1 命を守り育てる取組について
(1)性と健康の相談センター事業の新たな取組について
(2)プレコンセプションケア推進による新規事業について
(3)女性へのヘルスケアとパフォーマンスを向上する
取組について
2 京都の生活文化を広める取組について
3 その他
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◯議長(石田宗久君) 休憩前に引き続き会議を行います。
次に、田中美貴子議員に発言を許可します。田中美貴子議員。
〔田中美貴子君登壇〕(拍手)
◯田中美貴子君 府民クラブ京都府議会議員団の田中美貴子でございます。通告に従い質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
私が懇意にしている助産師さんと一緒にある勉強会に参加した帰り道、「京都府では、プレコンセプションケアやSRHRの取組は健康福祉部所管ですよね。医療分野も、同じく健康福祉部なんですか」、何気ない会話ですが、改めて考えさせられました。健康というのだから医療も当然でしょうと当たり前のように思っておりましたけれども、彼女が言うには、「医療従事者である助産師として命の大切さを広める取組をしているけれども、私の取組は福祉でもあるのですよね。福祉のことはまだまだ勉強不足です」。
彼女と一緒に参加したその勉強会というのは、「ターラの夢見た家族生活」の著者でフランス在宅教育支援エデュケーターのパボさんと、その著書の翻訳者、フランス子ども家庭福祉研究者の安發(あわ)さんによる「親子をまるごと支える在宅教育支援・子どもがまんなか・子どもが幸せに育つ社会」であり、主催者いわく、社会をよりよくしたいという思いと他者への愛情にあふれた多様な人々が集まった勉強会で、福祉と医療と教育が複層的に重なり合うそのありようが、まさに日本とフランスの違いとして様々な言葉で解き明かされるような感覚に浸ったひとときでした。
今回、私の大きな1つ目の項目は、命を守り育てる取組として3点の質問をさせていただきます。医療の分野であっても思いやりのある優しさに満ちた福祉的な内容であり、これからの教育も踏まえた内容といたしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、性と健康の相談センター事業の新たな取組について、お聞きいたします。
昨年の私の代表質問、性と健康の相談センター事業について、本府では「妊娠出産・不妊ほっとコール」を設置され、妊娠・出産に関する不安、避妊方法、予期せぬ妊娠、不妊治療や不育症から育児の悩みまで、年齢不問、匿名での電話相談に対応していただいております。
しかし、人間関係や経済状況など幅広に対応する必要から、さらに専門性の高い相談先に速やかにつなぐことが必要であり、相談体制の強化、加えて仕事と不妊治療の両立支援、併せて、京都市にも類似の相談窓口が設置されていることから、若年者が相談しやすく体制強化も踏まえた類似の相談窓口の京都市との統合の方向性を西脇知事はお示しされました。令和7年度は、妊娠・出産、子育てに関する総合相談として、京都府、京都市の相談窓口を統合し、オールインワンサポートを展開されるとのことで、非常に期待いたしております。
ただ、相談対応者については、多職種によるきめ細やかな支援が求められ、事業実施に当たっては市町村との連携も必要なこともあり、今後はそういった連携強化も必要と思っております。また、特定妊婦や若年妊婦からの相談を受ける「妊娠SOS」についても、体制を整えなければなりません。
相談窓口の今後の取組方針について、お考えをお聞かせください。
次に、プレコンセプションケア推進による新規事業についてお聞きいたします。
本府では、SRHRの考え方を基本としてプレコンセプションケアを推進されることとされており、科学的知識を普及啓発するための集団アプローチを進められる中、府内の医師や助産師の方々が、若者の性や体の悩みに答えるユースクリニックの開設や居場所づくりなどの支援活動を通じて、医療・保健・教育・企業等の関係者の皆さんとともに、SRHRの普及啓発、新たなプレコンセプションケアの取組を推進していただきたいと思っております。
こういった推進をするためには、今、高校生にお取組いただいている教育プログラムをさらに広げる必要があり、自尊心が芽生え自己肯定感が培われる幼児期から小・中学校にも広げる必要があると考えております。ただ、教育プログラムとなりますと、義務教育の中ではなかなか難しく、また幼児期においてはマンパワーの問題が課題となります。そのあたりは、丁寧に進めていただきたく思いますが、大学、企業とも連携したセミナーの開催等は今後さらにしっかりと展開していただきたいと思っております。
そこで私が思いますのに、プレコンは女性に偏りがちになりますが、特にジェンダーバイアスのかかった男性にはしっかり伝えていかねばならないことだと思っております。まだまだ管理職の大半が男性で占められている多くの企業において、このプレコンの研修は大変重要であり、セミナーの開催、そしてキャリアコンサルタント、キャリアカウンセラー等、共に啓発・広報に努めていただける方々にもぜひ広めていただき、新たな展開をお願いいたしたいと思っておりますが、お考えをお聞かせください。
次に、女性のヘルスケアとパフォーマンスを向上する取組についてお聞きいたします。
以前、「生理の貧困」という言葉を取り上げさせていただきました。そこで今回は、女性のヘルスケアとパフォーマンス向上について、新しい観点で質問をさせていただきます。
最近、公共施設のトイレに生理用品が置かれたり、学校で配付されるようになってまいりました。それはそれで重要な取組でありますが、私が訴えたかった「生理の貧困」はもっと深い意味があり、生理と経済的貧困の関係のみではなく、生理と社会の関係が貧困であったということでした。
長年、生理を語ることがタブー視され、議論さえされなかった時代背景の中で、多くの女性が体の不調や心の悩みを一人で抱え、いかに苦痛と闘ってきたか。女性には本来、しなやかさやきめ細やかさ、忍耐力、計画的な行動力等の特性があります。しかし、生理による体調の変化をうまくコントロールできず、その力を十分に発揮できないこともあり、女性同士でも、ましてや男性とも自由に議論できる土壌がなかったことが生理の貧困ということであり、女性の生理を女性自らも語り合い、男性にも理解されることによって「生理の貧困」の解決につながるものと考えております。
「女性活躍」という言葉は、もう何度も発言してまいりました。女性の管理職登用や社会進出、しかし、それらをかなえるには女性が持っている力を十分に発揮するためのパフォーマンス力を上げねばなりません。男女共同参画社会も、ただ単に女性比率を上げる数字の取組ではなく、もっと根本的な心身の醸成が重要だと考えます。
男女共同参画推進をお取組いただいている企業で既に実施された内容を御紹介させていただきますと、多様な従業員を大切にする企業、企業でのダイバーシティーの重要性、月経不調や男性更年期等であるのですが、助産師さんがセミナーをする際、管理職の男性の方にはなかなか理解がしてもらいにくい、ジェンダーバイアスがかかり他人ごとのように捉えられている、また月経や更年期という言葉そのものをセクハラのように捉えられることを恐れているとのことです。ただ、男性更年期について少しでも触れることによって関心が広がったように感じられるそうです。
男性更年期とは、40代後半の男性がテストステロンの緩やかな減少に伴いEDや抑鬱症状、集中力低下などを生じる病態をいいます。女性と比べて症状の出現が緩やかで、特異的な症状がないために本人も自覚しにくい状況がありますが、適切な治療により改善が見込めるものです。女性特有の健康問題を公に語ることにより、男性も女性も自身の健康に目を向け、社会として取り組むきっかけになるよい例ではないでしょうか。
また、女性の職場でのパフォーマンスと女性特有の健康状態については、数々の調査がなされています。経済産業省の調査研究事業の報告書では、月経に伴う月経痛や月経前症候群(PMS)については、15歳から49歳までの女性のうち月経経験者の約74%がつらい症状を経験しており、18歳から49歳までの働く女性の94%は、月経に関連した症状によって「仕事のパフォーマンスに影響がある」、45%は「パフォーマンスが半分以下になる」と回答。しかし、症状があったとしても何も対処していないことが多く、PMSに効果がある低用量ピルの服用率も低く、生理休暇の取得者も少ないという実態が報告されています。
また、更年期症候群については、少し古い2018年・2014年調査ですが、更年期症状があると自覚している40歳以上の女性のうち95%が「仕事のパフォーマンスに影響がある」、46%が「仕事のパフォーマンスが半分以下になる」と回答。また、更年期症状により昇進を辞退した人は約50%、退職した人は約17%に上るとのことです。
これらに対して現状は、フェムテック関連企業や自費のオンラインピル会社の努力で広がりを見せているものの、商業ベースのサービスは玉石混交というところがあり、本当にケアが必要な方々には浸透しにくい状況です。
社会的には、例えば月経関連症状や更年期の症状について、市民の科学的な知識を増やすために情報提供し、治療の選択肢が広がるように相談場所を広げる、ケアの人員を確保する、企業が女性の健康課題に取り組みやすいように支援する、産婦人科医が少ない地域でも悩む人が適切な医療とつながれるように支援する等が大切だと考えられています。
私の信頼する産婦人科医は、「生理はコントロールする時代であり、無駄な血は流さなくてよい」「更年期は来る60代に向けて自分と向き合い、整える時期」「鬱病予防の運動やホルモンケアもフェムケアも、これからのエイジング社会を明るくする大切な要素」と女性のヘルスケアへの積極的な医療の提供をしております。
京都府では、昨年度に改定した保健医療計画において「健康づくりの推進」を掲げておられますが、女性のヘルスケアに取り組むことで、パフォーマンスが向上できるような取組をすることがこれからの本府の未来を明るくするものと考えますが、お考えをお聞かせください。
次に、要望とさせていただきますが、20歳になると受給資格が喪失する小児慢性特定疾病医療助成と特別児童扶養手当ですが、20歳になったからといって病気が治るわけではありません。病気によっては受給が続くようなこともありますが、一方で全てを喪失してしまう人たちがいても、引き続き治療は続くわけです。
もともと制度設計は国ですが、本府の令和7年度当初予算案においては、小児期発症慢性疾患・移行期医療体制強化事業費が計上され、成人期を迎えた患者を適切に成人診療科につなげるための仕組みや環境づくりに取り組むこととされております。経済的な支援についても、ぜひ国にも御要望いただき、引き続き本府でもできる支援をよろしくお願いいたします。
ここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。
◯議長(石田宗久君) 西脇知事。
〔知事西脇隆俊君登壇〕
◯知事(西脇隆俊君) 田中美貴子議員の御質問にお答えいたします。
妊娠・出産・子育てに関する相談窓口についてでございます。
京都府におきましては、男女を問わず、性や生殖に関する健康支援を実施することを目的として、電話やSNSを用いた妊娠・出産・子育てに関する相談支援事業に取り組んでまいりました。
この相談支援事業につきましては、妊娠・出産、不妊、子育てなど相談内容に応じて分かれており、また京都市においても類似の事業を実施されていたことから、令和7年度からは府市連携により複数の相談支援事業を統合することとし、今定例会に所要の予算案を提案いたしております。
これまで京都府の窓口で相談を受け付けた場合、京都市以外の市町村と連携して支援を行い、京都市域においては京都市が独自に相談支援を行っておりましたが、相談窓口を統合することにより、府内のどこに住んでいてもワンストップで同じ相談支援を受けることができることとなります。
具体的には、妊娠・出産だけでなく、学齢期の子育てに関することや仕事と不妊治療の両立まで幅広い相談に対応するため、助産師、看護師のほか、新たに臨床心理士や産業カウンセラーなど様々な職種の専門家による相談支援を行うこととしております。さらに、若年層も含む様々な方にとって相談しやすくなるよう、SNSなどを活用することにより24時間365日、テキストによる相談を受け付けることとしております。
また、予期せぬ妊娠に係る相談、いわゆる「妊娠SOS」に関しましては、チャット形式による専門相談を実施することとしております。予期せぬ妊娠は、10代をはじめとする若年層に多く、また相談者の発言に急ぎ対応することも求められるため、チャットを活用し相談のハードルを下げるとともに、速やかに対応できる相談体制を整備したいと考えております。
新たな相談支援事業は、いずれもオンラインによる匿名相談が基本となっておりますが、相談者が抱える様々な悩みや不安に寄り添い、信頼関係を構築することで必要な方には市町村や関係機関が行っております面談などの直接的な支援につなげることとしております。
例えば、学童期の子育てに関する悩みであれば、市町村の子ども家庭センターとも連携した支援につなげるほか、「妊娠SOS」であれば市町村の保健師による分娩医療機関への同行など、相談だけにとどまらない継続した支援体制を構築してまいりたいと考えております。
今後とも、全ての府民が安心して妊娠・出産・子育てができるよう、市町村とも連携して母子保健制度や福祉制度をはじめ、様々な側面から総合的な切れ目のない支援を行ってまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。
◯議長(石田宗久君) 井原健康福祉部長。
〔健康福祉部長井原正裕君登壇〕
◯健康福祉部長(井原正裕君) プレコンセプションケア推進に係る新たな取組についてでございます。
プレコンセプションケアの推進につきましては、今年度は、有識者検討会の意見を踏まえ関係部局や教育委員会とも連携し、高校生を対象とした教育プログラムを作成しております。この教育プログラムは、授業などで使用できるスライドや動画教材のほか、教員向けの指導の手引や参考資料などから構成されており、完成後は活用に向け、府内全ての高等学校宛てに周知する予定となっております。
プレコンセプションケアは、男女を問わず性や妊娠に関する科学的な知識の普及を図り、健康管理を促すものであり、子どもを持つかどうかにかかわらずキャリアを含めた自ら希望する生き方を実現するために重要な取組であると考えます。
この取組をより効果的なものとするためには、若年者自身はもちろん、周囲の方をはじめ幅広い世代の方にプレコンセプションケアの重要性を知っていただき、若年者が希望する生き方を実現できるよう、社会全体でサポートする必要があります。
しかしながら、プレコンセプションケアについては、広く認知されているとは言えない状況であり、その重要性について普及・啓発を行っていくことが課題であると考えております。
このため、令和7年度には、若年者に対しまして自ら希望する生き方をプレコンセプションケアの観点から考える機会を提供するセミナーを府内各地で開催することとしております。また、若年者をキャリアの面からサポートするため、職場の上司や同僚などに対しまして幅広くプレコンセプションケアの重要性を知っていただく必要があることから、啓発動画や研修用のプログラムを作成し、社内のセミナーなどにおいて活用いただきたいと考えております。
さらに、幅広い世代の方に向けて、きょうと子育てピアサポートセンターのホームページに、プレコンセプションケアに関するページの新設、地域のイベントなどに情報発信ブースの設置など、様々な場面において普及・啓発を行ってまいりたいと考えております。
今後とも、若年者を含めた府民の皆様に健康管理や妊娠・出産についての認識を深めていただけるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、女性のヘルスケアとパフォーマンスを向上する取組についてでございます。
働く女性が増加する中、女性特有の健康課題を職場の上司や同僚などが理解し支援していくことは、「性別にかかわりなく誰もが社会参画できる社会」を実現する上で重要と考えております。
京都府では、昨年度改定した京都府保健医療計画において、ライフステージに応じた健康づくりに取り組むこととしており、女性ホルモンのバランスの変化により生じる女性の健康課題についても、必要な取組を行うことを新たに明記したところでございます。
今年度は、性や妊娠のほか、月経困難症や子宮内膜症に関する正しい知識を普及するためのプレコンセプションケアに関する教育プログラムの開発、乳がん・子宮頸がんの早期発見、早期治療に向けたがん検診の受診啓発、女性の健康管理への理解を推進するため「ヘルス博KYOTO」における講座やパネルディスカッションの実施などに取り組んできたところでございます。
3月には、「女性の健康週間」に合わせ、府内の医療関係団体と連携したセミナーなどを予定しており、女性の健康課題への理解が深まるよう情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。
また、京都府では、社員の健康づくりに熱心に取り組む企業を「きょうと健康づくり実践企業」として認証しているほか、女性が働きやすい職場環境の整備などに積極的に取り組む医療機関や福祉施設を関係団体などが認証する制度もございます。
女性の健康課題を解決するためには、職場の上司や同僚など職場の理解促進や働きやすい職場環境の整備も重要であることから、まずは、こうした事業者などに女性の健康課題に関する理解を一層深めていただけるよう働きかけてまいりたいと考えております。
今後とも、京都府保健医療計画に基づいて女性の健康づくりに取り組み、女性が自ら持つ能力を十分に発揮し、社会で活躍することにつなげてまいりたいと考えております。
◯議長(石田宗久君) 田中美貴子議員。
〔田中美貴子君登壇〕
◯田中美貴子君 御答弁ありがとうございました。
命を守り育てる取組として、3点の質問をさせていただきました。性と健康の相談窓口の内容ですけれども、今、御答弁がありましたように、多職種による相談支援ということでございまして、これで信頼関係を築く、直接支援をしていくというふうなことがやっぱり市町村にも広げるということを御答弁いただきましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。
プレコンですけれども、ぜひ幅広の取組をよろしくお願いしたいと思っておりまして、女性のパフォーマンスを向上する取組につながるように、また女性が活躍するためには大変重要なことと思っておりますので、様々に啓発をよろしくお願いいたしたいと思います。
今朝も、画期的な生理用品の特集がテレビで放映されていました。いずれにいたしましても、少子化対策のみならず、京都で子育てをされる人が楽しみながら人生を過ごされるための様々な施策の展開を引き続きよろしくお願いいたします。
次に、大きな2つ目の質問として、京都の生活文化を広める取組についてお聞きいたします。
丹後ファクトリーにお伺いしたときに目に留まった白生地がとても美しくて、肌触りもよかったので染めていただき、今日、着てまいりました。文化の担い手のみならず、需要側としても取組をしてまいりたいと思っております。
京都の文化に関しましては、今さらながらではありますが、やはり世界に向けて発信できる大切なコンテンツがあります。その上で、改めて文化庁移転以降の取組について質問をさせていただきます。
京都は奥深く、千年の歴史がそのまま生活文化として残り、儀式とも取れる日常がすぐそこここに息づいております。私も華道を学び、教えておりましたが、最近また御縁をいただき、改めてその奥深さを感じさせていただいております。
文化庁移転がなされ、文化庁職員さんも様々にその奥深さに触れておられるのではないかと思っておりますが、霞が関という日常から京都という特別な日常を過ごされる中で、京都の中にある生活文化をどのように体験、体感され、自分ごととして捉えておられるのかと考えております。
京都の千年以上の歴史は、有形・無形を問わず暮らしに息づいているものであり、暮らしそのものが文化と言っても過言ではありません。文化庁移転直後のときに知事は、「日本の皆さんから京都に文化庁が移転してよかったと思っていただけるように、国と地方が連携して新たな潮流を生み出せるように全力で取り組んでまいりたい」とおっしゃっておられました。
私は、「文化の継承・発展は、担い手を育てることも大変重要ですが、伝統文化に触れる需要側を育てることも重要です。それこそが底力につながるもので、京都の強みになるものと確信いたしております」とお伝えさせていただきました。
その後、文化庁との連携は様々に取り組まれ、文化庁、地方公共団体の若手職員を中心とした共創・連携活動のキックオフミーティングに始まり、京都府内の全市町村に根差した文化等の視察をはじめ、市町村長との意見交換、京料理をテーマにしたもの、和装で打ち水体験等、京都で暮らす人々の日常体験を文化庁職員さんたちもなされているようです。
一方、子どもたちへの生活文化の継承は、出前授業という形で実施いただいております。京都商工会議所では創立140周年記念事業並びに文化庁移転支援事業の一環として、文化と産業の交流拠点、旧富岡鉄斎邸(元京都府議会議員公舎)を改修され、生活文化を体験できる場所を整備されました。この歴史を感じる鉄斎邸において、「夏休みこども文化体験教室」にはじまり様々に生活文化をじかに感じる体験を御提示いただいております。
私は、ぜひ文化庁の職員さんたちに華道や茶道といったまさに生活文化を体験していただきたいと思っておりまして、本来であれば出稽古でもしていただけるとさらに根づくのではないかと思っておりますが、同時に、府の職員さんたちもどれだけその文化に接しておられるのかという考えにも及びました。
京都の文化はさらに多くの皆様に、需要側となって発信をせねばなりません。この際、京都でビジネスをしておられる皆さんをはじめとして、文化庁職員さん、府の職員さん自身もしっかり文化を体験し、伝える側になっていただけるような取組が必要かと思っております。
折しも、昨年12月には華道が国の登録無形文化財になり、17日には「日本いけばな伝統文化協会」が設立されております。海外で御活躍される皆さんにとっても、自国の文化を身につけられることは大変重要なことと思っております。ぜひ、この生活文化のさらなる継承と発展をお願いしたいと思っておりますが、お考えをお聞かせください。
これで私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
◯議長(石田宗久君) 益田文化生活部長。
〔文化生活部長益田結花君登壇〕
◯文化生活部長(益田結花君) 京都の生活文化を広める取組についてでございます。
京都は、長い歴史の中で育まれた日本文化の中心であり、茶道や華道、祭りなどの日々の暮らしに根差した文化が発展し、現在も生活の中に文化が息づいております。
しかしながら、近年の生活様式の変化や価値観の多様化などに伴い、こうした伝統文化への関心が薄まるとともに、文化に親しむ人が減少傾向にあるなど、その継承が大きな課題となっていることから、京都府ではこれまでから、生け花や着付けなどの生活文化を体験する「京のかがやき体験教室」の実施や、府内各地で継承された地域文化を披露する「伝統文化の体験交流広場」の開催などに取り組んできたところでございます。
さらに、生活文化の継承は京都だけでなく全国的な課題でもあることから、国と地方が連携し対策を講じる必要があると考えております。このため、文化庁とともに、地域文化への理解を深めるため、文化庁と京都府、京都市の若手職員を中心に連携した取組を進めてきており、これまでに祇園祭へのボランティア参加や丹波漆の体験など、様々な文化の魅力に触れる機会を設けてまいりました。
こうした取組を通じて、職員の地域文化への理解が深まるとともに、山鉾を引く人の担い手不足や手間暇がかかる漆の生産現場の実情を体験することで、文化を次世代に継承する大切さを改めて認識したところであり、この体験を職場で共有し、文化庁とともに新たな施策の立案等につなげていきたいと考えているところでございます。
このように、体験を通して得た感動や気づきを周りの人に伝えることは、文化の継承につながる重要なことであり、今後もこうした貴重な体験が共有されるよう努めてまいりたいと考えております。
また、議員御指摘のとおり、京都でビジネスに携わる方をはじめ文化にふだん触れる機会の少ない府民の皆様にも、生活文化への興味や関心を持っていただくため、例えば京都商工会議所等と連携した華道などの生活文化の体験や利き茶体験など、旧富岡鉄斎邸を経済団体に積極的に活用していただく取組を進めているところでございます。
今後とも、オール京都体制で力を合わせ、身近に文化に触れることができる機会を充実させ、多くの府民に様々な文化を体験いただき、文化を伝える側となっていただくことで生活文化を将来にわたって継承し、発展させてまいりたいと考えております。