1 寛永行幸四百年祭について
2 伝統産業品の振興・販路開拓について
3 自殺防止について
4 高校生の人材育成について
5 その他
※外部リンクに移動します。
◯議長(荒巻隆三君) 休憩前に引き続き会議を行います。
次に、岡本和徳議員に発言を許可します。岡本和徳議員。
〔岡本和徳君登壇〕(拍手)
◯岡本和徳君 府民クラブ京都府議会議員団の岡本和徳でございます。通告しております数点について質問をさせていただきますので、今回も積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、府市トップミーティングで話し合われた「寛永行幸四百年祭」についてお伺いいたします。
昨年の松井京都市長誕生後、西脇知事と松井市長はトップミーティングを通じて既に多くのことに合意をされ、実施も進みつつあります。既に府立・市立の連携事業である「京の高校生探究パートナーシップ事業」は開催をされ、今後は充実も進んでいくと聞いておりますし、府立高校が昨年から実施する目的別留学も京都市立高校でもそのまま取り入れられ、「探Q留学」という同じ名称でほとんど同じ内容の留学制度がこの4月から京都市立高校で実施されているようです。さらには、半導体産業の振興やメディア関連イベント及びアート関連イベントの連携強化、府市周遊観光などが府市協調の下で進んでいくことが決まっているとお伺いしており、そのスピード感と連携の強さに驚きつつ、高く評価しているところでございます。
そして、この5月13日に開催されましたトップミーティングにおいては、「寛永行幸四百年祭」を府市共同で開催することが決まったとお伺いしております。
寛永行幸とは、1626年(寛永3年)9月6日から10日まで、徳川秀忠、徳川家光の招きで後水尾(ごみずのお)天皇が二条城に行幸した歴史的な出来事とのことです。この行幸は大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してからわずか11年後に実現し、朝廷と幕府の融和、そして泰平の世の到来を全国に示すための一大イベントとなったとのことです。
寛永行幸は、後水尾(ごみずのお)天皇を中心に、多くの文化人・芸術家が集うサロン的な場を生み出し、「寛永文化」と呼ばれる多彩な芸術文化の隆盛を象徴したようです。行幸期間中は、舞楽、能楽、和歌、茶の湯、華道、書道、絵画、建築、着物、陶芸など、あらゆる分野の芸術が披露され、後水尾(ごみずのお)天皇や徳川家が文化の発展に大きく寄与したとのことで、後水尾(ごみずのお)天皇が上皇となられた際には、修学院離宮の造営や本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)らを庇護するなど、文化サロンの中心人物となったそうでございます。そして、この寛永行幸をきっかけに京都の呉服商が繁盛し、御所染など、新しいファッションや衣装が流行するなど、文化と経済の面で大きな波及効果が生まれたと聞いております。
この寛永行幸は江戸時代最大級の政治儀礼であり、朝廷と幕府の融和を象徴するとともに、寛永文化の隆盛を促進した歴史的イベントであったようでございます。文化面では、芸術、ファッション、建築など、多彩な分野に影響を与え、経済面では京都の町や商工業に大きな活気をもたらせたようです。
この「寛永行幸四百年祭」を府市で一体となって令和8年度をターゲットイヤーとして実施をしていくということが松井京都市長とのミーティングで取り決められたとのことですが、当然、時代も違いますし、実施の趣旨も当時とは異なります。当時の寛永行幸は、徳川家が後水尾(ごみずのお)天皇をお招きするために最高のおもてなしを行い、日本全国から大名が集まり、京都は空前のにぎわいを見せたと記録にありますが、今回、「寛永行幸四百年祭」を実施するその狙いや、どのような効果を期待して実施するのかをお聞かせください。
次に、伝統産業品の振興、販路開拓についてお伺いいたします。
とりわけ京都の染織工芸品は、長い歴史と高度な技術を背景に、国内外で高い評価を受けておりますが、国内市場の縮小や職人の高齢化、後継者不足などの課題に直面しており、販路拡大や新たな需要創出のためには従来の枠組みを超えたイノベーションが不可欠と考えております。
そもそも京都は、伝統の上に新しいアイデア・技術を重ねることで文化・経済を切り開いている町であると考えております。
近年、京都府では「Kyoto Concept Store」をボストンやブリュッセルに設置し、テストマーケティングを通じて海外市場での販路開拓を推進していただいています。現地での販売やフィードバックを通じて海外消費者のニーズを的確に把握し、商品改良や新製品開発につなげる取組は府内事業者の自走化を目指す上で大変有意義な取組です。また、京都海外ビジネスセンターの設置や各種商談会、展示会の出展支援など、多様なサポートメニューも整備していただいています。
一方で、伝統技術の魅力を最大限に発揮しつつ、現代社会や海外市場の新たな価値観に応えるには、最先端技術や新素材の積極的な導入が不可欠と考えています。ヨーロッパではポリエステルが使えなくなる方向であることを考えると、例えば環境に配慮した新素材として注目されるトウモロコシ・バイオ由来の糸を活用した染織工芸品の開発は、伝統と革新の融合による新たな市場創出の好例と言えます。これにより、サステナビリティー志向の強い海外市場や若年層への訴求力が高まるだけでなく、京都の伝統産業がグローバルな潮流の中で先進的な存在感を発揮することが期待されます。また、最先端のインクジェットプリント技術を活用した高品質なプリント生地の開発や海外ファッションブランドとのコラボレーション、さらにはデジタルマーケティングを活用したブランドストーリーの発信など、伝統と新技術の融合による多角的な展開が今後ますます重要となります。
そこでお伺いいたします。
府内伝統産業事業者による京都の技術、例えばトウモロコシ由来の糸、インクジェットプリントなどの新素材や新技術を活用した商品開発や海外展開をどのように支援・促進していくお考えでしょうか。
また、「Atelier(アトリエ) Japan Daimaru Kyoto」といった府内での取組のほか、「Kyoto Concept Store」や「PRECIOUS(プレシャス) KYOTO α」など、海外でのテストマーケティングやフィードバックの仕組みを今後どのように拡充し、府内事業者の自走化や継続的な販路拡大につなげていく方針なのでしょうか。
さらには、サステナビリティーやデジタル化といった新たな潮流を踏まえ、伝統産業の担い手育成や異分野の連携、ブランド発信力強化に向けた具体的な施策をどのように進めていかれるのか、御所見をお聞かせください。
京都の伝統産業が伝統の継承とイノベーションの両立によって国内外で新たな価値を創造し続けるため、今後の具体的な施策展開について明確な御答弁をお願いいたします。
次に、自殺防止に関する質問をさせていただきます。
京都府の自殺者は近年減少傾向にあるものの、令和5年は400人を超えるなど、依然として多くの方々が自死という道を選んでおられ、昨今の社会情勢や生活環境の変化を考えると、今後も決して油断できる状況ではありません。
令和6年の京都府内の自殺者数は、男性が女性の約2倍と、依然として男性の自殺リスクが高い状況が続いております。また、年齢別に見ますと、従来多かった中高年齢層に加えて、近年は20代から30代の若年層、さらには女性の自殺も高い水準にあることは大きな懸念となっております。さらに、20歳未満においては、平成30年には5人、令和元年には7人であったのが令和5年では22人、令和6年は14人となっております。この令和6年の20歳未満14人のうち、男性は2人、女性は12人、そのうち、小中高生が7人となっています。このように若年層、とりわけ女性に自殺の増加傾向が見られることについても懸念しております。
また、日本全体において、妊産婦の死亡理由としては自殺が毎年最多であることや、出産された女性の多くの人が産後鬱に悩み、自殺という選択をしてしまうことも多くあるということについても改めて認識をしておく必要があります。
自殺の背景には、健康、経済、家庭、男女、学校などの問題のように、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多く、単一の対策では十分な効果を上げることが難しいのではないかと思っております。特にコロナ禍以降、経済的な不安や社会的孤立、心の健康の悪化といった新たな課題が浮き彫りとなり、これまで以上にきめ細やかな支援が求められています。
また、京都府内の各地域を見渡しますと、都市部と中山間地域で自殺率やその背景に違いがあるようです。都市部では孤立や過労、中山間地域では高齢化や経済的困窮など、地域ごとに異なる課題が存在しております。
こうした中、京都府では、「京のいのち支え隊」や「自殺ストップセンター」の設置、ゲートキーパーの養成、学校や職場での啓発活動、SNS相談、臨床宗教師との連携など、多様な自殺対策を展開してこられました。特に若年層へのアプローチや遺族・未遂者への支援強化など、現場のニーズに即した取組が進められていることは評価をしております。しかし、現実的には、まだまだ支援の網の目からこぼれ落ちてしまう方が少なくないという現実もございます。例えば、経済的に困難な状況にある方々が適切な支援につながれない、心の不調を訴える若者が相談先を見つけられない、あるいは自殺未遂者や遺族が社会的孤立に陥ってしまうなど、現行の支援体制だけでは十分に対応し切れていない部分があるのではないかと感じております。
また、地域社会のつながりが希薄化する中で、孤立を未然に防ぐための見守りや住民同士の支え合いの仕組みづくりも今後ますます重要になってまいります。さらに、行政だけではなく、医療、福祉、教育、地域団体、NPOなど、多様な主体が連携し、複合的な課題に対応できる体制の構築が不可欠であると考えます。
そこでお伺いいたします。
まず、京都府における自殺の現状と特徴をどのように捉え、特に若年層や女性など、新たなリスク層への対応についてどのように考えておられるか。また、今後どのように対策を講じていかれるのか、お考えをお聞かせください。
また、今年度は次期「京都府自殺対策推進計画」の策定があると聞いておりますが、複雑化・多様化する自殺の背景に対応するため、医療、福祉、教育、労働など、関係機関とのより一層の連携や地域社会全体で支え合う体制づくりに向けて府としてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いします。
府民の命と暮らしを守るため、具体的な御答弁を期待いたします。
次に、高校生の人材育成についてお伺いいたします。
現代社会は、急速な技術革新、グローバル化、さらには少子・高齢化といった要素が複雑に絡み合い、私たちが直面する社会課題は一層多様かつ困難なものとなっております。こうした時代においては、従来の常識や価値観が必ずしも通用しない場面も増えており、これからの京都、そして日本の未来を担う人材の育成方法も、従来の枠組みにとらわれず、変化を加えていく必要があるのではないかと考えます。
そこでまず、これからの時代を担う人材とはどのような人材像を想定し、いかにして育成していくべきかについて教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
技術や情報の進歩により、仕事の内容や社会の仕組みが日々変化する現代においては、固定的な価値観にとらわれず、常に新しい視点から課題を捉え、柔軟に対応できる力が不可欠ではないでしょうか。これまでの教育現場では、知識の習得を重視し、各教科の内容を教え、それを試験で評価するという形式が主流でありました。これは、生徒が社会に出た際に必要となる基礎的な知識やスキルを身につける上で一定の成果を上げてきたものと認識しております。しかし、近年では、知識の習得だけではなく、「主体的に学ぶ力」の育成がより重要視されております。自ら問いを立て、調べ、考え、表現する探究型の学びがこれからの社会を生き抜くために必要な力になると考えております。
加えて、「他者と協働する力」も不可欠です。異なる文化や価値観を持つ人々と協力し、共に課題解決に取り組む力はグローバル社会においてますます重要となっております。多様性が重視される現代では自分とは異なる背景を持つ人と接する機会が増えており、その中で他者と意見をすり合わせ、それぞれの役割を認識しながら目標を達成する力を身につけることは社会に出てからも大いに役立つ基礎的な力となると考えます。
こうした力を育成するためには、高校での教育に加え、京都の強みである多くの大学や優れた企業との連携を一層強化していくことが有効であると考えます。京都の大学では、自然科学から人文社会、芸術に至るまで多様な分野で研究が進められ、地域社会や企業との共同研究も盛んに行われております。また、京都は伝統産業と最先端技術が共存する都市であり、西陣織や京焼といった伝統工芸に加え、世界的なハイテク企業や観光産業、ゲーム、アニメといったコンテンツ産業など、多様な産業が集積しています。
このような京都の強みを生かした学びを高校教育に取り入れることは、例えば大学における高度な研究の調査が探究学習をさらに深めることにつながりますし、企業においてプロジェクト型の仕事術を学ぶことは、実際の現場に触れながら自分と異なる立場や文化を持つ人と同じ目的に向かって協力するといった社会で必要な力を体感的に学ぶことにもなると考えております。また、企業からは、「人口減少社会における人手不足の現状を踏まえ、府内の高校生たちが若いうちからグローバルな視点で学びを深め、探究心を持った人材として成長し、京都産業を支える人材となることを望む」という声も聞いております。こうした声に応えることも府立高校に課せられた重要な使命の一つではないでしょうか。
そこでお伺いします。
社会経済情勢の変化が激しい時代において、産学連携の必要性や高校における学びについて、どのような方向性をお持ちでしょうか。そして、これからの未来を切り開く人材を育成するためにどのような取組を進めていくか、御所見をお聞かせください。
以上、御答弁よろしくお願いします。
◯議長(荒巻隆三君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
「寛永行幸四百年祭」についてでございます。
来年2026年は、寛永3年に後水尾(ごみずのお)天皇が豪華けんらんな9,000人規模の行列で二条城に赴き、徳川将軍家が最上級のおもてなしで迎えた寛永行幸から400年目の節目となる年でございます。寛永行幸は教科書にもほとんど載っていないためにあまり知られておりませんが、江戸時代最大級のイベントとして京都に多大な経済効果をもたらしただけでなく、俵屋宗達(たわらやそうたつ)や本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)らの琳派(りんぱ)も含む現代の日本文化にも大きな影響を与えた寛永文化が京都で花開き、全国各地に伝播していきました。また、寛永という時代は、戦乱により荒廃していた清水寺や東寺、下鴨神社など、京都の代表的な寺や神社が続々と再建され、現在の京都につながる町の景観がつくられた平和な時代であり、こうした時代背景の下で公家・武家・町衆などの身分の垣根を越えたサロンが京都の各所で営まれ、多様な人々の交流によって経済的な価値を生み出す新たな文化の潮流が生まれた、まさに文化と経済の好循環が実現した時代でもございます。
先月開催した府市トップミーティングにおきましては、寛永行幸や寛永文化を振り返る「寛永行幸四百年祭」を、京都府、京都市、経済界など、オール京都の組織である「文化庁連携プラットフォーム」が実施することで京都の観光・文化・産業を融合させた新しい価値の創造につなげていくこととしたところでございます。
「寛永行幸四百年祭」では行幸行列の再現や寛永文化に関連した各種企画・展示に取り組むこととしておりますが、これらの取組を行うことにより、行幸当時の衣装を再現し、その衣装で実際に行列に参加するといった特別な体験や、本物に触れる文化鑑賞を目的とした観光振興、衣装や装飾品の再現を通じた伝統文化の継承や担い手の育成、伝統産業の振興などにつなげていくことを狙いとしているところでございます。
生活様式の変化や価値観の多様化などにより、文化や伝統産業の継承が危ぶまれ、多様な文化の融合による新たなイノベーションが求められるこの令和の時代におきまして、多様な人々の交流による新たな価値創造が行われた寛永の時代に倣って行う本事業に大阪・関西万博後の文化と経済の好循環を生み出すという効果を期待しており、多様な主体を巻き込みながら京都全体で盛り上げてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯議長(荒巻隆三君) 上林商工労働観光部長。
〔商工労働観光部長上林秀行君登壇〕
◯商工労働観光部長(上林秀行君) 伝統産業品の振興と販路開拓についてでございます。
伝統産業の活性化を図るためには、先端技術との連携による新商品開発や海外市場への展開など、多角的な取組が重要であると考えております。
京都府では、議員御紹介のバイオ由来の糸を開発した京都企業と西陣の織物事業者とのマッチングを図り、製品化を支援するなど、先端技術と伝統産業の融合による新商品開発に取り組んでいるところです。また、パリの日本工芸品店と連携し、新商品の海外でのテストマーケティングを行う「PRECIOUS(プレシャス) KYOTO α」事業では、京都の伝統工芸品がフランスのホテルチェーンのショールームへ提供されるなどの成果につながりました。
こうした新商品開発や海外販路開拓は、伝統産業と先端技術・先端産業双方に精通したコーディネーターや地域の商材を海外のバイヤーとつなげる地域商社など、橋渡し役となる専門人材によるサポートが不可欠です。そのため、令和4年11月に「Kyo-Densan-Biz」を開設し、専門的な知識を有するコーディネーターが、京都市内のホテルを拠点として、新商品開発やブランディング、異業種の企業連携、販路開拓などを伴走支援してまいりました。今後、ブリュッセルやボストンで高付加価値の京もの工芸品を販売している「Kyoto Concept Store」内にテスト販売コーナーを設置する予定であり、「Kyo-Densan-Biz」のコーディネーターが商品の発掘を担い、「Kyoto Concept Store」の現地スタッフがテストマーケティングを行う仕組みを通じて海外市場のニーズを探索し、販路開拓につなげてまいります。
伝統工芸品は、その背景にある職人の技術や文化的意義を理解してもらうことが重要であると認識しており、文化が異なる海外でのブランド価値の効果的な発信につきましてコーディネーターが各店舗と連携して支援を行ってまいります。
また、先月には「Kyo-Densan-Biz」の2か所目の拠点を京都市内の百貨店内に開設いたしました。商品の目利きに優れ、国内外への販売網を持つ百貨店との連携により、商品開発や販路開拓の支援を強化できるものと考えております。同拠点では子ども向けの伝統工芸のワークショップを行うこととしており、職人から直接伝統工芸の技を学ぶ制作体験を通じて未来の担い手の育成にも努めてまいります。
今後とも京都の伝統産業が強みを生かして活路を見いだしていけるよう、取り組んでまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 井原健康福祉部長。
〔健康福祉部長井原正裕君登壇〕
◯健康福祉部長(井原正裕君) 自殺対策についてでございます。
京都府内の令和6年の自殺者数は352人で、令和5年の410人より58人減少したものの、特徴として男性有職者や女性の自殺者数は引き続き高い水準にあります。また、20歳未満につきましては、令和6年は14人と、令和5年の22人から減少したものの、20歳代は、令和6年は64人と、令和5年の43人から増加しております。
自殺の背景につきましては、議員御指摘のとおり、様々な要因が複雑に関係していることが多く、近年では、経済・生活問題や人間関係の問題などが複雑化・多様化していることなども影響していると考えられます。特に20歳代の若年層は、コロナ禍で人と人との関わりが希薄化した学生生活を送った後、進学や就労したものの、気軽に周りに悩みを相談できない状況にあることなどが要因の一つと考えられております。そのため、若年層に対しましては、「大学生が企画・出演した自殺防止動画による啓発」「気軽に相談窓口につながるよう、SNS広報の実施などの取組」を行ってきたところであり、引き続き啓発活動などを進めてまいりたいと考えております。
また、女性につきましては、心身の不調や不安を抱えやすい妊産婦などをはじめ、女性特有の視点も踏まえた支援の充実が必要と考えております。そのため、京都府男女共同参画センターらら京都や女性つながりサポート事業による専門性の高い民間団体による相談に加え、妊娠・出産、子育てに係る不安や悩みの相談事業を実施しており、個々の悩みや状況に応じてきめ細やかに対応してまいりたいと考えております。
次に、地域社会全体で支え合う体制づくりについてでございます。
京都府では、現行の「第2次京都府自殺対策推進計画」に基づき、自殺問題の理解を促進するため、「3月1日の『京都いのちの日』を中心とした広報・啓発などの実施」「企業の衛生労務管理者向けの研修会の実施」や「悩みを抱えた方に寄り添い、声をかけ、必要な支援につなげるゲートキーパーの養成」「京都府自殺ストップセンターの運営を24時間365日とする相談体制の強化」などに取り組んできたところでございます。
令和8年度からの次期計画におきましては、複雑化・多様化する要因・背景に対応するため、これまで以上に関連する分野との連携が重要であると考えております。そのため、府と市町村や医療・福祉・教育・労働などの関係機関が連携した相談支援ネットワークである「京のいのち支え隊」などを活用し、各分野が一層連携した総合相談の実施や体制整備を進めてまいりたいと考えております。
今後とも、地域社会全体で生きづらさを抱えた一人一人に寄り添い、きめ細やかな支援を行っていける体制づくりを進めてまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
〔教育長前川明範君登壇〕
◯教育長(前川明範君) 岡本議員の御質問にお答えいたします。
高校生の人材育成についてでございます。
グローバル化の進展など、変化の激しい現代社会におきましては、主体的に課題解決に取り組み、異なる価値観や考えを持つ人々と関わりながら、新たな価値を創造する創造性豊かな人材を育むことが重要であると考えております。
現在、国の調査などによりますと、日本の若者は、諸外国との比較では、学力が高い一方で、自身の将来や社会に対して希望を見いだしにくく、主体性や社会参画意識が低い傾向にあり、多様な価値観に触れる機会となる留学にも消極的な傾向があるとされております。また、学校は同世代の生徒で構成されているため、実社会に存在する多角的な視点や考え方に接する機会が限られております。こうした課題を解決するためには、企業や大学と協同し、生徒が学んだ知識を実社会や専門分野で生かす具体的なイメージを得ることで社会課題を自分ごととして捉え、主体性や社会貢献意識を醸成し、将来のキャリア形成につなげることが必要であると考えております。
これまでは各高校が企業等と個々に連携を進めてまいりましたが、今後は、高校、企業、大学がそれぞれの資源を持ち寄り、一体となって取り組むことで高校生の好奇心をくすぐる実践的な学びを提供してまいりたいと考えております。具体的には、今年度新たに高校教育課内に設置いたしました「教育共創室」を中心に、生徒の好奇心と企業・大学の多様な強みをつなぐ産学官連携の枠組みを構築し、例えば「企業や大学で活躍する方と課題解決の議論を行うことで得られる、自己の生き方につながる学び」「従来型の教科書から学ぶ指導だけでは満たされない、生徒の興味・関心に応える探究心を育む学習」「社会で実装される理論や製品開発等に触れることによって見えてくる将来展望」などを通して、生徒が自己の可能性を実感できるようにしてまいりたいと考えております。
さらに、議員御紹介の、企業が求めるグローバルな視野と探究心を備えた人材の育成に向けましては、さらなる留学機会の創出などにより高校段階から海外への視野を広げる取組を進め、多様な考え方・価値観を受け入れ、挑戦する心を育んでまいります。
府教育委員会といたしましては、これまで培ってきた教育を基盤に、企業や大学とともに手を携えることで自らの力で新たな価値を創造し、これからの未来を切り開く人材の育成に取り組んでまいります。
◯議長(荒巻隆三君) 岡本和徳議員。
〔岡本和徳君登壇〕
◯岡本和徳君 御答弁どうもありがとうございます。
寛永行幸400周年、確かにまだまだ聞き慣れない言葉ではありますけれども、先ほど知事の御答弁をお伺いさせていただきましても想像が少しできるわけですが、やはりどんなものになるのか楽しみだなというふうな思いでございます。行幸、行列というようなものもあって、衣装や装飾品、また伝統産業の継承というようなお言葉もありましたけれども、併せて新しい価値の創造という言葉もありました。質問の中で述べさせていただきましたとおり、伝統と新しい技術・アイデア、こういったものがミックスをされて新たな時代を切り開いていくのが、ある意味、京都の役割、日本全体の大きな役割なのかなというふうに思っております。
もう御承知のとおり、京都は観光客が多く来られるわけで、SNSの発信とか、瞬時に世界に情報が伝わるようになってまいりますので、そうした観光客の方々に見てもらうわけですけれども、「これが京都だ」ということでしっかりと評価をしていただいて、京都の伝統産業や新しい技術をその場から発信をして世界で認めていただけるような場にしていただきたいなと思っております。万博後を見据えてということでもありますので、世界も大阪・京都に注目していると思いますので、ぜひすばらしい取組になるように期待をしているところでございます。
そして、高校の人材教育ですけれども、「教育共創室」ができたということで教育長からも御答弁いただきましたが、産学官が個々ではなくて一体となって取組を進めていくということで、大変重要なことだと思います。先日も代表質問の中で企業と学校が連携をしているというようなお話もありましたけれども、そういったハードの面だけではなくて、ソフトの面でももちろん連携をしていただくことが重要ですし、何といっても教科書からは得られない子どもたちの経験を実社会の一部としてぜひ──まあ、大学や企業と連携をすることで子どもたちの可能性を伸ばしていただきたいなというふうに思っております。
時間になりましたので、以上で質問とさせていただきます。
御清聴、どうもありがとうございました。(拍手)