職者を対象とした就職フェアの開催に加え、他業種との賃金格差を解消するため、「医療機関・福祉施設職員処遇改善等推進事業」を実施し、福祉人材の処遇改善に取り組んでおります。また、人材定着のために、「きょうと福祉人材育成認証制度」の運用により、人材育成や働きやすい職場づくりを進めますとともに、事業者における生産性の向上を図るため、業務の効率化などに関するセミナーの開催などのソフト面と設備等の導入のハード面を組み合わせて支援し、職員の負担軽減に取り組んでおります。特に今年度、限られた人員でも質の高い障害福祉サービスを効率的かつ効果的に提供できるよう、「京都府介護・福祉職場業務改善支援センター」を設置して支援の充実を図っており、引き続き、障害福祉サービスを担う人材が十分に確保できるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
施設経営の安定化のための取組といたしましては、物価高騰に対応して、医療機関等物価高騰対策事業費により、光熱費に対する支援を行いますとともに、障害のある方の状況や必要とされる支援の内容に応じて適切な対応ができるような報酬水準の確保について、国に対し、引き続き要望してまいりたいと考えております。
今後とも、障害のある方御本人の希望に沿った生活を実現し、御家族にも安心していただけるよう、支援体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、海外の旅行会社に向けたPRについてでございます。
外国人観光客を府内各地へ誘客するためには、議員御提案のとおり、海外の旅行会社に対して府内各地の観光情報の提供を行い、旅行商品の造成や販売を促すことが重要でございます。また、団体旅行ではなく、自分で行程を組む個人旅行者、いわゆるFIT(Foreign Independent Tour)に対しまして直接魅力を伝える情報発信の取組も必要だと考えております。
海外の旅行会社に向けましては、訪日リピーター層が多いアジア市場を中心に、私自ら台湾やシンガポール、タイを訪問し、現地旅行会社に対しまして観光プロモーションを実施することで直接京都の魅力を伝えてきたところでございます。また、アジア市場における旅行博への出展や商談会におきまして、まだ十分に知られていない観光地や体験コンテンツの魅力を紹介し、旅行商品の造成を提案するなど、幅広い営業活動を積極的に進めてまいりました。
こうした取組の成果といたしまして、例えばタイの旅行会社に「海の京都」エリアを巡るツアーを造成いただいたほか、昨年5月には、タイの大学の社会人クラスで学ぶ企業の経営者など、約50名が宇治を訪れ、京都の茶産業についての視察を行うツアーなども実施されたところでございます。
今後とも、現地旅行会社に対する営業活動に加え、旅行会社を招いてのファムトリップを利用者の拡大を目指す航空会社と連携し、実施してまいりたいと考えております。
また、外国人旅行者に向けましては、府内各地を訪れたいと感じてもらえるよう、引き続き京都府の多言語情報サイト「ANOTHER KYOTO(アナザーキョウト)」やSNSによる発信を行いますとともに、海外の人にも分かりやすく魅力が伝わるショート動画を活用した情報発信にも取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、海外の旅行会社に対する働きかけと外国人観光客への情報発信の両面から京都府各地への誘客を進めてまいりたいと考えております。
次に、府全域への周遊観光の促進やMaaS(マース)の活用についてでございます。
昨年度、京都市と連携して取り組んだ補助事業により、旅行会社に「まるっと京都」ツアーを販売いただいたところ、議員御紹介の伏見の酒蔵と伊根町の舟屋を巡るツアーをはじめ、地域の多様な魅力を生かした30本の商品が造成され、特に食を楽しむツアーは目標を大きく上回る集客があり、参加者から高い評価をいただきました。こうした取組を通して、少しずつではありますが、新たに発掘された地域の魅力を生かした旅行会社の自発的なツアー造成が進んできております。
さらに周遊観光を促進するためには、今後も多様なツアーが造成されるよう、旅行会社に対しまして地域の魅力を発信し続けるとともに、個人旅行者に対しましても気軽に府内各地のエリアに訪れていただける取組が必要でございます。そのため、これまでに造成され好評であったツアーを基に、移動手段や滞在時間を盛り込んだモデルコースをつくり、多くの方に府域を訪れていただけるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
また、議員御提案のMaaS(マース)につきましては、関西の鉄道7社が運営する「KANSAI MaaS(マース) アプリ」におきまして、観光スポットやモデルコースの情報発信のほか、観光施設と鉄道などのアクセスが一体となったデジタルパスも販売されております。京都府におきましても、当該アプリを活用し、例えば福知山から亀岡、伏見において明智光秀、豊臣秀吉の足跡を巡る歴史探訪や、保津川下りと伏見十石舟を楽しむ「川の京都」など、多様なモデルコースの発信を行うとともに、鉄道事業者や地域にも働きかけ、デジタルパスの販売などにも取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、旅行会社による多様なツアー造成の促進に加え、「KANSAI MaaS(マース) アプリ」を活用した周遊を促す取組を進めることにより、観光客の分散化を図り、持続可能な観光の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(荒巻隆三君) 増田大輔議員。
〔増田大輔君登壇〕
◯警察本部長(吉越清人君) 田中健志議員の御質問にお答えいたします。
地域団体が既に設置運用している防犯カメラと府警察が今回設置運用する防犯カメラとの関係性についてでございます。
まず、防犯カメラにつきましては、犯罪の未然防止はもとより、事案発生時の早期解決、早期検挙にも極めて有効なものであると認識をしております。これまで犯罪の起きにくい社会づくりの一環として、地域団体や事業者等により道路等の公共空間における防犯カメラの設置拡充に取り組んでいただいてきたところであり、各種犯罪の未然防止において大きな成果を上げていると認識をしております。
府警察といたしましては、引き続き地域団体をはじめとする様々な設置主体に対し、防犯カメラの効用と、国及び自治体による補助制度を周知するなどして設置促進の働きかけを継続してまいります。
今後も防犯カメラの設置運用については、地域団体や事業者等による自主的な防犯活動の一環として行われることを基本としつつ、地域の治安情勢等を踏まえて、防犯カメラが真に必要と認められる箇所においては、警察も主体的に整備に関わるなどして府民の安全・安心の確保に万全を期してまいる所存であります。
◯議長(荒巻隆三君) 田中健志議員。
〔田中健志君登壇〕
◯増田大輔君 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
親亡き後を含む障害者支援についてでありますけれども、受入れ体制のほうが徐々に増えてきているということではありますけれども、やはりまだグループホームの数が足りていないと感じています。需要と供給のバランスというものも整えていかなければなりません。そのためにも京都府も国と連携をした支援をして、またグループホームを経営するにおいてもその事業所の方々の採算性の確保や、担い手対策に取り組んでいただきたいというふうにも思います。親亡き後の障害者支援についてはさらなる取組の強化をお願いしたいと思いますし、自治体のみでは足りない部分が多くあるため、十分な財政措置を国に働きかけていただきたく思います。
あと、オーバーツーリズム対策であります。これも一筋縄ではいかないと思いますけれども、一つずつ丁寧に観光施策を取り組んでいくことが大切と思います。京都には歴史や文化、伝統があり、またその観光名所が点在しているのが強みであると思います。こちらも西脇知事が足を運んでいただき、PRをしていただいているということでありますけれども、ぜひ海外の旅行会社と連携をしていただき、観光分散を促していただきますようによろしくお願いを申し上げます。
最後に1点要望させていただきます。
先日の参議院選挙後に、私は現役の大学生を含む20代の皆様の意見を聞かせていただく機会がありました。その中でほとんどの方から切に意見を伺ったのは、奨学金をとにかく何とかしてほしいという御意見でした。「生活は物価高などで苦しい。それでも何とか自らで生活のやりくりをしていかなくてはならない。将来に向けても人生設計や貯金などをしていかなくてはならないのは分かっている。しかし、目の前の生活でかなり大変だ」ということでした。そのような状況で「奨学金の返済がのしかかり、いっぱいいっぱいになっている」という意見でした。
今は大学に行くことが当たり前で、数年前に比べて大学への進学率が高いのは数字でも示していると思います。企業も大学卒業が条件というのも少なくありません。つまり、大学に行くという選択肢が真っ先に来るということです。大学費用まで全て出してくれる家庭は非常に少なく、そうなれば、奨学金を借りて進学する学生が多くなるのは当然です。その背負った奨学金が重くのしかかっている方が多く、その声が膨れ上がっています。何とか奨学金政策を充実させたいと私も思います。
京都には奨学金政策である就労・奨学金返済一体型支援事業がございます。「とにもかくにも奨学金を何とかしてほしい」と皆さんおっしゃっておりましたので、この制度が多くの方に利用されるため、制度が使える企業をもっと増やすこと、そして今の3割程度の補助からさらに拡充した支援事業にしていただくことを要望させていただきます。
それでは、時間になりましたので、私の代表質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)