1 いわゆる「トランプ関税」の本府への影響について
2 米の価格高騰に関する本府の状況と対策について
3 ギャンブル依存症対策について
4 児童・生徒の学力向上と「学びのパスポート」について
5 不登校の状況と対策について
6 防犯カメラの整備について
7 その他

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◯議長(荒巻隆三君) 日程に入ります。日程第1、代表質問を行います。
 まず、田中健志議員に発言を許可します。田中健志議員。
   〔田中健志君登壇〕(拍手)

◯田中健志君 府民クラブ議員団の田中健志でございます。私は会派を代表し、知事、教育長、警察本部長に質問いたします。
 まず、今定例会に提出されている6月補正予算案に関しましては、アメリカの関税措置に伴い京都経済への深刻な影響が懸念される中、厳しい状況にある府内中小企業者を守るために経営強化に取り組む中小企業者への伴走支援や、急激な生産コスト増に直面する酒蔵が新酒製造に着手する前段階から行う「京の酒」の付加価値向上の取組を支援するなど必要な対策を講じるものであり、会派としてこれを高く評価するものでございます。
 その上で1つ目に、いわゆる「トランプ関税」の京都府への影響についてお伺いいたします。
 アメリカのトランプ大統領は、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる考えを表明し、4月3日にはアメリカに輸入される自動車に25%の追加関税が発動されました。こうした中、昨日もこの本会議で議論がありましたが、本府は自動車関連企業など影響が懸念される府内の中小事業者支援のため、4月3日に特別相談窓口を開設。相談は府内にある商工団体などの窓口34か所のほか電話でも受付、中小企業に対する府の融資制度などの情報提供や金融機関などの案内を行っているものと存じます。4月11日の知事会見では、トランプ関税による府内経済への影響は大きく、6月補正予算を念頭にしていると表明されました。また、4月22日の京都商工会議所の会頭会見では、調査の結果、府内企業の63%にマイナスの影響があると回答があり、4月の段階で既に売上げ減少など、影響が出始めている企業もあるとのことでした。
 改めまして、中小企業を含めこれまでの府内企業等からの相談内容や対応はどのような状況になっているのでしょうか。また、府内経済全体に与える影響の今後の見通しや対策はいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 2つ目に、米の価格高騰に関する京都府の状況と対策についてお伺いいたします。
 昨今の米価格の高騰は、府民生活にも大きな影響を及ぼしており、小売物価統計調査によりますと、米5キロ1袋の値段を京都市のスーパー等で価格調査した結果、本年3月の平均価格は4,592円で全国平均より214円高くなっておりました。2015年、10年前の時点での調査では1,802円であったとのことです。その後、5月には、「米は買ったことがない」との発言などが大きな問題となり、農林水産大臣の交代を経て、政府備蓄米の放出方法を一般競争入札から随意契約へと切り替えることにより、備蓄米が5月末から大手スーパーなどで5キロ2,000円程度で販売されることになりました。報道では、これを買い求める方々が店頭に長蛇の列をなし、売り切れとなる店が相次いでいて、京都府でも先週から政府の備蓄米がスーパーの店頭に並び始め、早朝から並び始める方や開店前に整理券がなくなる状況になっているとのことです。
 京都府として、この状況をどのように把握・分析し、改めて国への要望なども含めどのように対応しようとされているのでしょうか。知事会見では、「米の価格と供給の安定は、府民の暮らしへの影響はもちろん、農業者にとっても将来にわたって持続的にお米の生産ができるかどうかという大変重要な問題」とした上で、「まずは市場価格が適正な水準に落ち着いて、消費者の負担が軽減されることを期待するが、全体として米離れが進まないことや、米の生産をきちんと維持できるかどうかなど、もう少し大きな観点からも、いずれ政府のほうで検討していただかなければいけないのではないか」と発言されました。
 一方、本府の令和7年度当初予算では、「『京の米』ブランド力向上対策事業費」として京都府オリジナルブランド米、「京式部」のブランド化を戦略的に進めるとともに、「京の米」の高品質化と知名度向上を図り、新たな市場、販路拡大を展開する事業を推進するものと承知しています。昨今の米価格の高騰や、その後の状況が本事業に与える影響をどのように考えるのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、ギャンブル依存症対策についてお伺いいたします。
 インターネット上のサイトでの賭け事、オンラインカジノについては、スポーツ選手や有名人の関与が報道されているなど、大きな社会問題になっています。これは、スマホやパソコンからカジノサイトにアクセスし、バカラやルーレット、国内外のスポーツ競技の勝敗などに現金や暗号資産などを賭けるもので、サイト上で銀行口座やクレジットカードをひもづけたアカウントをつくり、ポイントなどを購入してゲームを行ったり、スポーツ競技の勝敗を予想したりして獲得したポイントを換金する仕組みになっています。このオンラインカジノでギャンブルを繰り返すことは、ギャンブル依存症に陥る危険性が高いと考えます。
 例えば、ある大学生のケースでは、「SNSでオンラインカジノを紹介する動画を見て、無料体験を利用したことがきっかけでオンラインカジノを始めてしまった。初回登録でボーナスがもらえて数千円分無料で遊べ、ポイントやカジノサイトで使えるお金が手に入るので、利用するハードルは下がってどんどん入金するようになった」と。この方がのめり込んだのは、スポーツ競技の勝敗を賭けの対象にするスポーツベッティングで、「最初は数千円単位で賭けていたが、だんだん増えていって、最終的には一度に数十万円を賭けた。親のクレジットカードを無断で使ったこともある」と。「いつでも遊べてしまうので、夜遅くから朝にかけて、海外サッカーやメジャーリーグの試合を見ながらギャンブルをした。借金が膨れ上がって鬱病を発症し、大学にも通えなくなってしまった。休学している間も借金を返すためにギャンブルをするという状況で、これまでに賭け金としておよそ500万円を使った」とのことです。
 日本では、法律で認められた公営ギャンブルなどを除き、賭け事をすれば賭博罪に問われます。オンラインカジノを合法化している国もありますが、運営会社が合法の国にあっても、日本から接続して賭ければ違法行為になります。摘発者の中には「違法とは思わなかった」という人も多いとのことです。京都府警によりますと、令和6年中にオンラインカジノで検挙された人は9人とのことですが、恐らく氷山の一角ではないかと思います。
 警察庁の調査では、オンラインカジノ経験者は全国で推計337万人で、そのうち20代が約30%を占めています。国においては、サイトの開設や誘導する情報の発信禁止規定の新設、国や自治体による違法性の周知を図ることなどが盛り込まれたギャンブル等依存症対策基本法改正案に与野党が合意し、改正案は今国会で成立する運びと報道されており、本府の取組も含め今後の対策について期待するところであります。
 一方、ギャンブル依存症については、ギャンブルにのめり込んで日常生活や社会生活に支障が出ている状態のことですが、意思が弱いから、だらしがないからギャンブルをやめられないのではなく、ギャンブル依存症は病気としてWHO(世界保健機構)も認めており、誰もがなり得る病気であると認識しています。
 先日、「全国ギャンブル依存症家族の会 京都」の皆さんから大変深刻で切実な実態についてお話を伺いました。現代はスマホの中でギャンブルも借金もできる時代なので、このままの状況が続けば、さらに問題が大きくなるという懸念を共有いたしました。特に若い世代への啓発の強化が必要だと考えます。例えば、大学生の新入生オリエンテーションの機会などで、薬物乱用防止などと一緒にギャンブル依存症防止についても指導を徹底するなど、特に若い世代への対策強化を含め御所見を伺いたいと存じます。
 まずは、ここまでの御答弁をお願いいたします。

◯議長(荒巻隆三君) 田中健志議員。
   〔田中健志君登壇〕

◯田中健志君 まず、アメリカの関税の問題につきましては、4月の知事会見で補正予算案の必要性を表明され、そして、この6月定例会に補正予算案を速やかに提出いただいたという、この迅速な対応に敬意を表したいと思います。
 相談件数14件というのが、数がどうかということよりも、恐らく今現在進行形の交渉案件なので様子を見ておられるのかなという感じがいたしますが、その中でも経営問題、経営の強化も含めた具体的な相談があって融資制度などを御紹介いただいているということで、きめ細かな対応をしていただいているということだと思います。交渉なので本当に様子を見守るということしかないのかもしれませんけれども、しかし、府民の皆さん、中小企業の経営者の皆さんが不安に思っていらっしゃるというのは、これは事実だと思いますので、知事会見で表明されているとおり、事あるたびに府民の皆さんの不安を払拭するような情報発信、そして、京都府としてできる限りの御支援をお願いさせていただきたいと思います。
 また、米の価格につきましては、今日の新聞にも載っていましたけれども、やっぱり生産者の立場としての適正価格がこれぐらいというのと、消費者の立場ではなるべく安いほうがいいというので、やはり開きがあるということが今日の新聞に載っていまして、それはそうだなと思いながら、知事の御答弁のとおり、需給バランス、そして、その価格の安定というのが何よりも必要ではないかということだと思います。
 京都府のスーパーにも先週から政府の備蓄米が並び出したということで、どうなるのかなということを、こちらもある意味、様子見の面もあるのかもしれませんが、しかし同じように府民の皆さんの不安払拭という意味での情報発信をお願いしたいと思いますし、「京の米」ブランド米の「京式部」については、これまで、これも御答弁のとおり老舗料亭とも連携していただいてブランド化に努めていただいたわけでありますけれども、これが今回の米の価格騒動でどういう影響が出るのかということを大変心配しております。御答弁にあったとおり、協議会等も含めてブランド向上、付加価値の向上に努めていただくということでありますけれども、京都を代表する「京式部」ブランド米、艶があり、香り良く、また味はいいという、この京都のブランド米の「京式部」をぜひ全面的に付加価値向上も含めて推進を今後も期待したいと思います。
 それから、ギャンブル依存症でございます。きめ細かにデータも御提示いただいて対応していただいているということで感謝を申し上げたいと思いますが、まずはギャンブル依存症というのが病気なんだと、誰もがなり得る病気なんだということと、御答弁のとおり若い世代の方にその危険性が大きいんだということ、この認識の周知が私は何よりも大事だと思うんです。
 皆さんも街頭などでお見かけになっているかもしれませんけれども、オンラインカジノは犯罪という赤い背景のポスターがあるかと思います。交番の横とか公営施設にもだんだん貼られてきて広がっているなという感覚はあるんですが、ギャンブル依存症家族の会の方からお伺いした話によりますと、家族の会の方が「そのポスターを掲示したいからポスターをください」と言っても、ポスターの紙としていただけなくて、「ホームページからダウンロードしてコピーして配布してください」と。これを聞いたのは3月ぐらいの話なので改善されているかもしれませんが、こういうことを言われたということなんですね。
 今回の改正案では、国も自治体もこのギャンブル依存症についての周知をしていくということが盛り込まれていると思いますので、ぜひポスターをこれから貼っていこうという方にそのような対応ではなくて、「ぜひ貼ってください」というような姿勢で対応していただけるような、これは京都府がやるのか、国がやるのか分かりませんけれども、そういったことも改めてお願いをしておきたいと思います。
 また、先ほど御紹介した大学生のようなケースは、実はこの京都でも同じような話があって、北部の出身者の方らしいんですけれども、京都市内に大学生として進学されて、大学生のときにギャンブル依存症になってしまったと。その方が就職をして、仕事の中でお金のトラブルがあって、それで初めて顕在化した、周りに分かったというようなケースがこの京都でもあるというお話を聞かせていただきました。
 このギャンブル依存症の課題に取組をさせていただく中で、十数年前になりますけれども、私の地元地域で当時危険ドラッグの販売店が住宅街とか繁華街にあって、これを地域の方々と力を合わせてなくしていこうという取組をする中で、薬物依存症の方々の対策に取り組んだことがあって、また断酒会などのアルコール依存症に苦しまれている方々と向き合うこともありましたが、今回のこのギャンブル依存症というのは、そうした周りの方に分かる、顕在化するのになかなか時間がかかって、顕在化したときにはもう問題がかなり深刻になっているという、こういう特徴があると思います。
 そうならないことが何よりも大事。そのためにも、知事御答弁のとおり特に若い方々への啓発、先ほど申し上げたポスターの掲示も含めた指導・啓発の徹底を改めてお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、次に児童生徒の学力向上、「学びのパスポート」について教育長にお伺いいたします。
 本府では、子どもたち一人一人の学力の状況を把握し、状況に応じたきめ細かな指導や支援を行うため、1人1台端末を用いた「京都府学力・学習状況調査~学びのパスポート~」事業を進めているものと承知しています。これは、児童生徒の「認知能力の伸び」と「非認知能力の変容」を継続的に把握し、その伸びや変容に影響を与える諸要因を客観的データに基づき分析・考察し、個別最適な学びと協働的な学びを実現する教員の指導力等についての有用な情報を得ることにより、指導上の課題を明らかにして、授業改善を推進し、確かな学力を育むことを目的としているものだと理解しています。
 具体的には、パソコンやタブレット等、1人1台端末を用い出題や回答を行うテスト方式であるCBT、これは、Computer Based Testingの頭文字ですが、CBT方式により即時の振り返りを可能にするとともに、児童生徒一人一人の学力の伸びが把握可能になるIRT、これは問題や受験者が異なっていても調査結果を比較できるIRT手法や、児童生徒の一人一人の変化を継続的に把握するパネルデータの手法を活用して学力向上につなげるもので、全府的な実施は全国でも初めてと聞いています。
 それまでの児童生徒の学力・学習状況の把握・分析方法では、平均値を手がかりにして学校間・自治体間での比較等、個々の児童生徒よりも学校・自治体といった集団で把握・分析することが多くありました。場合によっては、平均値に着目し過ぎて過度な順位競争につながることも見られました。また、学力調査の結果は、ある時点における学力の特定の一部分を調査したものであるため、学校において育みたい力や個々の児童生徒の学力が経年でどのように変化したのかが把握しにくい面があったとのことです。
 学びのバスポート事業では、TOEICなどでも採用されているIRT手法により、平均値に頼ることなく異なる調査でも調査結果を直接比較することが可能となり、児童生徒一人一人の学力の経年変化を追うことが可能となっています。
 さらに、「学びに対する積極性」といった非認知能力や学習への取り組み方等を確かめる質問調査も実施しており、京都府教育振興プランに示す3つのはぐくみたい力、「主体的に学び考える力」「多様な人とつながる力」「新たな価値を生み出す力」の変容の把握に努めているものと存じます。本事業は3年目に入ったとのことですが、これまでの効果や今後の課題をお伺いいたします。
 続いて、不登校の状況と対策についてお伺いいたします。
 不登校の方については、昨年本会議で我が会派の小原舞議員が取り上げましたが、会派として重要な課題と認識し、継続して今回も取り組むものでございます。
 改めて、令和5年度において京都府内で不登校とされる小学生・中学生は6,210人で過去最多、平成24年度以降12年連続で増加傾向にあります。また、不登校児童生徒のうち年間90日以上欠席している長期欠席者は全体の半数を占めるなど、長期化の傾向が見られ、「未然防止の取組と初動の働きかけが重要ではないか」、さらには「無理して行かなくていいよ」という認識が社会に広がり、以前のように学校にどうしても行けない児童生徒に対して無理にでも登校させるような風潮がなくなっていることも影響しているのではないかとの指摘がありました。
 教育長答弁では、「未然防止から不登校児童生徒への対応まで、行うべき取組を分かりやすく示した『不登校児童生徒支援ハンドブック』を府内全教職員へ配付し活用する」こと、及び「初期対応では児童生徒の3日連続欠席や、月に3日欠席した場合、担任のみならず管理職や生徒指導担当教員、スクールカウンセラー等を交えた校内ケース会議を速やかに立ち上げるなど、学校として組織的な対応を早期に行うよう示している」こと、また「児童生徒がなぜそのような状態に至ったのか、その背景や要因を丁寧に分析して、不登校児童生徒支援システム構築事業を実施する」、また、「学校内に教育支援センターを設け、不登校の要因を早期から分析し、小・中学校で切れ目のない支援につなげるモデルづくりを実施」、さらに「1人1台端末を活用した児童生徒の『心の健康観察』の実証を府内の小・中学校で進めていく」と答弁されました。
 加えて、「不登校児童生徒やその保護者を支える教育相談体制の充実に努めるとともに、校内の別室での学習支援や教育相談などを行う『心の居場所サポーター』の配置、市町の不登校児童生徒支援の拠点となる教育支援センターの機能の拡充など、様々な居場所、学びの機会づくりを進めていく」こと、加えて「子どもの教育のための総合交付金により、各市町村が独自に実施するきめ細やかな取組を支援し、3Dメタバースを活用した学習空間の提供や学校内外の居場所づくりなど、あらゆる取組を展開しているところである」と御答弁をいただきました。
 私は、これらの取組を推進することに加え、不登校についてのそもそもの考え方について、学びの多様性を考える中で学校に行かない選択肢としてオンラインをさらに活用するなど、「在宅での学び」に対する支援をさらに一歩踏み込んで検討する時期に来ているのではないかとも考えますが、いかがでしょうか。
 また、あらゆる選択肢を用意しても、どうしてもアクセスできない、あらゆる取組を準備してもどうしても参加できない児童生徒への対応をどのように考えるのか、教育長の御所見を伺いたいと存じます。
 ここまでの御答弁をお願いいたします。

◯議長(荒巻隆三君) 前川教育長。
   〔教育長前川明範君登壇〕

◯教育長(前川明範君) 田中健志議員の御質問にお答えいたします。
 児童生徒の学力向上と「学びのパスポート」についてでございます。
 児童生徒の学力を伸ばすとともに、非認知能力を育み、誰一人取り残すことなく、個性や能力を最大限伸ばす教育を進めていくためには、児童生徒の学力や学習状況を客観的に把握し、日々の授業をより良いものにしていくことが重要であると考えております。
 こうした中、令和5年度の実施から3年目を迎えました「学びのパスポート」では、経年による分析が可能となり、調査結果からは、児童生徒一人一人の学びの状況や1年間の成長、つまずきなどが確かなデータとなって表れてきております。各学校におきましては、このデータから児童生徒の学力や学習状況を把握し、それに応じて授業全体の進め方を見直すとともに、一人一人に合った声かけや接し方を工夫するなど授業改善に向けた取組が進められつつございます。
 また、府教育委員会におけるデータの分析からは、例えば従来のように児童生徒が単に公式等の知識を覚えるだけではなく、日常生活の場面と関連づけることで学習内容の意味もより深く理解することや、自ら考えるといった積極的な学びの姿勢が学力と関係していることが分かるなど、学力と非認知能力や学習方法との関連性が見えてきたところでございます。
 今後の課題といたしましては、さらにデータを蓄積して、効果的な分析・検証を進めるとともに、その結果を有効に活用して学力向上につなげる必要があると考えております。このためデータを大学と共同でさらに分析・検証するとともに、各学校においても効果的に分析・活用できるよう教員研修を充実させ、日々の児童生徒の観察と合わせることで授業改善につなげることができるよう取り組んでまいります。
 府教育委員会といたしましては、「学びのパスポート」を児童生徒の学力向上対策の柱として位置づけ、その結果を様々な施策に生かすことで、誰一人取り残すことなく、個性や能力を最大限伸ばす教育を進めてまいります。
 次に、不登校の状況と対策についてでございます。
 学校は、多様な人と交流し、多くの体験を重ね、様々な考えや価値観に触れることを通じて、学力のみならず、人を思いやり、尊重する心などを育む場であり、その果たす役割は極めて大きいと考えております。
 こうした中、府内の小・中学校における不登校児童生徒数は12年連続で増加しており、その要因や背景、不登校児童生徒が置かれている状況は様々であることから、一人一人に応じた支援を行うことが重要でございます。このため不登校児童生徒が個々の状況や、その段階に応じた多岐にわたる選択肢の中から支援を受けられるよう、未然防止から早期解消までを総合的にサポートするための様々な施策を展開しているところでございます。
 一方で、学校や学校以外の学びの場にも行くことができない状況にある不登校児童生徒への学びを保障するという観点からは、在宅での学びを支援することも必要でございます。このため各学校では不登校児童生徒の個々の状況に応じて学習教材の提供や、教室と自宅をオンラインで結んでの授業参加、個別の面談などを通じて学びの保障に取り組んでいるところでございます。
 また、自宅での学習を学校の教育課程に合わせることで、ワークシートや作品などの提出物を基に学習評価にもつなげているところであり、府教育委員会もこのような取組を一層サポートしてまいりたいと考えております。
 併せて、児童生徒が切磋琢磨し、お互いの能力を高め合ったり、助け合ったりすることで他者を理解し、協力することの大切さを学べるなど、学校での学びは児童生徒が社会的に自立していくためにも重要であると考えており、児童生徒が学校に魅力を感じ、登校したいと感じられるよう今後も取組を進めてまいります。
 また、様々な事情により支援にアクセスすることができない不登校児童生徒に対しましては、大変難しい課題ではございますが、教員やスクールソーシャルワーカーによるアウトリーチ型の支援や、関係機関との連携、スクールカウンセラーによるオンラインカウンセリングなどを通じて、一人一人の気持ちに寄り添いながら必要な支援につなげてまいります。
 府教育委員会といたしましては、不登校が長期化しないよう、個々に応じた支援に取り組むとともに、在宅が長期化している児童生徒にも可能な限り手厚く支援を行い、児童生徒の学びの保障に一層取り組んでまいります。

◯議長(荒巻隆三君) 田中健志議員。
   〔田中健志君登壇〕

◯田中健志君 御答弁ありがとうございました。
 教育の中身についての質問を意識して取り上げております。特に国政において子どもたちの教育にかかる費用をどのように公的に賄うのかという議論が活発に行われていて、もちろんそれはそれで大事なことなんですけれども、それと同時に教育の中身についての議論がもっと必要ではないかという、そういう問題意識を持っておりまして、今回は学力の向上、不登校対策について質問させていただきました。
 「学びのパスポート」事業というのは、御答弁にありましたとおり、その時々のテストの点数と、それから非認知能力をトータルで、そういう意味ではトータルで子どもたちの学力を測ると。それを経年変化で、また来年どうなるのかというのを記録していくということで、それを学力の向上につなげていくという私は大変優れた事業であると考えております。
 特に、成長段階にある子どもたちには、テストのそのときの点数とか成績ももちろん大事なんですけれども、そこに至るまでの過程、その間いかに、どれぐらい頑張ったのか、何が足りなかったのかということを、プロセスを見るということが本当にその時々のテストの結果とともに大事だと思うんです。この「学びのパスポート」事業というのは、その途中の、1年間なら1年間のプロセスを見ることが可能になると。一人一人の学力の状況、その子どもたちの状況を把握することが可能になるということだと私は理解していますので、御答弁にありましたとおり3年目に入ってデータが蓄積されてきたということでありますので、ぜひ今後も継続する中で具体的な学力向上、子どもたちの成長につなげていただきたいと思います。
 それから不登校対策について、もうこれも御答弁のとおりで、本当に考え得る限りの対策を講じていただいているということは私も理解しております。その中で数字的には増えているということでありますし、私が問題意識として持っている在宅での学びをどう考えるのかという中で言うと、御答弁のとおりオンラインでの学校と家庭をつなぐような取組がさらに拡充されていくのかなと思っています。
 先日、私もメタバースを活用したオンラインの授業を拝見する機会がありまして、言ってみればZoomの会議みたいな、そういう画面に先生が授業を進めておられて、子どもたちが匿名、かつカメラオフで入ってきてチャットで交流している。先生も理科とか数学とかという科目というよりも、もっと科目横断的な子どもたちが興味を持てるようなテーマで、本当に明るく楽しく授業を進めておられるような様子を拝見しました。
 一つは、そういうプログラムがこれから増えていくのかなと思いますが、なかなか先生の立場に立つと、これまでの従来の教室で教壇に立って子どもたちに指導するやり方とは全然違うので、先生のスキルという意味では、また違う取組が必要なのかなと思いますが、そうしたことを通じて子どもたちの居場所、そして、できればそれで学校にまた行きたくなる、友達や先生と交流したくなるような、そんな思いになるような取組が必要なのかなと思います。
 あらゆる対策を講じていただいていることはよく理解しながらも、またさらにそうした在宅での学びの取組についても、ぜひ工夫、拡充していただくことも併せてお願いをさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に防犯カメラの整備について警察本部長にお伺いいたします。
 府民の安心・安全を確保する観点から、犯罪の抑止、府民や来訪者の安心感の醸成、事件・事故の捜査・調査への活用などのため、防犯カメラは現代においてはなくてはならない地域社会の標準装備であると考えます。
 私は、10年以上、地元商店街の防犯カメラの運用のお手伝いをしています。その商店街では、20台以上の防犯カメラを設置・運用しており、地元警察署から照会依頼があった場合、運用規定にのっとり管理会社立会いの下、警察官が映像記録を閲覧し、事件・事故の捜査・調査に活用していただいています。
 また、この商店街では月に1回清掃活動と情報交換などのためのミーティングを開催しており、このミーティングでは、私から防犯カメラの運用状況について報告させていただくとともに、地元警察署から警察官に参加していただき、当該地域の治安情勢や交通事故の状況などについて報告していただき、時には参加者からの相談などにも対応していただくなど、長年にわたりコミュニケーションの場を持つようにしています。
 防犯カメラの設置については、京都市などが街頭での犯罪を抑止することを目的に、また防犯カメラのさらなる普及を目指して、自治会など地域団体を対象とする防犯カメラ設置促進補助事業を実施しているものと存じます。こういった補助事業の多くは、設置に関する初期費用については一定の補助があるものの、設置後の維持管理・運用については当該団体の自己管理となっており、補修等のランニングコストの負担についての補助等はなく、自己負担となっているのが通例だと思います。
 今年度「おもてなしのまち京都あんしん見守り事業」として、繁華街等に街頭防犯カメラ50台を設置することにより、犯罪や交通違反を未然に防止するとともに、事案発生時の早期解決を図り事業展開されると承知しています。これは、治安情勢、交通量、防犯環境の整備状況等を総合的に勘案した上で、地域社会の自主的な取組に頼るだけではなく、警察自らも設置主体となって整備していく必要性からの取組であると承知しており、警察が今回整備する防犯カメラの活用については大いに期待するところでありますが、地域団体が既に設置・運用している防犯カメラとの関係性について、警察本部長の御所見を伺いたいと思います。御答弁をお願いいたします。

◯議長(荒巻隆三君) 吉越警察本部長。
   〔警察本部長吉越清人君登壇〕

◯警察本部長(吉越清人君) 田中健志議員の御質問にお答えいたします。
 地域団体が既に設置運用している防犯カメラと府警察が今回設置運用する防犯カメラとの関係性についてでございます。
 まず、防犯カメラにつきましては、犯罪の未然防止はもとより、事案発生時の早期解決、早期検挙にも極めて有効なものであると認識をしております。これまで犯罪の起きにくい社会づくりの一環として、地域団体や事業者等により道路等の公共空間における防犯カメラの設置拡充に取り組んでいただいてきたところであり、各種犯罪の未然防止において大きな成果を上げていると認識をしております。
 府警察といたしましては、引き続き地域団体をはじめとする様々な設置主体に対し、防犯カメラの効用と、国及び自治体による補助制度を周知するなどして設置促進の働きかけを継続してまいります。
 今後も防犯カメラの設置運用については、地域団体や事業者等による自主的な防犯活動の一環として行われることを基本としつつ、地域の治安情勢等を踏まえて、防犯カメラが真に必要と認められる箇所においては、警察も主体的に整備に関わるなどして府民の安全・安心の確保に万全を期してまいる所存であります。

◯議長(荒巻隆三君) 田中健志議員。
   〔田中健志君登壇〕

◯田中健志君 御答弁ありがとうございました。
 警察が設置する防犯カメラは大いに期待するところでありますが、私が少し心配しているのは、先ほど申し上げたとおり地域のカメラ、地域で自主的に管理していただいているので、なかなかランニングコストが負担できないとか、管理する人がいろんな事情でいなくなるとかいうことで、カメラはあるけれども実際には動いていないというものも中にはあると聞いています。そうなると、いざとなったときになかなか活用できないということも大いにあり得ると思います。
 警察の捜査・調査に協力するというのが基本姿勢であるならば、そうした公的な役割を担っているということを鑑みると、これは警察の仕事じゃないのかもしれませんが、国や自治体と連携して、そうしたランニングコストについての負担も、ぜひ今後は検討していただきたい。そして、公平で効果的な運用をお願いして、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)